古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

株式会社クロダハウス

全国古民家再生協会石川第一支部・支部長 東 一寛

対応エリア石川県全域

石川第一支部の対応エリア石川県全域

家族との絆を育む家を。

古民家アイコン

石川県金沢市、株式会社クロダハウス代表の東さんは、スウェーデンハウスを扱う会社を経営されています。そんな方がなぜ古民家を?と思いましたが、お話を聞いているうち、北欧の暮らしと古民家との間に、意外なほど多くの共通点があることに気付かされました。代々住み継げる家が、その家族にもたらすものとは。大切なお話をたくさんして頂きました。

インタビュー

家を住み継ぐということ

──
あのー、事前にクロダハウスさんのサイトを見させてもらったんですけど…あの、すごい手広くというか……いろんなことをされててすごいなって……
(笑)
──
めちゃくちゃ大きい公共工事から、スウェーデンハウスの個人宅や不動産まで。
メインはスウェーデンハウスなんですよ。
──
あ、そうなんですね。
うちは元々新築一辺倒だったんですけど、これからの市場はそうじゃないので、スウェーデンハウス、不動産、それに続くものを始めようと思った時に、戸建てのリノベをやりたいと思ったんですね。
──
はい。
家電量販店さんやリフォーム会社さんが行うような、見た目やキッチンなどの入れ替えだけのリフォームじゃなくて、うちはそれは何か違うって思って。スウェーデンハウスは性能に特化してて、温かいこと、快適に住めること、安全に住めること、この3つが家においては絶対なんですが、この思想に基づいたものをやりたいなと。
──
なるほど。
だから中古住宅の性能を上げて価値を高めようと思った。空き家を潰して新築ばっかりやってても…という思いがあったんです。
──
その流れで古民家に行き着いたんでしょうか。
たとえば築30年でもダメなものはありますよね。なんかそういう家って、みすぼらしいんですよ。
──
あー。分かります。
直しても良くならないというか…僕、砺波で仕事してた時、散居村っていうのが砺波にあるんですけど、ああいう家は100年経っても美しいんですよ。
──
はいはいはい。
北欧も同じなんです。親子三代が同じ家に住み続けるんです。
──
あ、やっぱそうなんですね。
そうそう。砺波の散居村も親子が住み継いでいってますよね。だからやっぱり、やるんだったらそういう家でないといけない、と思って古民家始めたんです。
──
いやー、それはほんとに僕も常々思ってるところです。うちの実家は築50年なんですけど、ひたすらみすぼらしくなってるんです(笑)。新建材の家はそういうふうに、何か嫌な感じに劣化していくんですよね。
スウェーデンは親子三世代で、おじいちゃんが建てた家を大事に使うんです。向こうはおじいちゃんが家を建てて、お父さんが別荘を買って、子供はクルーザー買うんですよ。
──
すごいな(笑)。
これはなぜかというと、おじいちゃんが建てた家が住み継ぐことができる家だってことです。素材も、デザインも、みすぼらしくならない。そうなるとお父さんは家を建てなくていいんで、別荘を買えるんですよ。
──
そっかー。なるほどなあ。なんかどっかで似たような話読んだことあります。日本の貧しさって家が原因なんだと。
そうなんですよ。住宅貧乏なんです。スウェーデンは消費税25%の国なのに、普通の中流階級が別荘もクルーザーも持ってる。
──
うわー。
一方日本は30年で家を壊して建て替えるでしょ。これが僕ら、スウェーデンハウスを知った時からどうも納得がいかなくて。
──
なるほど。
今はリノベが流行ってますけど、マンションリノベが多いんです。マンションは室内だけやればいいから簡単なんですよ。でも僕らは戸建てリノベに絞ってるんです。室内だけでなく、安全で快適に住めるように性能を向上させるには結構大がかりになるんですけど、でもそれをしないとこの国の住宅はダメになると思って、ちゃんと良い家を直して、みすぼらしくならない家をつくって、住み継いでもらえるようにしていきたいんです。
──
そっかー。
だからやっぱり、そう考えていくと古民家なんですよ。

