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株式会社なんば建築工房

全国古民家再生協会岡山第一支部・支部長 正田順也

対応エリア岡山県全域

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「本物の家」との出会い。

古民家アイコン

岡山県倉敷市児島。創業明治20年の老舗工務店の五代目を継がれた正田さんは、多くの熟練職人を率いて天然素材・手刻みの日本の家をつくり続けています。話は古民家のチェック方法からはじまり、移築事業を経て、やがて正田さんの個人史へ。新卒採用後、大量生産大量販売のパワービルダーで活躍する正田さんを待っていたのは「本物の家」との出会いでした。

インタビュー

古民家の傾きと雨漏りの話

──
まずですね、さっき案内して頂いた豪邸の古民家、お屋敷というか…あれを今回入手されて、どうするかっていうお話から聞かせてください。
正田
あれは…壮大なロマンですよね(笑)。町おこしを始めて今で五年目なんですけど、ずっと関わっているうちにやっぱり地域を良くしたいなという思いが強くなってですね、とある計画が頓挫したことで、じゃあうちが買い取ろうということになりました。
──
それもすごい決断ですよね。
正田
これが誰かの手に渡って、町のためにならずにただ壊されるんだと思ったら、ちょっと耐えられなくて。
──
ああー。
正田
だったらもう、自分で買って、やれるところまでやってみようと。最悪解体することになるかもしれませんが、できるだけ活用の道を探りたいなと思ったんです。
インタビュー
──
なるほど。いやあれでも、規模がやばいですよね。何坪でしたっけ?
正田
80坪くらいですね。
──
これを読んでる人は80坪と聞いて「あれ、意外と狭いな」って思うかも知れませんが、これ土地の坪数じゃなくて家屋の坪数ですからね(笑)。
正田
その他に、まだ蔵も四棟ありますからね(笑)。そのうち屋根が抜けてた一棟は解体しましたけど。もうちょっと早くね、なんとかできれば良かったんですけど。
──
もったいないですよね。
正田
雨漏りしてシロアリに食べられてたんで。今から再生するとしたらまず屋根を直して、構造も直して、となったらまあなかなか気合いがいる話です。
──
結構傾きもありますよね。
正田
そうですね。
──
あ、そうそう、この機会にお聞きしたいんですけど、古民家の傾きってどれだけ傾いてたら危ないんですかね? あのお屋敷で一番コケてた(柱に傾きがあった)ところって何センチくらいでしたっけ。
正田
(目の高さのところで垂直に対して)3~4センチくらいでしたかね。10センチもいってなかったと思いますけど、10センチいってると危ないです(笑)。
──
ですよね(笑)。1~2センチくらいは気にしなくてもいいって感じですか。
正田
まあそうですね、許容範囲ですけど、まあ瑕疵か瑕疵じゃないかって言い出すと1mで6ミリとかそういう感じなんですけど。
──
基準があるんですね。
正田
はい。でも実際は一棟ずつ構造を見て判断していくという感じです。あとは床面があまり傾斜していると、店舗だといいんですけど、住居となると平衡感覚がおかしくなって気持ち悪いんですよ。柱の傾きよりも床面の水平が出ているかという方が大事です。
──
なるほどー。
正田
あとは雨漏りの有無も重要です。
──
雨漏りがあるとだいたいシロアリが寄ってくるんですか。
正田
ですね。建物の重要ポイントでいうとやっぱり一番は屋根です。雨漏りしてると水が上から下に伝うので、下が傷んでることが多いです。
──
たとえば下には根太とか大引とかあるじゃないですか。あれが傷んでるのと、柱がやられてるのとどっちがヤバいってありますか?
正田
どっちもヤバいんですけど(笑)。
──
(笑)
正田
まあでも、柱がやられてるってことは、土台がやられてるってことがほとんどなんで。大体傷んでくるのは下からなんですよ。まず一番下の大引がやられて、次にその上にある根太がやられて、その次に柱の足元というふうに…
──
それはシロアリとか湿気とかですか。
正田
そうですね。湿気で腐ったりしますけど、上から見て柱が腐ってたら土台も腐ってたりシロアリに喰われてたり。
──
その原因は雨漏りが多いですか。
正田
そうです。屋根からですね。だからやっぱり一番大事なのは屋根。あと外壁。
インタビュー

