古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

有限会社 由工房

全国空き家アドバイザー協議会 広島県府中支部・事務局長 西永知史

対応エリア府中市、世羅郡、福山市、その他広島県全域

広島県府中支部の対応エリア広島県府中全域

天気のいい日に風が通る家。

古民家アイコン

広島県府中市、有限会社由工房の代表である西永さんはなんと13代目の大工さん。古民家再生や古材の扱いだけでなく、全国空き家アドバイザー協議会の広島県府中支部を発足させ、空き家のお困りごとを解決するスペシャリストとして活躍されています。そんな西永さんに、古民家リノベの考え方や家の「気持ちよさ」について語って頂きました。

インタビュー

空き家アドバイザー協議会の活動

──
西永さんの会社のホームページをざっと見させていただいて、ちょっとびっくりしたんですけど。すごいですね、13代目ですか。
西永
そうなんです。でも正式には何の記録も残ってないんですよ。
──
口頭伝承ですからね。まあでもクロニカ最長ですよ。13代目は。
西永
6~7代くらい前までは確実に分かってるんですけど。お墓とか残ってるんで。
──
それだけ遡ったら充分ですよ(笑)。で、今回、西永さんが協会の事業としてされているのが「空き家アドバイザー協議会」。これもクロニカ初出なんで、読者の方々に説明する必要があると思ってて。
西永
あ、そうなんですか。
──
クロニカがスタートした時って空き家アドバイザー協議会が無かったんです。なので西永さんの活動を簡単に説明して頂けたらなと。
西永
そうですね、空き家アドバイザー協議会というのは、古民家に限らず、地域の空き家問題を解決していこうという団体です。
──
はい。
西永
協議会には建築業の人をはじめ、解体業、司法書士さん、不動産さんなどがいろいろおられるので、ワンストップで空き家のことを解決できるよっていう団体なんですよ。
──
なるほど。
西永
専門が一人だけじゃなくて、全体で何社かの専門家がいる。売買、相続、片付けとかいろいろご希望がある中、空き家に対してワンストップっていうのは基本だと思います。
──
で、あれですよね、古民家再生協会はエリアごとに作れる支部の数が決まってて、広島はもういらっしゃるから、空き家の方で、ということですよね。
西永
そういうことですね。
──
「空き家」って聞くと読者の方が「?」てなると思ったんでそこを確認させて頂いたんですけど、西永さんは古民家のお仕事をもっと増やしたいとか、あるいは古民家を守るということに力を入れていきたいということですよね。
西永
そうです。古民家もリフォームやリノベーションができるよ、直せば良くなるよっていうことを皆さんに知ってもらいたいというのが一番ですかね。
──
大阪の南になってくると、古民家のリノベーションがまだあんまり選択肢としてみんなの頭の中にないというか、「良くなる」っていうのをあんまり知らないっていう方が多いんです。
西永
私の地元の府中市もまだ、古民家のリノベーションっていうのはなかなか無いですね、少ない。
──
こっちは高齢の方とかが、昔風が嫌だから最新のものにしてくれって言う、よくあるリノベーションがほとんどですね。
西永
京都とかだとまた違ってくるんでしょうけど。
──
広島は、古民家ってどれくらいありますか。
西永
府中市はなくはないです。結構古い街並みに行けばあって、北部の方に行けば結構ありますね。
──
広島の空き家バンクって動いてるんですか?
西永
えっとね、府中市のアドバイザー協議会は市役所の空き家バンク担当の方が入っていただいてるんで,ちょこちょこ動いてるみたいなんですけど、古民家っていうのは無いみたいですね。
──
でも、ものとしては絶対あるじゃないですか。古民家の空き家。
西永
まあ、多いのは築40~50年の在来工法の家ですね。
──
そうなんですよね。その辺の家がやっぱり一番余るし、一番多いですよね。
西永
で、古民家だったら、やっぱり手放したくない、手放さない。そんなイメージが。
──
先祖代々的なやつとか、あるっすよね。
西永
でも空き家なんですよ。
──
そうそう。それでほったらかしで、朽ちていって、近所の人らから通報が行って、市役所に怒られて、みたいな(笑)。
西永
それで手が付けられなくなって、やっと「売りたい」みたいな。でもその時にはもう遅いんですよね。
──
あれ、なんで売らへんねんのなぁ。でもやっぱ売れるって思ってないんかなぁ。
西永
もう売れないと思ってるんですね。最初っからこんな古い家、売れないよって思ってて、それで相談もしないというのが一番多い気がします。
──
解体するにしても何百万っていう金がかかって、その金を誰が出すねんみたいなね。
西永
そうですそうです。
──
だからやっぱ一番いるのって、教育的なところかなぁって思うんですよね。こういうふうに直りますよとか、欲しがってる人いっぱいいますよと。
西永
そうですね。
──
古民家探す人ってめちゃくちゃ広いエリアで探されるんですよね。たとえば「瀬戸内海」とか、そういうぐらいの規模。
西永
ああー。瀬戸内海の海沿いって憧れがありますね。
──
そう。なんかもう広島から大阪までまたがるぐらいのエリアで探されたりとか、山口から岡山ぐらいまでで、とかね。
西永
へぇー。
──
なので、物件が出てくれば、探してる人たちのアンテナには引っかかるはずなんですけど。
西永
広島は田舎なんで、特に僕の県北に近い方は、古民家はあると思うんですけどね。
──
ある、っていうのが一番財産ですよ。