インタビュー

北陸、北欧、古民家

──
サイトを拝見させて頂いた時、パッと見は真逆のことをされてるのかなと思ったんですが、こうしてお話を聞いてみるとものすごく腑に落ちたというか、納得がいきました。
ホームページに「北陸×北欧」っていうコピーを載せてるんですけど、その両者がよく似てるんです。気候や風土も含めて。
──
そうなんですか。
北陸も一年のうち2/3が雨だって言われてますよね。「弁当忘れても傘忘れるな」っていうくらい。いつもジメジメしていて、晴れの日って少ないんですよ。
──
へぇー。
北欧も一年のうち2/3が冬なんです。やっぱり晴れの日も少なくて、雪とか曇りとかで、似てるんです。
──
そうなんですね。
でも北欧って世界の幸福度ランキングで上位5位に入ってるんですよ。そして北陸三県も日本の中の幸福度ランキングで5位6位くらいなんですよね。そういうところも似てるし、あと身近な工芸品に触れられるという点も似てる。北欧はマリメッコとかいろんなブランドが身近にありますが、北陸も九谷焼、加賀友禅、輪島塗という工芸品があるんです。
──
ほー。
そして、やっぱり、家の中で過ごすことを大事にしているから、家族との絆を大事にするという文化がある。
──
それは大阪と全然違いますね。
そういうたくさんの共通点があるので、家族が住み継いでいく古民家というものを軸にして、北欧の家と掛け合わせればどうかと考え、いま築147年の古民家を買って、それを実現させようと工事してるんです。
──
そうなんですね!
北欧の住宅の思想を、北陸に根付かせたいんですよ。
──
なるほどー。僕いろいろ全国インタビューさせて頂いてるんですけど、地域によって気候条件って様々ですよね。で、北欧っていうところが、たとえば断熱とか、窓の扱い一つにしても北陸に合ってると思うんです。
そうですそうです。
──
うちは窓がめちゃくちゃ多いんですけど、大阪なんで、それでもまあ石油ストーブ焚いとけば局所暖房でいけるという世界なんですが、北陸はそうはいきませんよね(笑)。
僕たちは床に自然素材の断熱材を分厚く入れて、壁も天井も全部断熱材を入れます。断熱は北欧の基準でここまでやろうっていうのは決めてます。そして窓は全部ペアガラスのサッシに換えます。で、ご予算的にそこまでできない方はゾーンリノベーション、部屋で区切って、この部屋だけは暖かいっていうことをやります。
──
ああ、やっぱそうなんですね。うちもそれやってます。冬に使わない部屋がいくつかあります。
そうそう。古民家は家が大きいからね。古民家って風通しのいい家にするべきなので、やっぱり断熱材を入れるといっても、ある程度調湿できるようなものを使って、冬はちゃんと暖かくすることができる、夏は窓を開けて開放的にすればいい。そういう考え方です。
──
素晴らしい。
ただ今回の築147年の古民家はうちのものなので、実験的に全部断熱材を入れてます。
──
あの、壁の断熱ってどうされてるんですか。真壁にすると内断熱ができないと思うんですけど。
外壁は真壁、内側は大壁、でも真壁に見せたいところは付け柱で。
──
ああ、やっぱそれがいいですよね。付け柱か本物の柱か、普通分かんないですもんね。
そうそう。ただやっぱり外観は、砺波の散居村だったら、ベタベタ外張りの断熱やっちゃうと見た目が台無しになるんで、それは絶対避けたいです。やっぱり地域の風景にふさわしいものをつくらないと。
──
いやあ、さすがっす。
古民家をただ新しくするだけじゃなくて、地域の建物、地域の人々との調和も大事なんです。
──
やっぱり全国古民家再生協会に入られるような方はさすがやなって思いますねぇ。そこまで考えていらっしゃる方って少ないんですよね。
地域でも古民家得意な人はいるんですけど、外壁を全部サイディングにしてしまったりして、もったいないなあって思うことが多いんです。
──
いやほんとそうなんですよ。僕もその辺りの散居村を車で走りましたけど、めちゃくちゃ感動しましたからね。見事なんですよあれ。風景にびっくりしましたもん。
そうなんです。地域の人も言うんですけど、田植えの時は田んぼに水を入れるので、水面の上に家が建っているような感じになるんです。
──
はーっ。
その苗が青々してくると草原に家が建っている感じになって、それが秋になると黄金色になるんですよ。
──
めっちゃいいなあ。
古民家って自然と調和するんですよね。
──
仰る通りですね。
僕、古民家を通じて、自然の中の人々の暮らしってとても大事だなって思ったんです。これが国土を守ることにつながって、林業まで視野に入ってくるんです。
──
はいはいはい。つながりますよね。山とかに。
古民家から地域の再生、町おこしをやりたくて、ゆくゆくは林業まで関わっていきたいなあって思ってます。