増築された古民家を元に戻す

──
もうちょっと突っ込んでお聞きしますけど、腐朽やシロアリの原因が雨漏りだと。じゃあさらにその雨漏りの原因ってなると、瓦が割れたりすることですか?
正田
まあ、基本的には瓦が割れる、瓦がずれる。昔の家は土の上に瓦が乗ってるんでずれるんです。
──
ああー。
正田
台風の時なんかは雨風が吹き込んできたりするので、その時に水が入ってずれる、ということもあります。
──
あーそっか。
正田
一度ずれるとそこからは普通の雨でも雨漏りするので。僕らは古民家を見に行く時はまず屋根を見るんですが、雨漏りを放置していた家を改修するのは、結構費用がかかります。
──
そうでしょうねえ。
正田
あと軒先が波打ってたり歪んだりしてる家は、母屋の中が相当傷んでるなあと。
──
軒先に傷みの影響が出やすいんですね。
正田
そうですね。あと、屋根も南側より北側が傷んでることが多いんです。
──
え、そうなんですか。乾かないってことですか?
正田
そうです。日当たりが悪いので。大体、南側が傷んでいる家は、北側はもっと傷んでますね。
──
そうなんや!
正田
南は綺麗に見えても北側は…南入の玄関だったら皆さん北側はあまり見ないじゃないですか。草が生えてたり、ものを置きっぱなしにしてたり。そうすると湿気がたまってシロアリが来ると。
──
確かに。
正田
北側は昭和の時代に増築してるケースが多いんです。となると、増築部分と古民家の母屋の取り合いで雨漏りしていたり。それに大体増築したところにあるのが水回りですよね。
──
はいはいはい。古民家で増築するっていったらそれですもんね。
正田
そうですね。そうすると、在来のお風呂だったらタイルが割れてそこから水が漏れてシロアリが来るケースが多いです。
──
なんか増築部分からダメになっていくイメージあるんですけど。
正田
ですね。材料もそんなに良いもの使ってないですし。
──
しかもその増築を立派な大工さんがやってるかというと、案外…(笑)
正田
あるあるですね(笑)。
──
なんかね、母屋は100年前の腕利きの大工が建ててるけど、っていう。
正田
内装も木目のプリントだったり。玄関から土間を全部プリント合板で天井を張ったりとか。
──
そうそうそう。うちもそうでした。
正田
僕らの親世代はそれを良しとしていたんですけど、僕らから下の世代にとっては、なんでそんなことしたん、っていう感じですよね。それを元通りに戻してあげるというリフォームですね。
──
あ、そういうの多いですか。
正田
多いですよ。僕らからもなるべく「元に戻しましょう」って言うようにしてます。
──
さすがっすね。
正田
せっかくの古民家が死んでしまうんでね。
──
いやでもその感覚がね、みなさん、無いんですよ。
正田
無いんですか(笑)。
──
大体ね、逆をするじゃないですか。せっかく古民家があるのに、それをバンバン石膏ボードで壁作って、ビニールクロスで覆っちゃったり、そういうビフォーアフターたくさんあるじゃないですか。
正田
ありますね。
──
僕、最近は「古民家再生やってます」って工務店さんがよく書いてるけど、まずはそこの直し方というか、その感覚を持っているかどうかが大事じゃないのかと。
正田
大事ですよね。よくあるのは、二間続きの和室を洋風にしたいというご要望があるんですけど、僕らはなるべく、あの、「床の間を残しませんか」と(笑)。
──
(笑)
正田
ああいう和室の造り、しつらえをするのは、今新しく作ろうとすると結構費用がかかって大変なので、それを生かして住みませんか、という提案はしていった方がいいなと思いますね。
インタビュー

