古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

くらす株式会社

対応エリア神奈川県湘南エリア

家ではなく、暮らし方を売る。

古民家アイコン

湘南にて”コーポラティブハウス”という住み方を提案する、くらす株式会社代表の福田さん。15年前に「暮らす湘南」というサイトを、そして現在は古民家移築販売サイト「結(YUI)」を立ち上げ、人々の暮らし方の選択肢を次々に広げていく福田さんの、その現在進行形の思いを語って頂きました。

インタビュー

東京から湘南へ

福田
あのー、皆さん工務店さんとか設計事務所さんじゃないですか。だからここで古民家の活用推進の話をしてもいいのかなと思うんですけど。
──
いや、全然大丈夫ですよ(笑)。古民家を大切にしましょうっていうサイトなんで。
福田
それならよかった。
──
福田さんは湘南で……あの、いきなり余談で済みません。福田さんって、なんか僕の知ってる雰囲気やな、誰かに似てるなって思ってたんですけど、僕の叔父なんです。
福田
はい。
──
その人、めっちゃサーファーなんですよ(笑)。
福田
(笑)
──
「暮らす湘南」のサイト見て、あ、なるほど!と思って(笑)。
福田
そうですか(笑)。
──
波乗りしてる人って、独特の雰囲気ありますよね。うちの叔父もゴリゴリのサーファーなんです。僕も一回だけ誘われてサーフィンしたことあるんですけど、ロングボードで。ボロボロになりながら、最終的に、一瞬、ボードの上で正座したっていう(笑)
福田
正座ですか(笑)。
──
結局丸一日かけて、その一瞬しか乗れませんでしたけど、ちょっと分かったんですよ。
福田
感覚が。
──
そう、あ、たぶんこれが気持ちよくてみんなハマるんだなって。
福田
相当なアドレナリンが出ますからね。だから中毒になるんです。
──
なんか、地球に動かされたというか。今まで経験したことのない力で持っていかれた。
福田
ほんとに自然の力ですからね。
──
あれにハマると、生活もあれ中心になりますよね。
福田
やっぱりそうなりますね。僕、この仕事を始めたのはサーフィンがきっかけというか。僕は元々東京の青山で働いてたんです。
──
え、そうなんですか。
福田
全然違う職種ですけど。でも都内だとなかなかサーフィンできないんですよ。
──
でしょうね(笑)。
福田
それで湘南に移ったんです。それで最初に住んだのが鎌倉。定番ですけど。
──
はいはい。
福田
その時、移る前に仕事辞めて、現地で仕事を探したんですけど、それが不動産だったんです。
──
へぇー。
福田
不動産の仕事なんですけど、不動産と言ってもいっぱいあるじゃないですか。一般仲介もあれば、ビルの管理もあれば、賃貸だけ、売買だけ、分譲もありますけど、入った会社がたまたま分譲だったんです。それが今の仕事につながってますね。