インタビュー

能登半島地震のこと

──
クロダハウスさんは石川県ということで、実はつい先日、能登半島地震で地域一帯が被災されたというタイミングでこのインタビューをさせて頂いてるんですが、地震はどれくらいの被害があったんですか。
石川県って能登半島と加賀に分かれるんです。それでうちの本社があるのは加賀のほうなんですけど、そこは液状化で虫食い状態で建物が倒れてるんですが、それほど被害は無いんです。
──
そうなんですね。
反対に能登は壊滅的で、過疎地域なんで一本道しかないんですよ。その道が潰れてるんで、まだまだ孤立集落がたくさんあって。
──
そっかー。
実は昨日も七尾市に行ってたんですが、もう道路がぐちゃぐちゃですよ。だから避難所も水が出ないんです。道の下に通ってる給排水管が粉々なんです。
──
うわー。
あれを復旧するのに2年から3年はかかるって言われてて。それで今、皆さん二次避難で加賀の方に集落ごと移動されてるんですけど、たぶん、三分の二くらいしか元の集落に戻らんやろうって。一度こっちで便利な生活を体験した人は戻れんやろうって。
──
それ東北の時も言われてましたね。
僕らも復興にどう協力できるかなって、情報が錯綜してる中で色々考えてるんですけど。
──
あの、地震が起きるたびに「古民家は危ない」っていう話がメディアやSNSで話題になるんですが、こないだも「自分が見た限りでは古民家ばかりが潰れてた」っていう話がバズってまして、僕はそれに疑問だったんですけど、実際現場をご覧になられた東さんにその辺をお伺いしたいんです。僕は、古民家だから危ないってことはないんじゃないかと思ってまして…
そうそう。砺波の古民家は全然倒れてないし、あれって古民家じゃなくて瓦屋根の建物で……能登地震って実は去年もあったんです。その時に揺れて緩くなって倒れたのが多いという話もあって。古民家だけが倒れてるんじゃなくて、去年建てた家でも倒れてますから。
──
ほんとですか。
その一年前の地震があって、そのあと耐震補強してリフォームしたけどダメだった、っていう家も結構ありますよ。
──
はーっ。
だからなんか古い家を全部「古民家」って表現してるんじゃないですかね。
──
いや僕、そうじゃないかなって思ってたんですよ。でもその方のツイートがバズってしまって、みんな「やっぱり古民家は憧れで止めておかないとね」とか色々言われちゃってて。
違いますよ。
──
ほんと東さんのそういう現場の声ってメディアには載らないじゃないですか。
載らない載らない。僕も七尾で見ましたけど、築30~40年、50年は全然だめですね。
──
やっぱそうですよね。その辺ですよね。
それを「古民家」って言ってるんじゃないかな。
──
いやほんとそうですよ。瓦屋根で、土壁で、旧耐震の在来工法の和風の家を「古民家」って言ってるんですよきっと。
ある先生も言ってましたけど、何度も地震に見舞われると在来工法はだんだん歪みが生まれて倒れるということがあるんですが、この辺の古民家は「枠の内」でしっかり組まれてるんで、案外丈夫なんですよ。
──
特に「枠の内」は見た目から頑丈そうですもんね。
富山にあるうちのリノベーション中の古民家なんか、壁をぜんぶ取っ払って柱だけになってて、そこに重い瓦屋根が乗ってる状態だったんですけど、全然大丈夫でしたから。
──
そうなんですね!へぇーっ。
やっぱり昔ながらの免震っていうのはすごいですね。木と木でしっかり組まれてますから、重い瓦屋根でも大丈夫ですねえ。
──
今思ったんですけど、枠の内っていうのは、やっぱり積雪量も関係してるんですか。
そうです。雪が多いんで、それに耐えられる構造になってるんでしょうね。
──
羨ましいですね。僕の家はつくりが町家に近くて、柱も細いんですよ。差し鴨居もなくて。
なるほど。
──
まあ平屋で、土も降ろしてるんで、まあまあいけるかなとは思ってるんですけど、やっぱ枠の内とか、北陸の材木はレベルが違いますもんね。
そうなんですよ。

