古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

Anyxi(エニシ)建築工房

全国古民家再生協会京都第二支部・支部長 永井 宏治

対応エリア京都、大阪、神戸、奈良、滋賀

京都第二支部の対応エリア京都全域

古民家と大工に教わったこと。

古民家アイコン

京都府京都市、Anyxi(エニシ)建築工房の永井さんは一級建築士としてRCから木造まで様々な建物を手がけます。そんな永井さんは、木造のこと、古民家のことは大工に教わったと語ります。その古民家もまた、子供たちに「生きる力」を教える存在。我々の先祖が培ってきた文化の流れを絶やさないため、永井さんは再生協会に加盟し、京都第二支部を立ち上げました。

インタビュー

設計も施工も知っておきたい

──
今日はどうもよろしくお願いします。
永井
よろしくお願いします。
──
クロニカのインタビューって雑談から始まるんで、気楽にお話してください。「御社の強みは?」とか訊かないですから。
永井
強みは無いですよ(笑)。
──
(爆笑)
永井
強みって何なんやろ…
──
いやそもそも僕、永井さんには何度もお会いしてますけど、一体どんな仕事をされてるのかというのを知らないんですよ。
永井
え、僕がですか?
──
はい。僕、この間の支部設立総会の時にお邪魔して、永井さんが「古民家を大事にしていきたい」って挨拶で仰ってたじゃないですか。僕、えっそんなこと考えてたの?って(笑)。
永井
そうなんですよ、実は古民家好きなんですよ(笑)。
──
(笑)古民家買ってますからね。まあその話は後でやるとして、普通はあれですよね、住宅設計、店舗とかですよね。
永井
僕は設計もやってるし工事もやってるし、比率で言うと工事の方が多いです。
──
まじすか? そういうのほんま全然分からんのですが、素人的には、工務店と設計事務所は分かれて欲しいと。
永井
あー。
──
設計事務所だと思ってたのに工事もやってる、ってなった瞬間に施主が???てなるんですよ。工務店、じゃないですよね?
永井
いや、工務店もやってますっていうか…なんて言うんだろう…
──
(笑)
永井
いやまあ、基本的な考え方として、建物をつくったり直したりする時、設計と施工を分けたくないというか。
──
ほー。
永井
だって、設計するにもある程度は工事の知識がいるじゃないですか。工事する時も、設計の知識が必要になる時もあるから、それを両方できた方が、まとまった考え方ができますよね。
──
なるほど。
永井
一長一短あるとは思うんですけど。たとえばデザインに特化した設計事務所がある、それはそれで僕はいいと思うんだけど、仮に工事になった時に施工側が頭を抱えるとか、そういう現実があって。逆にデザイン側からすれば、施工者にデザインの意図を分かってもらえないとか。
──
はいはい。
永井
そういうバランスを考えたら、僕の場合は、どっちも知ってる方がトータルとしては良くなるんじゃないかなって思うんです。
──
まあ、誠実、ってことですよね。大手って完全分業じゃないですか。営業が喋って打ち合わせたものを設計が形にして施工は下請け、みたいな。
永井
そうそう。
──
で、何かあった時に責任のなすりつけ合いという…(笑)
永井
(笑)まあ規模が大きくなったら一人じゃできないから分業でいいと思うんですけど、今自分がさせてもらってるくらいの規模だったら、設計・施工っていう考え方の中に、お金のこととか、施主の価値観とかが入ってくるし、そういう全体像を分かっておきたいんです。
──
なるほどー。
永井
僕は自分自身の設計が★5である必要はないと思ってて。それが欲しければ★5の人に頼めばいいから。で、工事も同じように★5の人が必要ならその人に頼めばいい。僕はオール4を目指してバランスを取りたいなと。設計、施工、あと財務、税務とか、そういう全体をひっくるめて。
──
お客さんによっては、ものすごい施工レベルを求めてる方がいれば、永井さんが設計メインで入って、施工は★5の人に頼むという形ですね。
永井
そうそう。
──
どっちもできる、総監督というか、プロデューサー的な立ち位置ってことですね。
インタビュー