インタビュー

土地をシェアする暮らし

──
「暮らす湘南」は、リノベーションしたものを分譲されてるんですか?
福田
新築と両方やっています。普通分譲というのは、用地を買って、そこに建てて、ということなんですけど、うちは用地を見つけたら、まず買う人を集めて、その方々に土地を買ってもらって、みんなでつくっていくという形です。
──
あー。そういうことですか。
福田
そのプロデュースをやる会社なんです。コーポラティブ方式という考え方なんですけど、都内なんか結構あって、マンションを作るというのが多いですね。でも湘南なので、マンションよりも戸建ての街づくりの方が似合ってるので、戸建てがほとんどですね。今はそこに古民家再生や移築も扱って、コーポラティブ方式の街づくりを進めています。
──
なるほどなるほど。住まいのスタイルとしては、別荘的な感じが多いんでしょうか?
福田
んー、過去はファミリー層の方々が多かったんですが、今は都内からデュアルライフで来られる方々も増えてますね。
──
そうなんですね。お金は皆さんが出し合うという形ですよね。
福田
そうです。
──
ということは、家単位じゃなくて、そのエリアのコミュニティという単位なんですね。
福田
そうですね。コミュニティをつくることが目的です。土地の権利は持つんだけど、それをシェアする暮らしというのをやってるんです。
──
へぇー。面白いですね。
福田
例えば400坪とか500坪の土地に、大正時代の建物が建っていると、もうこれは2億とかそんな数字になっちゃうんですよ。
──
はい。
福田
なかなか誰も買えないですよ。だから普通だと壊しちゃうんですね。壊して、どっかの業者が買って、小さく区割りして、そこに新しい家を建てて売るというのが普通の不動産屋の流れです。
──
はいはいはい。
福田
でも、例えばそれを直す、あるいは壊してしまっても、その材料を新しく建てるものに活かしていく、いわゆる再築という形ですね、そしてそこに住みたい人たちを数人集める、ということも可能なんです。
──
うちの近所はお屋敷がいっぱいあって、僕の家の土地が180坪あるんですけど、ご近所の中で一番狭いんです。そんな広い土地、次の世代が継ぎたがらない。土地は安いですけど一応大阪なんで、数百坪になれば固定資産税もまあまあかかるんです。だからお年寄りがいなくなるとその子供が継がずに処分してしまう。その瞬間に上物なんか潰されちゃうんで、それをどうにかできないのかってずっと思ってるんです。コーポラティブっていうのは、その問題に対する一つの解決策ですよね。
福田
「シェアする」っていうことの変形なんです。ルームシェアがありますが、そのもっと大きな形ですね。こういうやり方に賛同して頂ける方はかなり多いですよ。
──
あ、そうなんですね。もうそういう流れが始まってますもんね。
福田
ただそのやり方がみんな分からないし、それをやってる会社っていうのがそんなに無いんです。普通はデベロッパーが入って、ぐしゃっと潰して、新しいものを建てるだけだから。
──
はいはい。
福田
だから新しい選択なんですよね。

インタビュー

震災とコミュニティ

──
今はテレワーク、シェアオフィスというものも広がってきてますし、時流に乗ってる感じがします。でもやってるところって少ないんですか。
福田
だって、めんどくさいですからね。
──
ああ、やっぱりそうなんですね。
福田
時間もかかるし、人も集めなきゃいけないし。
──
たとえば5世帯が住めるエリアがあったとして、5家族揃わないと着工にはならない、という感じなんですか?
福田
そうです。それが基本。だからまず人集めです。
──
はー。
福田
うちは会社設立から15年経ってますけど、この仕事しかやってきてないんですよ。
──
え、そうなんですか。
福田
やっぱり最初はまあ……それはそれは集まらなかったですよ。
──
あー。
福田
分からないから。言ってることが。
──
そうですよね。たぶん僕が一番最初に「暮らす湘南」のサイトを見て感じたことと同じですよね。よく分からないという。
福田
そうですね。でもそこからいろんな形ができてきて、それを実際に見て頂くこともできるようになりました。あとは時代の変化ですかね。特に東日本大震災の後、やっぱりコミュニティが大事なんだということを…
──
あー、なるほど。
福田
あれでみんなが感じたんですね。だから私たちがコミュニティを作っているんだということも、少しずつ理解頂けるようになって。
──
そうかー。
福田
なんでも作るわけじゃないんですよ。それぞれにコンセプトがあって、それがハードルにもなっていて、そこに共感する人しか集まらない。そういう形が見えてきた頃から、人集めにいい流れが生まれてきました。
──
古民家リノベーションもそうなんですけど、周りに誰もやってる人がいない、需要はあるんだろうけどそのためのノウハウや情報がない、そういった状況で、それでもやっちゃう人がごく一部いて、それからかなり遅れて、大勢の人たちが後からついて来るという形があるじゃないですか。
福田
(笑)そうですね。
──
お話を伺っていて、会社を立ち上げられてから15年かけて今、そういう状態にあるんじゃないかなと思いました。
福田
いや、そんなに先を走ってるとは思わないけど(笑)。
──
いやあ、15年前にコーポラティブハウスを始められたっていうのは凄いなと思いますよ。だって15年前ってスマホどころかPCやインターネットもまだそんなに普及してないですよ。
福田
不動産業はみんな紙の時代でしたね。でもうちは一切紙をやんなかったです。15年前からホームページで広告してました。
──
え! すごいっすね。
福田
バカじゃない? って当時言われました(笑)。でも絶対そうなると思ってたから。
──
へぇー。どっちも先見の明ですねぇ。
福田
どうなんでしょうね。でも今はやっぱり、古民家再生のことにつながるんですけど、協会でも勉強させて頂くうちに、時代も変わり、暮らし方も変わり、住宅のあり方が変わってきたというのをすごく感じます。もう新しいものを作るっていう時代は終わりなのかなって思いますね。
──
ですよねえ。そう思いますけどね。
福田
なのでやっぱり古民家再生や古民家移築というところと、ずっとやり続けてきたこのコーポラティブという仕組みを、うまくマッチさせていきたいですね。それが結果として古民家の再利用や活用につながっていくんじゃないかなと思います。