インタビュー

樹齢80年前後の木しか使わない

──
じゃあこれからは復興支援もしつつ、って感じですか。
そうですね。能登に残ってる古民家も多いので、それも含めて支援を進めていきたいです。
──
僕もいろんなところ回ってますけど、地域によっては古民家が全然残ってないところもありますから。一方たくさん古民家が残ってても、大阪のようにめちゃくちゃ増改築されてたり。
あー、ほんとに。
──
はい、大阪って子供が会社に通勤できちゃうんですよ。だから実家である古民家の隣に今風の家をくっつけて、二世帯住宅にしてるところは僕の地域じゃすごく多いんです。だから散居村みたいな素晴らしい風景は失われてて、ほんとにそうやって増改築されてるか、誰も来ないようなところでぽつんと空き家になってるか、市街地だと潰されて更地になって売られるか、って感じです。土地は売れるんで。
うーん。
──
だから東さんのエリアの地域にある散居村のような見事な風景は、本当に後世に残して頂きたいんです。ぼく前に書きましたけど、あのエリアを何も知らずに高速で走ってて、あの風景見て思わず高速降りちゃいましたからね(笑)。
(笑)あれを維持してる皆さんはえらいですよ。みんな同居してて。
──
そっかそっか。
ほんと北欧と同じで。それで、不思議なんですよ。散居村ってお互いが離れてるじゃないですか。
──
はい。
でも子供同士が仲良かったり、親同士が仲良かったりするんです。地域のコミュニティがすごくあって、あれが素敵なんですよ。家族で稲刈りしたあと子供たちが田んぼで遊んだり。
──
やっぱ子供が、友達の家の田んぼを手伝いに行くとか、漆喰塗りを手伝うとか、そうやって知らずのうちに生活や家の知識が深まっていくんですよね。
そうなんですよ。実は僕も実家が田んぼしていて、ずっとやってました。社長になった時にさすがに田んぼができなくなって…
──
(笑)
田んぼをすると地域のこととか、土のこととか、自然に触れられてほんと素敵なんですよ。だからそういうものを守る、ということが身に染みて。
──
いやほんとに。僕もパソコンの仕事を十年以上やってて、ある日それが辛くなってしまって、とにかく土に触れたいって思って、植物を触り始めたんです。それが最終的に古民家という選択肢に結びついたんです。
僕も一週間、一ヶ月と仕事漬けになってる時に、土に触るとなぜか元気になるんですよ。
──
そうそうそう。
人間ってやっぱり自然の生きものなんですね。
──
脳が何かを出してるんですよ。たぶん。
なるほどね。
──
やっぱ古民家って、木が見えてる、木に触れられる、庭もある、ほんとにそういう集大成だと思います。脳がものすごくリラックスしてるというか。
それはあるかもしれないです。
──
スウェーデンハウスも基本的に木の文化なんですよね。
スウェーデンは木ですよ。しかも森林保護法っていうのがあって、樹齢80年前後の木しか使えないんですよ。
──
え、そうなんですか!
80年超えると二酸化炭素を吸わないってことで、ITで全部管理されてて、切る木の順番まで全部決まってるんですよ。で、切った後の植林までオートメーションでやってる。
──
へぇーっ。すごいな!
それは平野だからできるんです。日本は山が多すぎて運搬にコストがかかって難しいんですよ。
──
そっかー。
だから向こうは全部木製で、窓も木製なんですよ。
──
うわ、ほんとですか?
バイオリンに使う木と一緒なんで、全然腐らない、狂わないんですよ。世界で一番上質って言われてます。
──
へぇーっ!
窓の枠も木枠で。
──
それ、断熱ってどうなってるんですか。
中身の詰まった木ですから、断熱性能は抜群です。樹脂サッシの2.5倍、アルミサッシの1700倍の断熱性能ですよ。
──
うっそー!まじすか!
まじです(笑)。窓は全部三層ガラス。これ100年くらい前からスウェーデンにあるんですけど。ほんとに結露しないんですよ。
──
え、それって日本でも使えるんですか。
はい、僕らは全部スウェーデンから輸入してます。全棟、100%それですよ。
──
すごいなー!
日本でも木製サッシメーカーはあるんですけど、やっぱり高いですよね。スウェーデンの方が全然安いです。
──
まじっすか!! うわ、知らんかった……いや僕デザインやってるんで、建具ってすごい悩むんですよ。
そうなんですよ。外観にもすごく影響が出ますからね。