大工さんに学ばせてもらった

永井
僕は経験としては、設計よりも工事やってる方が長いんです。
──
あ、そうなんですか。
永井
一番最初は工務店に入って、そこの木工事専門の番頭として、大工さんとずーっと仕事してて。
──
へー。
永井
だから僕の建築知識のスタートは大工さんなんですよ。大工さんに現場の収まりとかそういうのを全部教えてもらって。そこから鉄骨とかRCの現場も覚えていったんですけど、そんな現場でも大工さんに教えてもらった造作の収まりが基本にあるので、すごく簡単に感じたんです。
──
古民家の仕事的にも、絶対にそっちの知識が役に立ちますよね。よくある設計士さんがデザイン重視で図面引いて、というパターンは古民家では成り立たないですよね。全く逆で、古民家は現場から上がってきたものに対してどうするか、ということができる人じゃないと、古民家ってうまくいかないと思うんです。
永井
うん。
──
デザイン・設計重視の設計士さんよりは、大工寄りの人の方が、古民家には相性がいいように思います。
永井
最初の丁稚みたいな頃は大工さんによく怒られたり、大工さんの現場を掃除して回ったりとか、材料運んだりとか、色々やってましたね。
──
へー! そうなんや。
永井
会社に加工場があったんで、材料削ってきてくれって言われたら木を削って持っていったりとか(笑)。
──
へぇーっ。僕も大工さんに「そこ支えとけ」とか「あれ持ってきてくれ」とか手足のように使われてましたよ(笑)。
永井
(笑)最初、大工さんが使う言葉の意味も分からないじゃないですか。
──
はいはいはい。めっちゃ分かります(笑)。
永井
だから休みの日に本屋に行って、大工さんの言葉が載ってる建築用語集を買って。
──
へぇーっ。
永井
木もいろんな種類があるけど、見て分かるようにならないといけないと思って、いろんな木の切れ端を自分で集めて、それを噛んだり、嗅いだりして。
──
すごいなー。噛むんや!
永井
削った時の匂いとかを覚えましたよ。
──
いや僕もほんまそんな感じで、やっぱ大工さんに指示出すからにはナメられたらあかんと思って…
永井
(笑)
──
大工さんがわーっと喋ってて、分からんところは分かったフリして、あとでこっそり調べるという…
永井
一緒です(笑)。その木の切れ端は今でも家にありますよ。
──
めっちゃわかるなー(笑)。だって設計士だからといって、学校で教えてくれないですもんね。
永井
習わないですね。僕なんか特に、環境デザインみたいな学科だったんで、木造関係は一切触れてないですからね。
──
え、そうなんですか。
永井
基本RCなんですよ。RCで好きな形をデザインするという。
──
まじか! 真逆やないですか!(笑)
永井
働き始めてから木工事に関わるようになって、その面白さにはまっていったんですよ。
──
なるほどー。
永井
そんな中でベテランの大工さんが引退されたり、昔当たり前のようにやってたことができない大工さんが増えてきたりして、そういうのを見てると自分が勉強できていたあの時代が良かったんだろうと思うし、同時に今の大工さんが活躍できる場所を自分たちが作っていかないとあかんやろと。
──
そっかー。
永井
そういうええ感じの話なんです。
──
それ言わんかったらええ感じの話でした(笑)。
永井
(笑)
インタビュー