インタビュー

感覚の違い

──
今されてる工務店のお仕事としては、リフォームメインですか。
西永
そうですね、新築もありますけど、今多いのはリフォームです。
──
まあそれは今みんなそうですよね。どこに聞いても新築はなかなか…
西永
そうですね。もうなかなか。特にうちなんかは高性能住宅をするわけじゃないんで。
──
古材もやってらっしゃるんですよね。
西永
そうです。もともとは古材を売るというか、普通に使ってたんですよ。
──
おお。
西永
古い家を解体して建て替える時に、解体した家の柱とか桁とかを新しい家に取り入れたりしていたんです。思い出に残せたらいいなっていうので、そんな感じで古材の再利用をしてたんですよ。
──
へぇーっ。
西永
床板を別のところに使うとか。そんな流れで古材鑑定士の資格を取って、その後に古民家鑑定士もとって。
──
なるほどー。
西永
なので入り口が古材だったんです。
──
そこですよね。まず変な話なんですけど、木を好きかどうかっていうところがすごく大きいというか……多分普通の人から聞いたら何を言ってんねんって感じだと思うんですけど。
西永
そうです(笑)。お客さんにもそれは言えて、古材使いましょうって言ったら結構断られたりするんですよ。
──
そうなんや。
西永
なんで新しい家にわざわざ古いものを使うの?とか。
──
まじかー。
西永
でも好きな人はすごく喜んでもらって。
──
そう、そこの感覚が人によって真逆ですもんね。
西永
真逆ですね。古民家に対しては、うちの妻も「ただ寒いだけじゃん」みたいな(笑)。
──
(笑)
西永
車で走ってて、古い家見るじゃないですか。あー、いいなー、って呟いたら「あれの何がいいん?」みたいな(笑)。そういう冷めたこと言われますから。
──
結構身近に反対勢力が(笑)。
西永
格安の古民家だったら買ってもいいなと思うんですけど、絶対ダメだって。
──
奥様は新築とか、マンション育ちだったりされますか?
西永
いや、逆にかなり古い家で、ちっちゃい頃は五右衛門風呂に入ってたっていうくらいの家なんで、イメージがめちゃくちゃ悪いんですよ。
──
あー。
西永
寒いとか不便だっていうのがあって、新しく建て替えてからは便利で快適、っていう流れがあるんですよ。
──
なるほどねー。うちの親父もそんな感じですね。古民家が戦後の貧しさの象徴みたいになっちゃってて。
西永
はいはいはい。
──
でも、その世代にも古民家が好きだって方もたくさんいるじゃないですか。
西永
いらっしゃいますね。