インタビュー

「落ち着く」ということの大切さ

──
そういうものが低価格で流通してるのって、やっぱ林業のレベルから仕組みがしっかりしてるってことなんでしょうね。自由貿易で林業が衰退していった日本と真逆ですよね。
日本の山を見ても、木がそのまま、切り倒されたまま放置されていたりしますからね。次はそこも考えていきたいんですけど。
──
スウェーデンは林業もそうですし、家とか、家族とか、そういう良い循環があるんですねえ。
おじいさんが30年前に3000万円で買った家が、今売ると3500万円で売れるんです。ビンテージという考え方なんですね。
──
そうなんですよねえ。イギリスも同じで、でも日本は逆じゃないですか。そこがダメなんですよね。
ダメですよね。
──
まあそのおかげで僕は古民家を買えたわけですが(笑)。だからみんなこのバカみたいな状況を逆手にとればいいんですよ。
ほんとにそうですね。その問題の原因の一つとして、行政が伝統構法を理解できていないんです。
──
そうそうそう。自国の伝統的な建物を知らないというのは、どういうことやねんと。
そこをどうにかしていきたいです。
──
いやでも、スウェーデンと北陸にこんな共通点があるとは思いませんでした。
スウェーデンって人口1000万人ですけど、ほんとになんかみんな心豊かに暮らしてるんです。それってやっぱり家を拠点にして、家族の絆と地域を大事にしてるんです。それを日本でもできんかなーって思ってるんですけど。
──
あの、家が貧しいと、外に出るじゃないですか。で、外に出ると、すべてが消費行動なんですよね。テーマパークに行くのって家族の絆じゃなくて、お金を払ってサービスを受けてるだけなんですよ。それを家族団らんみたいに思ってる人多いですけど、海外の方の記念日やクリスマスの過ごし方って真逆なんですよ。
そうそう。
──
あの人らのバカンスって一ヶ月もありますけど、別荘を借りて、ひたすらそこで家族と一緒に過ごすっていう。
そうなんですよ。それを日本人はしないんです。
──
それって、家にいるのが幸せ、っていう家を持ってないからじゃないかと。
いやほんとに僕、そこが問題だと思ってて。実はスウェーデンハウスに住む人って、旅館やホテルよりも自宅が心地いいって言う人が多いんです。
──
はいはいはい。
で、僕は古民家という、親やおじいちゃんが年月をかけて住み継いできた家に対して、この家がいい、落ち着く、と感じるのが大事なポイントの一つだと思ってて。古民家に住んでる人って「落ち着く」っていう言葉をよく口にするんですが、やっぱりそこが大事なんじゃないかな。
──
うちに来るお客さん、ほんとに皆さん、落ち着くって言うんです。これ絶対言うんです。広いとかオシャレだとかそういうことより、まずは「落ち着く」って言われます。
僕はそれ絶対大事だと思うんです。それがあって初めて、家族の絆も強まるし、住み継いでいこうと思えるし、みんなが集まる場所になるんですよ。地域のコミュニティってその延長線上にあるんじゃないかって思うんです。
──
いや仰る通りです。
これからはモノの時代じゃなくて心の時代だって言われてますけど、資本主義もどうなるか分からんので、心を大事にしていかないといけないって思いますね。
──
うち小学生が二人いるんですけど、ほんとにね、どこかに連れていけっていうセリフを今まで聞いたことがないですよ。
(笑)いいですねえ。
──
まじで一回も聞いたことないんですよ。それで僕も気を遣って、三連休の初日とかに、どっか行きたいところないの?って聞くんですけど、じっと黙って、しばらくして「じゃあカレー食べに行きたい」って。
(笑)ほんとそういうのが大事なんですよ。僕ら、会社の経営理念が「ひとりの幸せ / みんなの幸せ / 今がしあわせ」っていうんですけど、家を起点に、暮らしの幸せを感じられるのが一番いいなって思ってるんです。
──
ですよねえ。