故郷としての古民家

──
いやーでも、僕と似てますよね。僕も最初は古民家好きだな、くらいにしか思ってなかったんですけど、大工さんに教えてもらって詳しくなればなるほど、こんな良いものが失われていくのか、大工さんの技術ってこんなにすごいのかって、後から知っていくんですよね。
永井
僕の上司だった専務さんも元大工で、そういった人たちに教えてもらった知識が自分の根本で、だからその後で会った人たちに重宝してもらったんですよね。難しい工事ってゼネコンさんとかって敬遠するんですよ。そこを自分がお手伝いできたんで。
──
なるほど。RCから対極の木工事に行って、さらにその究極である古民家へ踏み込んだ、そのきっかけみたいなのってあったんですか。
永井
僕は京都に住んでるんで、数寄屋の建物とか茶室とかをよく見るんです。その優れた仕事とか、会社にいた時は社寺の工事もやってるんで、そういうところに最初の興味が向かったんですけど。
──
はい。
永井
それが時々地方で仕事をした時に、田舎が好きっていうのも元々あったのかも知れないけど、京都の繊細な木造技術だけじゃなくて、なんて言うのか、古民家の暖かみというか…
──
へぇーっ。そうか、逆パターンですね。街の人だから。
永井
(笑)いや、元々田舎者ですけどね。
──
どちらのご出身なんですか。
永井
広島なんです。大学が大阪で、仕事が京都。親の転勤が多くて、山口とか、東京とか、千葉、いろいろ住んでるんですよ。
──
すごいな!モンゴルみたいな暮らしですね。
永井
(笑)だからまあ、ほんとの故郷というか、そういうものが自分の中に無いんで。だからそれに対する憧れみたいなのもあるんじゃないかなと。
──
そっかそっか、そうですよ。古民家って日本人みんなの心のふるさとみたいな存在ですもんね。
永井
そうそう。
──
なるほどなー。僕いつもお客さんに言われるんです。おばあちゃん家みたいって。でも実際その人たちに訊いてみたら、おばあちゃん家って普通のマンションだったりするんですよ(笑)。
永井
(笑)
──
だからみんなの共有のイメージがあるんですよ。
永井
釣りしたり、アウトドアも好きなんで、地方行って、海でも山でも田んぼでも、見てるだけでいいですよね。そういう中心に古民家がある感じなんですよ。
──
僕の実家って普通の新建材の一戸建てなんです。今や築50年の。で、友達が古民家に住んでて、子供の頃ってその友達の古民家で遊んでたんですけど、たぶんその体験が自分の根っこにあったんだろうなって思うんですよ。
永井
自分が小さい時にそこに住んでなかったとしても、田舎でも都会でも、土を触ったり虫つかまえたりするじゃないですか。それが今はみんなゲームやってたりして、それはそれでいいんだろうけど、土いじりとか虫とか、そういうのも楽しいから、どっちもやって欲しいなって思うんですよ。虫がいる環境、草が生えまくってる環境とか、おくどさんがあったり、いろりがあったり。
──
はいはい。
永井
自分はそういう環境で育たなかったけど、そういうのを体験するっていうのが、なんか、いいんじゃないかなって。年取ると…
──
思いますよね。永井さんと僕、一個違いで同年代ですけど、僕も年々この家が好きになっていくんですよ。
永井
うん。
──
今このお話してる空間って、隣のエアコンの冷気を扇風機でガーッてこっちに送ってて、外は蝉が鳴いてて、明るくて、でも家の中は薄暗くて、っていうこの感じ、すごい良くないですか?
永井
いい。
──
でしょ。この感じって新築で出せませんよね。
永井
出せないですよね。
──
場のムードというか。ここでソファ座って、冷たいコーヒー飲んでって。これってめちゃくちゃ贅沢だし、日本だけの良さで、海外に縁側は無いし。
永井
そうですね。気持ちいいですよ。僕もそう思います。この前栽の紅葉も、秋になったら綺麗なんやろうなって。
──
めっちゃ綺麗ですよ。こんなん数千円の紅葉植えただけですけど。もう外に遊びに行かないですもんね。まじで。
永井
静かですし。なんかこうして、黙って椅子に座って、縁側を眺めるというのが、年々いい感じに…(笑)
インタビュー