インタビュー

古いものを再利用する

──
西永さんはどんなお家に生まれたんですか?
西永
僕の生家は、古民家ですね。
──
ああ、そうなんや。
西永
ひいおじいさんが直したって聞いてるくらいだから、ずいぶん古い家だったと思います。やっぱり昔の家は古い木や古い家を再利用していたんで、自分がちっちゃい頃はボロい家だなというイメージがありましたね。
──
ほー。
西永
他の友達の家が新しいのに、自分の家はなんか古い木を使い回してるみたいな。
──
まあそうですよね。
西永
それで中学の時に引っ越して、建て替えたんです。工務店なんで事務所兼住宅ですね。
──
はい。
西永
でもやっぱり自分は大工になって、木を見るようになってから、やっぱり古民家っていいなって思うようになりましたね。
──
なるほどー。僕も実家の隣と裏手が大工の家で、ずーっと木を削ってたんですよ。それで子供の頃におがくずで遊んだり、ドラム缶で木っ端燃やしたりして、その火にあたって育ったんで…
西永
はいはい。
──
なんか小さい頃にそういう経験がもし無かったら、ひょっとしたら古い木を汚いとか思ってるかも。
西永
そうかもしれませんね。
──
今やどこに行っても本物の木に触れる機会すら無いですからね。
西永
うーん、僕は大工してるのでずっと木に触れてるからよく分からないです(笑)。
──
(笑)
西永
木を好きな人はほんとに好きなんですけどねえ。
──
ていうか本来、好きだったはずなんですよ。本能的に。だから「嫌い」ってうもんでもないのかも。違和感があるとか、自分のイメージに無い、という意味で断られたのかも。
西永
ああー。
──
施主の方が知らないことだらけだと思うんです。古材のことも、建具や欄間とか、畳のことも。
西永
建具は結構集めてますよ。昨日ちょうど、再生協会の復興支援事業で能登に行ってたんですよ。
──
へぇー。
西永
やっぱあっちの古民家は材料もすごかったですし、建具とかも輪島だったんで、すごい建具だったんですよ。漆塗りだったと思うんですけど。その家もちょっと危険って貼られて、 公費解体するかもしれないから、何か残せないかという相談だったんですけど。
──
ああー。
西永
もったいないから建具だけでも残せないかと思って。うちはリフォームにも古い建具を使うので、再利用できたらなとは思います。
──
僕も建具はかなり集めましたねー。集めすぎていまだに何十枚も余ってて。
西永
使えない時もあるんでね、 あれ難しいですよね。
──
使えない時ってどういう理由が多いですか?
西永
基本的に高さは調整できるんで、下駄を履かせたりしてやりますけど、厚みが合わないとちょっと難しい時がありますね。
──
まあ新築やったらどこでも入れれると思うんですけど、リノベーションの時に、入れたい敷居鴨居にその建具が入るかっていうことですよね。
西永
そうですね。
──
あと難しいところってどこですか?古建具を使う時の。
西永
単純に横幅が合わないのも難しい。幅が足りないのはどうにか足せるけど、狭めることはできないんです。
──
そうか、それは無理ですよね。
西永
はい。なんとかしたいんですけどね。
──
あの、建具を大事にする人ってすごく分かってらっしゃるというか、古民家らしさっていうのを愛する人なんだなって思います。僕はデザインやってるんでそういう見方をするんですけど。
西永
ああ、そうですか。ありがとうございます。

インタビュー

古い家のリノベが一番得意

──
あの、施工例をざっと見させて頂いたんですけど、結構いろいろされてますよね。
西永
まあ、そうですね。
──
会社として、得意分野みたいなのってありますか?
西永
得意分野ですか。まあ、何でもやるんであれなんですけど、一つ言えるのは、高性能、高機密の住宅は苦手です(笑)。
──
あははは(笑)。
西永
好きじゃなくて、やらないから苦手なんですよ(笑)。だから古い家のリノベが一番得意ですよ。
──
いやでもそれはクロニカ的には100点です(笑)。だって高機密、高断熱、スペック命みたいな人ってやっぱりちょっと向いてないかなって思いますもん。
西永
そうですね。僕もちょっとあんまりよく思ってないんで……そのスペックほんとに必要なのかな、とか思いながら。
──
でもそれ普通そっちに行くじゃないですか。高性能をうたった方がお客さん来るじゃないですか。
西永
そうですよね。でも僕は全館空調とかはちょっと反対派なんで。
──
いや素晴らしい。
西永
僕が現在住んでる家は新築で建てたんですけど、木製建具なんで隙間風がすごいんです。
──
素晴らしい。
西永
妻は古い家は嫌いだけど、無垢の家は好きなんで。
──
なるほど、夫婦の落とし所がそこやったんですね(笑)。
西永
そこはなんとか賛同を得ました(笑)。
──
そこの感覚も難しいですよね。施主と工務店の感覚が食い違うと、ずっと最後まで平行線みたいな。
西永
あー。
──
価値観の根っこですもんね。隙間風がどうっていうのは。
西永
リフォームでもここは梁を出しましょうよっていうのに対して「隠してくれ」って。「いや出した方がいいですよ」「いや隠す」みたいな(笑)。もちろん最後はお客さんの意見を尊重しますけど。
──
そうっすよね。
西永
反対に梁を出したいんだけど、あまりに細かったりすると逆にカッコ悪くなるんで、これは隠した方がいいですよっていうと「やっぱり出したい」ってなったり。
──
そういうデザイン的なものって説明できないし、数字でも証明でけへんから、まあ、その感覚を共有できないんなら言う通りにしないとしょうがないっていうのはありますよね。でも、木の良さと、住んでる快適さっていうのって経験しないと分からないし、お施主さんにも高機密・高断熱じゃない方がひょっとしたら気持ちいいかもね、ってそこは教えてあげる感じでもええんちゃうかなーって,思うんですよね。
西永
ああー。そうかもしれないですね。