インタビュー

スウェーデンハウスから古民家に行き着く

──
えっとじゃあ最後に、東さんのこれまでの経歴みたいなのを教えてもらっていいですか。
僕は高卒なんですよ。なぜ高卒かというと、うちが貧乏で、じいちゃんばあちゃんのところに養子に入ったうちの親父が家を建てたんですけど、途中で大工さんがお金を持ち逃げしちゃって。
──
えー!
家が一階だけ仕上がって、二階が手つかずのまま。それでそのまま暮らしてました。うちは田んぼで生計を立ててたので、僕もずっと手伝いしてて、高校は工業高校の建築科を出たんですが、大学行かずに働いたんです。
──
はい。
最初、地元の工務店に入ったんですけど、夜中まで働いて、休みもなくて、きつくて20歳で辞めたんです。そして次のところを探そうと思って開いた電話帳の、一番最初に出てきたのがクロダハウスだったんです(笑)。
──
そうなんですか(笑)。
それで一回うちに来いってことで面接に行ったんですが、当時のクロダハウスって大卒の新卒しか採らなかったんです。ところが僕は高卒で、しかも中途採用なもんで、当時の役員全員に反対されたそうです。
──
はー。
でも一人だけ、創業者の会長さんだけ、賛成してくれたんです。
──
すごいなー。
それで入社が決まって、現場監督で入って、15年やりました。そこから工事の責任者をやって、不動産の営業もして、アパマンショップの立ち上げもやって……コンクリート住宅もやりましたね。
──
へぇーっ。
でもそれが何かしっくりこなかったんです。コンクリートの住宅ってそもそも日本海側では好まれなくて、不動産の方でマンションやってたんですけどダメで、富山のスウェーデンハウスの一営業からやれということで、自分自身の再スタートになりました。
──
そうなんですか。
でもそうしてスウェーデンハウスに出会った時、表面的なものじゃなくて本質的な良さというものに気付いたんです。
──
ああ。
最初は僕も腐っとったんですよ。一から再スタートなので。「あ、俺って会社に必要のない人間なんやな」ってほんとに思いましたよ。でも家内にお尻を叩かれて。「やる前からクヨクヨせんと、やるだけやって、ダメやったらやめればいいやん」って言われて。それでやっと火が点いたんです。それも家族の絆ですね。
──
へぇーっ。
そうしてスウェーデンハウスを知ることになるんですが、木のぬくもりや、北欧の家族を大切にする、良いものを長く使うという考え方にも出会って、それらがグサグサと自分に刺さってきて。
──
なるほどなー。
もう自分はこれやなと。今までかっこいい家、うける家を作ってましたけど、海外って自分の家だけじゃなくて周りとの調和を考えますよね。街並みが美しく揃っていて、ああ、これを僕らはやるべきやなって、目が覚めたんです。
──
いやー、やっぱそのお気持ちがあってこそ、結果もついてきて、事業としても成功されたんじゃないですか。
ほんとに好きでやってるんです。だから楽しいんです。
──
そうそう。そうですよね。
事業の成功は単なる結果ですけど、大切なものに気付くことができたのはありがたいです。
──