インタビュー

古民家移築販売サイト「結(YUI)」

──
福田さんのもう一つの重要な事業として、古民家の移築販売というのがありますよね。この「古民家移築販売サイト 結(YUI)」というのは、再生協会の全国ネットワークを通じて、古民家を探して好きなとこころに移築する、しかもプランがあって価格も表示されているという、古民家業界で唯一の仕組みだと思うんですけど、これについて詳しく教えてください。
福田
そうですね、まず以前のプロジェクトで鎌倉で長屋を建てた時に、静岡から古民家を移築してきたんです。
──
あ、そうなんですか。
福田
そう。でその時に、古民家の移築というのが、ネットで調べても情報がない、よく分かんない、という状況にあるというのが分かったんですね。
──
はいはい。
福田
でも、これはみんなが求めてるものだろうなという感覚があったので、もっと分かりやすく、一般の方たちでも選択肢の一つとして「移築」を選べればいいなあというところから、この事業がスタートしました。
──
なるほど。まず、「結」の一番特徴的なところってどんな部分ですかね。てか、こんなん誰もやってないんで全部特徴的なんですけど(笑)。
福田
(笑)うーん、まず「結」でしか絶対にできないところっていうのがあって、それはこの全国古民家再生協会のネットワークで、古民家があるエリアと、古民家が欲しいエリアとの連携ですよね。これを「輸出側」と「輸入側」というふうに呼んでいるんですけど。
──
はいはいはい。そうですよね。普通は工務店さんが「移築できます」って言っても、元となる古民家は自分で見つけてくださいっていう形ですもんね。
福田
そうです。
──
それがたとえば、僕だったら大阪ですけど、大阪に古民家を移築したいと思って、岡山県とか、香川県に安い古民家を見つけたとしても、それを誰が解体して、大阪まで運んでくれるのかってことですよね。
福田
地方で100万円とかで古民家が売ってるんですよ。移築できます、解体までやりますと。でも、そこまでなんですよね。
──
あー。そうですよね。
福田
それにお客様が一番不安なのは、お金のことですよね。解体は金額が出るじゃないですか。運搬費用もまあ出るんです。ただ、その工事を請け負う側の工務店さんが、見積を出せないんですよ。
──
ああー。そうか。
福田
材を見れないわけじゃないですか。だからどの材がどこまで使えて、どういう加工をして、というのが分からないんですよね。
──
なるほどなー。ほんとっすね。やっぱ移築っていうのは現実的には、近いエリア同士でないと難しいんですね。
福田
遠方だとすごくハードルが高くなりますね。
──
いや僕、それができるというのが一番の特長だってあんまりピンときてなかったですね。他にもいろいろ特長あるじゃないですか。たとえば価格表示がされててベースプランが数種類ある、みたいな部分も画期的ですし。
福田
そうですね。古民家の移築というのは「見える化」が大事だと思ったんです。
──
いやほんとに僕もそう思います。僕もそうでしたけど、古民家リノベって、実際にそれをやるのは素人の方じゃないですか。でもその人が総合プロデューサーになって、物件の購入から工務店の選定、直し方まで決めて、その全責任が自分にあるという、これをできる人はなかなか限られてるのかもなって思うんです。僕は勢いでやっちゃいましたけど、でもそういう勢いのない普通の方々にとっては、この形で、いくらです、というのはめちゃくちゃ助かると思うんですよ。
福田
まあ、分かりやすいですからね。
──
それってもうゴールじゃないですか。ゴールが設定されている安心感たるや…僕なんかゴールがどこにあるのか、あったとしてそこにたどり着けるのか、まったく分からないまま暗闇でもがき続ける日々で…(笑)
福田
あのー、僕はずっと不動産業やってきましたけど、土地を買って注文住宅で普通に家を建てようという方たちって、そういうゴールは実は求めてないんですよね。
──
ほう。
福田
〇〇ビルダーのところで、30坪で、予算2500万円でやってもらいます、っていうところだけ決めて、それ以外は決められたくない。自分たちの思い通りにつくりたいんですよね。
──
ああ、そうですね。
福田
そういう方々は画一化された間取りだったり、金額提示というのは嫌がられるんです。なぜかというと既に新築の注文住宅っていうマーケットができあがっていて、イメージできるからですね。
──
あー、そうか。
福田
たとえばそのビルダーで2500万円で建てるっていうと、だいたいどんな家になるか分かるんですよ。だから怖くないんですよね。そこから予算を考えていきましょうっていうことができるから。でも、古民家移築は真逆なんですよ。
──
そっかそっか。なるほどなー。
福田
だからこの金額を用意すれば確実に古民家暮らしができるというところを、お客様に見せることができればと思ったんですよね。そうすれば家づくりの選択肢に「移築」も挙がってくるのかなと。考えてみれば本来、古民家って移築の歴史なんですよ。
──
ああ、そうですね。昔は古家の移築が普通でしたもんね。
福田
だから古民家と移築っていうのは、本来相性がよくて、理にかなってるんです。