古民家を移築して新築を建てる

──
その延長線上に、今回スタートされる移築事業「RE:古民家」があると思うんですけど。ざっくり言うと古民家を解体した古材を使って新築したり、マンションの一室を古民家風にリフォームするという事業ですよね。
正田
そうです。古民家が好きで、古民家に住みたいという人はたくさんいると思うんですよ。でもその方が希望の古民家のあるエリアや立地ですんなり住めるかというと、難しかったりして諦めるというパターンが多いと思うんですが、そういう方々のために、一部屋だけでも、古民家の雰囲気を味わえる空間があれば落ち着くじゃないかなーと。
──
実際一部屋から、全体の移築まで対応されるんですよね。
正田
はい。たとえば田舎で空き家になっている、立地が悪くて潰すしかない古民家をごみとして捨てるんじゃなくて、必要としている方、好きな方に譲って、思いを引き継いでいくという事業です。
──
それを可能にするのがなんば建築工房の力、ってことですよね。これ読んでる皆さんはちょっとこのページの下の方にある施工例を見てみてください。エグいんで(笑)。
正田
(笑)エグいんですか?
──
エグいっす(笑)。いやこういう職人さんの技術と、それを支えるバックボーンが…創業何年でしたっけ。
正田
135年です。明治20年創業です。
──
やばいですね。だってその当時に新築した家って、今や立派な古民家ですからね(笑)。今日も車で児島の街を案内してもらいましたけど、ここはたぶんうちが建てた、というすごい古民家がありましたからね。
正田
ですね。たぶん私たちの知らないところにも色々あると思うんですが。
──
まあそんな会社だから、こういった移築事業ができるんですよね。お客さんが選ぶことができるんですよ。その場で古民家再生するか、それとも移築するか、って選べるじゃないですか。それってすごいことだなと思うんです。
正田
やっぱり職人の技術、会社の風土が整ってないと難しいかも知れませんね。
──
僕も結果的にこんな暮らししてますけど、べつにこんな土地のこんなでっかい家に住む気なんかさらさら無かったですからね。
正田
あ、そうなんですか。
──
元々新築建てるつもりで、僕が自分で間取りを考えてた家っていうのは今の半分くらいのサイズなんです。和室も四畳に縁側がついてるという感じだったんですけど、気付けば20畳くらいの大広間に…(笑)
正田
古民家ですからね(笑)。
──
(笑)でも移築って、移築する時にサイズを変えれるじゃないですか。
正田
そうです。
──
てことは、雰囲気を残したまんま、自分たちの身の丈にあったサイズに縮小できると。その上、土地を選べるんですから。夢のような話ですよ。
正田
田舎の大きな古民家をそのまま持って行こうとするとやっぱり広いし、建築費用もかかりますからね。
──
みんなでもたぶん、「移築」って聞いてイメージするのってそれなんですよ。豪邸をすんごい費用かけて移動させる一大プロジェクトみたいな。
正田
ああー。まあそれもできるんですけど、やっぱりちょっとリフォームするだけでも、古材を使うだけでも落ち着きますからね。
──
そうなんですよね。
正田
古材といえば、うちの会長から言われたことなんですけど、「これ見よがしにやるな」と。
──
おお~。
正田
「これを見せちゃる」とかね。そういう気持ちっていうのは建築にも出るんじゃって。
──
はいはいはい。
正田
思えば、昔の家ってシンプルなんですよ。構造美っていうのがあって、荷重のかかるところには太い材を入れる、それを分散させるのに構造を複雑にして保たせるようにしているとか…
──
必要から生まれる自然の美ですね。
正田
そうです。でもさっきの古材の使い方というのはただの見栄えなんで、やっぱりそこにいやらしさが見えてくると。
──
なるほど、すごいなー!
正田
それがデザインというか、構造からくる美しさを無視してはいけないって。
──
バレるんですね。
正田
そういう雰囲気があるんですよ。料理とかでも、せっかく素材がいいのに、調味料をドボドボ入れて、結局素材の味が消えてしまうような。
──
あー、なるほど。
正田
おいしい素材があると、それを活かしてあげる、ちょっと塩を一振りするだけで…という感覚が必要だなと思います。
──
そうですねえ。
正田
そもそも建築って、あんまり前に出ちゃダメなんですよ。今の家って、個性だとか、自分のやりたいことを実現するハコという感じですが、古民家はそんな個性の強い家って見たことないじゃないですか。
──
そうですねー。
正田
やっぱり住み継いで、次の世代も使いやすい家でないとね。個性は家具とかレイアウトで実現して、使い方を変えながら代々継いでいくっていう考えですよね。昔だったら家を建てるのは地域の人たちが協力してたんで、「建てて頂いた」という感覚だったんですが、今の家づくりというのは、家を買う、自分の稼いだ金で買ったんだから、好きにしてええがな、という感覚ですよね。
──
そうですよねえ。
正田
でも古民家はまたちょっと、そういうのではなく、もう一度ゼロに戻せるのかなって。
インタビュー