そして今、その延長線上に古民家があるんですね。
そうなんです。新築やってると、古いから壊すっていう単純な倫理がまかり通っていて、僕らも当時は良いものを残すノウハウが無かったから、壊すしかないから壊してましたけど、やっぱり新築ばかりの現状って、気持ち的にも、状況的にも、ちょっと違うんじゃないか、今あるものを活かすってことを考えていかないと、あかんですよね。
──
うんうん。
そうして考えていった時に、戸建てのリノベに行き着いたんですよ。
──
いやあ、東さんの経歴、お伺いして良かったです。なぜ古民家なのか、っていうところもこれまでの流れですごく腑に落ちました。
実はそのさらに先にも夢がありまして、「クロダパーク」をつくるって言ってるんですよ。
──
ほー。
うちは23年後に創業100周年なんですが、そこに合わせて「クロダパーク」をつくると。敷地5万坪の土地を買って、社屋を建てて、人が住む場所もつくって、古民家の街並みもあるし、スウェーデンハウスの街並みもある、シングルマザーが住める場所、職人学校をつくる、お店もつくる。
──
すごすぎますね…僕が今まで聞いた中で一番でっかい夢です(笑)。
それもう全社員の前で発表しましたので、この10年以内に土地探して、11年前から造成に入る予定です。
──
すいません、僕いま「夢」って言いましたけど、普通に「計画」なんですね(笑)。すごすぎる。
そうそう。
──
すげえ。
だから古民家も集めたいんですよ。美しい日本の街並みを見せてあげたい。
──
23年後、僕、たぶんまだ動けるんで(笑)、絶対見に行きます!!

おわり

施工例







株式会社クロダハウス

※直接お問い合わせの際は「クロニカを見た」とお伝え頂くと
何かしら良いことがある気がします。

所在地 本社
石川県金沢市駅西新町3丁目13-2
TEL:076-234-3060
福井支店
福井県福井市高木中央3丁目207番地
TEL:0776-52-5410
富山支店
富山県富山市西荒屋531番1
TEL:076-428-8639
加賀支店
石川県加賀市黒瀬町カ120番地
TEL:0761-73-1616
創業 昭和20年12月20日
資本金 4,000万円
工事高 40億(2022年9月末決算)
事業内容 *輸入住宅スウェーデンハウス(石川・富山・福井)の販売施工
*Rプラスハウスの販売施工(石川)
*不動産売買、仲介(石川・福井)
*ユーミーマンション、戸建賃貸ユニキューブの販売施工(福井)
*マンション・アパートの入居管理(アパマンショップ)(福井)
*規格型セレクト住宅ainoeの販売施工(石川・福井)
代表取締役 社長 東 一寛
社員数 101名(技術者 40名)
うち1級建築士3名 1級建築施工管理技士8名
建設業許可番号 石川県知事 許可(特-29) 第16655号
公式サイト https://kurodahouse.jp

株式会社クロダハウス /
全国古民家再生協会石川第一支部への
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