インタビュー

──
なんか移築もそうですし、古民家のマーケットというのが、今再発見されてる感じですね。
福田
それはSNSとかインターネットの発達で情報を得られるようになったというのがすごく大きいし、あとコロナもかなり関係しますよね。
──
はいはい。
福田
今やってるお客様は、「結」を見てお問い合わせ頂いたんですけど、オンラインでお話した時に、その方は都内から地方へ移住した方なんですよ。それで仕事はどうされてるんですかって聞いたら、全部オンラインでやってますと。それで古民家を探されてたんですけど、やっぱり自分で暮らしたいエリアに古民家が無いんですね。その時にたまたま「結」を見つけて、移築という選択肢があることを知って、即決されたんです。
──
ああー。すごいなあ。
福田
今それで進めてるんですけど。やっぱりそういう人たちが増えてきたんですよ。
──
ちょうど「移築」のイメージも変わりつつあると思うんですけど、世間的にはやっぱりまだまだ「移築」って言われるとなんか重要文化財とか、国家レベルのプロジェクトみたいなね、個人宅で移築なんかしちゃったらもう何億ってかかるんじゃないかとか。
福田
(笑)そういうイメージがありますよね。
──
でも新築するくらいの感じで古民家が移築できるんだっていうことは、ぜひ知って欲しいですね。
福田
目指したいのは、今ハウスメーカーで注文住宅を建てようとされてる方たち、たくさんいらっしゃると思うんですけど、それと並列して、古民家移築という選択肢を並べたいなあという感覚なんですよね。
──
はい。
福田
でも値段の話をすると、あ、ハウスメーカーさんとそんなに変わんないんだ、と驚かれる方はチラホラいらっしゃいます。
──
なんかね、頭の中で最初から除外するんですよね。無意識に。移築もそうですし、古民家暮らし自体もそうですけど。僕だって古民家が好きなくせに、自分が家を建てようと思った時に、最初はそういう発想がまったく出てこなかったですから。普通に新築する気で、土地も決めるところまでいってましたからね。
福田
えっ、そうなんですか。
──
そうなんですよ(笑)。直前で気付いたんでセーフでしたけど。やっぱり家づくりって、友達の新築に行っても、リクルートの雑誌読んでも、ああいう世界しか目にしないじゃないですか。白いピカピカのシュッとしたやつばかりで(笑)。そうすると無意識に自分もその世界観にはまっちゃって、その中でものを選ぶんですね。それで選んでる気になっちゃうんです。
福田
なるほど(笑)。
──
僕ですらそんなんでしたからね。
福田
確かに、「移築なんかできるんだ」というリアクションをされる方が本当に多いです。
──