子供たちに「生きる力」を

──
福井に買った古民家というのは、住むというより、遊び用とかですか。
永井
一つは自分が福井の方に釣りによく行くんですよ。だからその拠点として。あともう一つは、友達とかみんなで使えるような場所として。あとは田舎暮らしの経験を自分の子供にもさせてあげたいんです。
──
はいはいはい。
永井
壁塗ったり、床張ったり、そういうことをさせたい。学問だけじゃなくて、生きる力を付けさせたい。
──
おお~(拍手)
永井
大人になって働き始めた時に、そういう「よう分からん経験」が役に立つことってあると思うんです。そういうことをトータルに経験させるというのが、生きる力ってことなのかなと。
──
なんか、永井さんすごいすよね。なんでそんな考え方を持ってるんですか?
永井
(笑)
──
僕、教員免許持ってて親が二人とも教師で、教育論に関してはいろいろ考えてきましたけど、それってプロ寄りの考え方ですよ。
永井
そんなことないですよ(笑)。
──
いや、普通の親はスキルを身につけさせるんですよ。そろばんとか、サッカーとか、ピアノとか。でも今仰った、漆喰を塗るとか板を張るとか、そういうのをさせようとしている永井さんの狙いって、漆喰を塗るスキル、じゃないじゃないですか。
永井
うん。そうですね。
──
世間一般で「子供の能力を伸ばす」っていうのはスキルを伸ばすことだと思ってるけど、そうじゃなくて、たとえばうちだって子供たちに草引きとか、料理とか、手が回らないんでいろんなことを頼みますけど、それって「家事の能力」じゃなくて、もっと別のものを学んでるんじゃないのっていう。
永井
そうそう。漆喰塗るにしても、最初は楽しいけど、こっち向きに塗ったらこう垂れるんやなとか、逆にした方が手順がいいよなとか、そういう気付きもあるわけですよね。
──
漆喰って触ったら冷たいんだなとか。
永井
これは触っても安全だなとか。
──
あっこれあかんやつや! とかね(笑)。
永井
(笑)釘とかノコギリもそうで。そういう安全・危険のレベルの感覚を養う機会にもなるやろうし。知識も大事なんですけど、それは自分がやる気になれば勉強できるじゃないですか。でも生活環境とか、体験というのは、なかなか子供自身が選べるものじゃないから。
──
そういう意味では、住むところって、めっちゃ影響がでかいですよね。
永井
ですね。
──
古民家ってほんとに子育てにもいいんですよ。ちょっと火傷するとか、木のささくれに刺さるとか。建具の立て付けが悪くて鍵が締まらないとか。暮らしてるだけでそういうのを学ぶんですよね。
永井
建具をちょっと持ち上げるとか(笑)。
──
そうそう(笑)。
永井
そういうことに古民家に使いたいかなと思って。囲炉裏とか、竈とかを復元したいなと思うのも、ノスタルジーじゃなくて、今学べる大事な経験なんですよね。
──
竈で炊くお米は味も違うでしょうし。
永井
まあ、がっつりやらなくてもいいんですよ。昔ちょっと親がこんなことしてたなとか、こういう環境で遊んでたなとか、記憶の片隅にそういうものが残ってれば。
──
そうそう。自分がもしそういう暮らしをしようと思った時に、記憶にあればハードルがぐっと下がるんですよね。
永井
そう、そこです。
──
やっぱ永井さん、素晴らしい教育者ですね。
インタビュー

地域への溶け込み方

──
福井の古民家ってサイズ的にどんなもんなんですか。
永井
建坪で40坪くらいですかね。そんなめちゃくちゃ大きいってわけじゃない。
──
平屋ですか?
永井
平屋で、二階が物置になってて、使おうと思ったら使えるという感じです。
──
うちは130㎡くらいかな。
永井
じゃあ一緒くらいですね。
──
それって自分でコツコツやってく感じですか。
永井
うーん、どう直すかと、どう維持していくかってことも考えてて、自分に何かあった時に負の遺産になったらダメだから…何かに利用、転用できるようにと、今考えてるところです。
──
公共物として使えるようにって感じですね。
永井
そうですね。それも視野に入れながら。
──
自分たちが使ってない時は地域の方々に利用してもらうとか。
永井
それがね、地域の感じもめっちゃ良くて、地域の人らもすごくいい感じなんですよ。
──
そうなんや。あの、僕もいろんなところに住んで、永井さんも転々とされたって仰ってましたけど、地域性っていうの、ありますよね。
永井
あると思いますね。
──
あるっすよね(笑)。正直、古民家買って、都会から地方に移住して、っていう時に、地域はよーく選ばないと、と思いますよね。
永井
再生協会の案件で聞いた話ですけど、地域によっては、余所から来た人に対して水を貸さへんとか…
──
あるもんなあ。
永井
今の時代にまだそういうのがあるんやっていう。
──
僕も村の人たちには良くしてもらってるんですけど、クロニカに届くお話の中には時々「えっ」みたいな体験されてる方もいらっしゃいますからね。
永井
僕が買ったところの地域は、近くに古い木造のJRの駅舎があって、それを何年か前にクラウドファンディングでお金を集めて修繕したらしいんですけど、そこに喫茶スペースがあって、よく町内イベントとか、落語会とかやってるんですよ。そこに家族でちらっと行ったらめちゃくちゃよくしてくれて。なんかいろんなもの貰って帰ったり。
──
へぇー。
永井
最初ね、僕が古民家を買った時も、土地の中に農地があって、その農地を宅地に転用する必要があって、僕はその手続きを自分でやったんですよ。それで書類書いて役所に出す時に、地区の区長さんとか何人かにサインを貰わないといけないんです。で、それぞれの方にお願いしに行った時に、まず最初は「こいつ誰やねん」って対応されるんです。
──
はいはい。
永井
それで説明するんです。この土地を買ったのは自分で、京都から来てて、こういう目的で…って。それで自分の素性が分かったら皆さん安心してくれて。だから自分で手続きやったから良かったんですよ。
──
そうですよね。自分でやるって大事で、工事の時だって都会みたいに、近所への挨拶回りを工務店に任せてたらよくないんですよ。集落は自分で回らないとね。
永井
そういうことも勉強になりましたね。古民家を買って。
インタビュー