インタビュー

現代住宅への違和感

──
西永さんは13代目の大工さんということで、子供の時から親やおじいさんのお仕事とか見られてると思うんですけど、おじいさんのお仕事って今で言う古民家なんですか。
西永
いや、僕が覚えてる範囲は古民家ではなかったですね。僕がちっちゃい頃はもう作る家が建売とかになってて。
──
あ、そうか。その時代は逆に新築ラッシュですもんね。
西永
そう、新築だらけだったんですよ。逆にリフォームは少なかったと思う。
──
そっかそっか。
西永
僕が大工始めて最初の頃もやっぱり新築ばっかりでした。ちょうど消費税が上がる前とかだったんで。ほんとに新築の仕事が多かったですね。
──
その時って「無垢の木」とか、無垢信仰みたいなのは復活してなかったですか。
西永
そうですね。僕が弟子入りしたところは無垢材を使おうという感じはなくて、クロス張りとか多かったんです。それから実家に戻ってきた時に初めて、無垢材がいいなって感じたので。
──
修行に出られて、それから戻ってきて跡を継がれたって感じなんですか。
西永
そうですね、そこに結構かわいがってもらってたんですけど、会社の仕事が激減して、それがきっかけで辞めて戻ってきました。
──
なるほど。戻って来られた時に、無垢材とか古材がいいなって思ったきっかけってありますか。
西永
設計士さんのリフォームを一回させてもらった時に、その方が古材をすごくうまく使われてて、古材ってこんなに面白いんだと思って、そこから今に至るって感じですね。
──
まあ僕もそうですけど、世代的に、古いものを再発見したって感じですよね。
西永
そうですそうです。
──
跡を継がれてからも大工さんだったんですか?
西永
はい、ずっと大工やってて、この2~3年で経営の方にちょっとシフトチェンジしつつありますけど、社長になってもずっと大工やってて。まだ現場にも出てます。
──
おお。西永さんって今おいくつなんですか?僕48なんですけど。
西永
47です。
──
あ、やっぱ同世代ですね。どうですか、僕らは日本の家の移り変わりを40年くらい見てきたわけですけど、どういう感想をお持ちですか。
西永
その質問はなかなか難しいですね。でも今の家よりは古い、古民家までいかないにしても、やっぱりちょっと前の家の方がいいなっていうのはありますよね。
──
はいはい。
西永
その今の全館空調があんまり納得できてないんで、その辺はちょっと抵抗がある感じですね。高気密・高断熱の住宅はちょっと……
──
あれって、住んでる人のリアルな声でそうなったわけじゃないんだろうな、っていうのが、僕は一番疑問なんですよ。
西永
あー確かに。
──
それ誰が言ってんのって。
西永
そうですよね。
──
古民家って1000年ぐらいかけてみんながこれが一番いいって決めた仕様じゃないですか。それに対して今は「国の方針」ですからね。信憑性が無さ過ぎる。
西永
構造材に使う集成材にしても、僕はあんまり信用できないところもあるんですけど、本当に大丈夫なのかなってのはあるんですけど、まあもうプレカット頼んだら絶対それが来るんで、考えても仕方ないですけどね、我々は。
──
そういう話も知ってる人の間では常識ですけど、施主はみんな知らないですよね。そもそも。
西永
集成材のボンドが……
──
それそれ!(笑)
西永
もう今は慣れましたけど、最初は「えーっ」って感じでしたよね。
──
それ絶対みんな知らないでしょ。僕もちょうどね、何日か前にこっちの工務店の方とそんな話しててね。100年問題。
西永
あー。
──
100年保ちます!って、それ誰か見届けたんかって(笑)。
西永
そうなんですよ。それに対して古民家や古材は何百年と残ってきたものなんで、信用度は間違いないですよね。
──
でもね、工務店さんでもこの問題を知らない人が多いし、疑問に思ってない人の方がはるかに多いわけじゃないですか。だから僕、この問題を話題にする人は信用できると思うんですよね。
西永
そうなんですか。
──
だって、疑うってことは、考えてるってことやから。
西永
あー。うん。
──
高気密高断熱にしてもね、国からこうしろって言われて、みんながそうしますって言って、お客さんがそうしてくださいって言って。普通はそれに流されて、じゃあウチもやりますってなるんです。やったら全部うまく回っていくんで。
西永
それはそうですね。
──
でも自分の頭で考えて、それはおかしいんじゃないかと。そういう違和感を持てる方がこの協会に入ってくると思うんですよね。で、その目で見ていくと、古材っていいんじゃないのとか、古民家の良さにどんどん気づいてくる。
西永
その目はすごく大事ですよね。僕も自分のちっちゃい違和感から始まって。