インタビュー

不動産業界の過渡期

──
ではお話の時間軸を巻き戻して、ちょっと創業当時のこともお聞きしたいんですけど。
福田
はい。
──
最初からwebでしか広告してこなかった、ということですが、15年前にホームページ経由で来られたお客さんっていうのは、たぶん情報がない中、必死に探して辿り着いたんじゃないかなと思います。
福田
そうです。まさしくそうです。
──
だから素晴らしいことをされていたんだなと。
福田
でも、会社は絶対大きくなんないですよ(笑)。
──
(笑)
福田
でもいいんです、それは(笑)。もともと創業当時から、会社を大きくするつもりはなかったですから。
──
そうなんですか。
福田
売上高がいくらとか、不動産会社は目標を掲げるわけですけど、うちは絶対そういうのは目指してないからって。
──
なんかあれですよね、ビジネスというより社会貢献というか。特に古民家は。
福田
そうかも知れないですね。
──
だって絶対に潰して新築した方が一番儲かるから、誰でもやるわけでしょう。
福田
そうですね。ほんと。
──
不動産屋さんって「古民家があります」って言われても、最初から選択の余地がないですよね。
福田
考えてもいないでしょうね。まあ不動産業ってそういうもんですから、しょうがないです。だから私たちは業界の中では変態なんですよ(笑)。
──
(笑) いや僕はぶっちゃけ、古民家っていうのは不動産屋さんのさじ加減一つで残ったり消えたりすると思ってるんですが。
福田
いや、まさしくそうですよ。
──
福田さんみたいな方がたまーにいらっしゃって、そうするとそのエリアの古民家だけは守られる。
福田
そうですね、再生協会の井上顧問がいつも仰ってるように、空き家の問題を、不動産屋さんがやってるうちは絶対解決できないっていうのと重なる部分があると思いますね。当然不動産業界にいますから、業界の動きは分かってるんです。
──
ああ。
福田
空き家がビジネスになるっていう発想、まったく無いですからね。
──
無いんですか。
福田
無いです。
──
ほー。
福田
もしあったとしても、ビジネスにどうやって結びつければいいか分からないという次元です。具体的に誰かがそういうことをやっているっていうケースもまだ無いです。
──
なるほど。
福田
古民家の先に「空き家」がつながるんで、その辺が見えてくるといいんですけどね。不動産業界は素直だから、お金が見えると…(笑)
──
そうそう、そうなんですよ(笑)。
福田
(笑)すぐ飛びつきますからね。だから今は過渡期なんじゃないかな。あと3年ほどすれば変わるような気がする。
──
あ、そうなんですか。
福田
5年はかからないような気がする。
──
ほんとですか。それは嬉しいですね。うちの集落はほんと日々あちこちの古民家が潰されて、そこにしょうもない家が建ち続けてるんで。その教育とか、考え方の浸透が間に合うかなってずっと気にしてるんですよ。
福田
そうですよねぇ。だからもっともっと活用推進という考え方を広めて、それをみんなでやっていくと、たぶん不動産業界も少しずつ動くはずですよ。
──
動きますかね。
福田
一つ事例ができるとね。そこでうまくいったってなると、みんな飛びついてくる。
──
分かりやすいですね(笑)。
福田
分かりやすい業界だから、意外と巻き込むのは簡単だと思いますよ。ニンジンをぶら下げると…
──
(笑)