細かい仕事は自分でやる

──
これまでの話を振り返りますと、永井さんは、ただの古民家好きのええおっちゃんやっていう印象しかないわけですが…
永井
(笑)
──
ちょっと実力もありまっせというところをアピールしたいんですが。
永井
実力……そんなんあります?(笑)
──
ありますって何なんですか(笑)。ほら、当社にお任せください!みたいなやつですよ。
永井
そんなグイグイいかないですよ(笑)。
──
(笑)
永井
まあ、古民家の仕事は、京都なんで普通にやらせてもらってますけど。町家を直したり、木工事以外の仕事とか、旅館を直したり。
──
旅館って鉄骨ですか。
永井
鉄骨なんですけど、木造っぽくしてます。
──
地震こわいっていうお施主さんだったら、永井さんだったら鉄骨も提案できますよね。
永井
まあできないこともないですけど(笑)。仕事としては住宅だけじゃなくて、店舗、旅館、病院なんかも今までやってきてるので、いろんな考え方ができると思います。
──
病院ってすごいな。
永井
つい最近もお客さんと喋ってたんですけど、木造でも在来工法と伝統構法があって、どっちが優れてるとか、たとえば僕だったら古民家の伝統構法をゴリ押しするかというと、そういうのはしないんです。
──
はいはい。
永井
在来には在来の、伝統には伝統の良さがあると。鉄骨もRCも、それぞれの良さがあると思うんです。その中でベストなものを選ぶという感じだから、変に偏った考えは持ちたくない。
──
素晴らしい。
永井
在来の工法が活かせるところがあれば活かせばいいだろうし。固定観念に囚われたくないですよね。
──
いやそれはやっぱ永井さんならではですよね。RCからスタートして、木造の大工さんに学んで、という。だって木造しか知らない人、RCしか知らない、住宅しか知らないとか多いじゃないですか。僕が最初に任せた一級建築士さんも、実は学校とか病院しか知らない人だったんですよ。だから住宅でミスりまくって。設計士に限らずですけど、バランスのいい人ってなかなかいませんもんね。
永井
僕はめちゃくちゃ大きい仕事はできないですけど、たとえば建具の戸車の調整とか得意ですよ。
──
(爆笑)
永井
(笑)そういう細かい仕事は自分でやってるんで。
──
すごいな(笑)。
永井
コーキング打つのも得意です(笑)。
──
(笑)いやでもそういう人は信用できますよね。
永井
ちょっとしたことは職人さん呼ぶと高くつくじゃないですか。そういう時はお客さんに聞いて、僕がやってもいいですか?って。
──
え、まじすか? そんな設計士さんいないですよ!
永井
クロスも貼ります(笑)。
──
(笑)
永井
すぐ僕を手伝わそうとする施主がいるんですよ(笑)。
──
でもいいですよね。家づくりってほんま僕、そういうのが理想やと思います。そういう風にみんなで一緒につくっていきたいですよね。特に古民家は。
永井
そうですよね。
──
いやー、最後にいい話をありがとうございました。面白かったです!

おわり

施工例







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代表 永井 宏治
創立 2010年2月
住所 〒607-8124 京都市山科区大塚檀ノ浦29-14
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