インタビュー

古民家リノベの考え方

──
ご実家ってどんな古民家なんですか?
西永
たぶん築70年くらいですね。
──
土間があったり、縁側があったり。
西永
いえ、土間はないです。形もなんか中途半端というか、古民家でも近代的でもなく……古民家だったら僕ももっと愛着わくと思うんですけど。
──
(笑)僕もちょうど今そういう記事を書いてるんですけど、その辺、築70年くらいって、何かすごい混ざってません?伝統構法なんだけど基礎があったりとか。
西永
あー、そうですね。うちも一階部分は伝統構法なんですけど、たぶん増築で、二階を在来工法で足してると思います。
──
そういう家ってどっちに振るのか難しいと思うんですけど、たとえば増築された古民家をリフォームしたいっていうご依頼があった時、基本的にはどういう考え方ですか。
西永
一番最初に、まずはお客さんの要望です。どういう風にされたいかを聞いて、その後、なるべく今の形を残す方向のご提案はします。
──
なるほど。
西永
和室が多いじゃないですか。たとえば床の間とか仏間はいらないとかは結構あるんで、折り合いつけながらどこか一部屋残しませんか、みたいな感じでやってますね。
──
はいはい。
西永
リフォームの案件で、和室は全部いらないっていうお施主さんがいらっしゃって、それならせめて玄関周りだけを残しませんかと。天井も張るって言われたんですけど、梁が出たそのままの形にして。もちろんお客さんもそれを好きだと言ってくれたので残せたんですけど。
──
いやー、それもさっきの感覚の話ですよね。まじで古民家を新築みたいにするパターンが多い。
西永
多いですね。これだったら新築で良かったんじゃないかって、そういうことになるのはちょっと避けたいです。
──
ですよね。そういう理解のある方が古民家のリノベ工事に携わってくれればと思うんですけど。新築みたいに魔改造されるなら、いっそ潰して古材として流通してもらった方がなんぼかマシですよ(笑)。
西永
柱もできれば出したままにしたいんですけど、お施主さんによったら全部ボードで隠してクロス張りにしてくれと言われます。いやでもこの柱っていい味じゃないですか、と言っても「古いし汚いからダメ」という感覚の方はおられます。
──
古民家売ってマンション住んだらええのに。
西永
(笑)感覚は人それぞれなので。
──
ほんと同じ古民家でもその人の感覚によって直し方が全然違ってきますよね。
西永
寒いから快適に暮らしたい、手がかからないようにしたい、というご要望は多いです。
──
それは家を箱としてしか見てないんですよ。屋根のあるハコ。
西永
新築に建て替えるのは金銭的にしんどいから、この家でなんとかしたい、という感じの方が多いです。
──
まあそれはそうなんやけど。分かりますけど、それをやっちゃうともう建築物としての価値が無くなるんですよ。消耗品になっちゃってもう売れない。自分の代で終わらせるってことですよ。
西永
ほんとにそうですね。
──
だからやっぱり、とにかく実例を増やしていって、こういう風に良くなるんですよって伝えていくしかないですね。完成状態を見ればまた考えが変わりますし。
西永
今、蔵のリノベーションをやってるんですよ。それができればまたホームページにも載せようと思ってます。
──
蔵いいですね。
西永
面白いですよ。結構いろいろできそうなんです。
──
できたらまた写真送ってくださいね。てことで、本日は長時間どうもありがとうございました!

おわり

施工例







有限会社 由工房

※直接お問い合わせの際は「クロニカを見た」とお伝え頂くと
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代表取締役 西永知史
住所 オフィス
〒726-0035 広島県府中市父石町859-10
 
御調工場
〒722-0324 広島県尾道市御調町白太677-2
 
TEL. 0847-41-7508
FAX. 0847-41-9524
営業時間 8:00〜18:00
定休日 日曜日
事業内容 リフォーム、一戸建ての新築工事、ログハウス施工、不動産
古材の取扱品目 梁、桁、柱、足場板等
取引銀行 広島銀行
資本金 300万円
創業 昭和55年5月
設立 昭和55年12月
社員数 3名(2018年11月現在)
建設業許可 広島県知事許可 第015584号
宅建免許 広島県知事免許 (1) 第10306号
公式サイト https://yui-kobo.co.jp

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