インタビュー

暮らしを売る

福田
僕、神奈川県の不動産協会の本部があって、その役員やってるんですけど、協会の中でもそういう話題はある。
──
あ、そうなんですか。
福田
だから関心はあるんです。でもそれが具体的にお金になるってことが分からないから、みんな動かない。
──
目の前の土地って、今後圧倒的に空き家が多くなるじゃないですか。そのマーケットを無視してあくまで新築にこだわって、お金かけて新築を売り続けるスタイルは徐々にしんどくなっていきますよね。
福田
そう思いますね。
──
それに今は消費者側も情報に強い人たちが出てきて、そういう人たちにとっては広告の力が薄れつつあるじゃないですか。ステマを見破ったり。だからもっと消費者は賢くなっていけばいいのになって思います。もっと自由に、多様な生き方、もっといろんな家があっていいし、いろんな形の暮らしがあっていいと思うんです。なのに、なんでこんな似たような家ばっかり…
福田
(笑)
──
いや、見た目が良けりゃまだいいんですよ。でも海外に比べたらね、趣とかね。
福田
ほんとに無いですよね。
──
きっついなあって。
福田
元々僕、なんでこの会社を始めたかって話に戻っちゃいますけど、実はそういう家を建ててる会社にいたんですね。
──
ああ。そうなんですか。
福田
某大手さんです。今やってることと真逆ですね。
──
そうなんやー。
福田
それでね、あまりにもつまらない仕事というか。当時ね、まだよく分からないなりに「これはないだろう」って。でもバンバン作ってましたよ。
──
へぇー。
福田
だからその辺はよく知ってますよ。やっぱそこには行きたくない。
──
そうですよね。
福田
でも、会社が大きくなるのはそっちの方向ですから。不動産屋で独立した人たちは大体みんなそっちに流れますよね。簡単だし、銀行からお金借りればすぐできるし。
──
いや、僕もブログに書いたことあるんですけど、僕が社長やったらそうしてるだろうって。現時点での状況では企業としてはそっちを選びます。それはしょうがない。だから、消費者が賢くなりましょうって。
福田
それはありますね。
──
施主が変わっていけば、さっきのニンジンじゃないですけど、同じ方向に向いてくれるんじゃないかなって思います。
福田
最近すごいなって思ったのは、TVでヤナセのCMを見たんですけど、ヤナセって車を売らないんですよね。
──
ほー。
福田
車のある暮らしを売るんですよ。
──
面白い。
福田
その言葉がすごく好きで。だからうちも「家は売らない。暮らしを売るんだ」って言いたいですね。
──
いいですねぇ。
福田
暮らし方の提案をしたいんですよね。そういう会社です。さっきの「結」もその選択肢の一つです。こういう考えは、響く人には響いてくれると思ってます。
──
いやでも、響かない人にも、今僕らが種をまいて、今はあまり響かなくても4~5年後に家を買うってなった時に、ふっと思い出してくれたら、芽吹いてくれるかなって思います。
福田
そうですね。そうあって欲しいですよ。
──
いやー、今日はどうもありがとうございました。福田さんが何をされてる方なのか、しっかり理解できました。
福田
それはよかったです(笑)。

おわり

物件例







全国古民家活用推進協会神奈川支部プロモーション映像

全国古民家活用推進協会神奈川支部
http://kanagawa.kominka-estate.org/
古民家移築販売サイト「結」(YUI)
https://kominka-yui.jp/

くらす株式会社

※直接お問い合わせの際は「クロニカを見た」とお伝え頂くと
何かしら良いことがある気がします。

代表者名 代表取締役 福田 徹(Toru Fukuda)
所在地 〒251-0037 神奈川県藤沢市鵠沼海岸 3-14-5
連絡先 TEL:0466-35-6660 / FAX:0466-35-6668
メールアドレス klass2@shonanstyle.com
休業日 毎週水曜日・第1,3火曜日
営業時間 10:00〜18:00
免許 宅地建物取引業免許 神奈川県知事 (4) 第24866号
従業員数 5名
アクセス 小田急江ノ島線 鵠沼海岸駅 徒歩1分
所属団体 (社)首都圏不動産公正取引協議会 加盟
(社)全日本不動産保証協会会員
(社)不動産保証協会会員
加入団体 特定非営利活動法人全国コープ住宅推進協議会
公式サイト https://shonanstyle.com/

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