パワービルダーでの大きな経験

──
今、正田さんって何代目なんですか。
正田
五代目になります。
──
おおー。そんな由緒ある工務店の五代目を継ぐまでの、正田さんの個人史を教えて欲しいんですけど。
正田
僕はあのー、生まれが昭和48年で、大阪生まれ奈良育ちなんですよ。美容師の息子で。
──
え、美容師さんなんですか?
正田
そうです。母親が美容師で。よくお店の手伝いをしていて、中学からもうアルバイトしてまして。
──
へぇー。
正田
それで岡山の大学に入って、理系の大学だったんですけど、就職活動に入った時に、誰かの人生の一大決心に関わる仕事に就きたいなって。そうして倉敷の工務店さんに就職が決まったというのが、岡山に根を下ろすきっかけになったという感じです。
──
なるほど。
正田
入った会社がその当時、年間100棟くらいやってるパワービルダーで、社員さんも120人くらいいたんです。
──
はー。
正田
でもちょうどバブルが弾けた頃に入社したんですが、その後の五年で社員が最後は14人くらいに…
──
まじっすか!
正田
もうすごい状況で(笑)。入社して二年目に店長代理とかになって、三年目で店長に。
──
それ典型的な泥船コースじゃないですか!(笑)
正田
(笑)だからその時はもう、社員から「店長、ちょっとお話が」って言われたら、ああ…って。
──
(笑)それおいくつくらいのお話ですか。
正田
24、5ですかね。
──
ああ、じゃあまあ、いい経験ですよね。
正田
今考えたらいい経験なんですけど、その当時は大変でしたよ(笑)。いろんな酷い目にも遭いました。一番ひどかったのは…
~ほんとにひどい話だったので省略~
──
えぇ…それはエグいですね…
正田
でもその時に辞めなかった、がんばったということは一つ自分の自負にもなっていますし、その時に今の奥さんが入社してきて、それが結婚のきっかけになったんで、いろいろと感謝してるんですよ。
──
そうなんですね。
正田
そのような中で、前の会社では大量生産、大量消費、年間100棟みたいな、1棟売ったらいくらみたいな利益至上主義でやっていたんですけど、家づくりは本当に嫌だなと思うようになって、住宅業界って嫌な世界だなあって。
──
ああ~。
正田
そういった流れにあった時に、会社の新商品に関わることになって。その時に社長と一緒に「家づくりを楽しんでやる」「価格も分かりやすく透明にする」という、正直な家づくりをしましょうという提案をしたんですが、それがすごく人気を博したんです。
──
へぇーっ。
正田
やっぱり誰かが一生住む家というのが、ああいう形で売られ続けているのに心が痛んでたんですね。商売の道具というか…自分の利益のためのものではない、という感覚がその時にすごい芽生えました。
──
そっかー。それはほんと、いい経験されてますよね。
インタビュー

なんば建築工房との出会い

──
そこからどういった経緯でなんば建築工房を継がれたんですか。
正田
うちの奥さんが先代の次女だったんですよ。
──
あっ、そうなんですか。
正田
でも結婚するまでそこはあまり知らなかったんですけど。
──
それはおかしくないですか(笑)。
正田
いや、結婚するって決まった頃に、奥さんに誘われてこの会社の展示場に初めて行ったんですよ。そしたらね、すごい家を見せられて(笑)。
──
(爆笑)
正田
僕らが今までやっていたような家じゃなくて、もうレベルが違う家を…(笑)
──
(笑)え、まじでご存じなかったんですか?
正田
今みたいにネットがあるわけでもないし、実際見に行くまで知りませんでしたよ。
──
そっかー。
正田
全部本物の木を使ってて、魂のこもったような家ばかりで。
──
今と一緒じゃないですか。
正田
そうなんです。たまげましたね。
──
いやー、ずっと昔からそういう家づくりをされてるんですね。僕が今日見せて頂いた三棟も全部そんな家じゃないですか。
正田
ああ、そうですね(笑)。
──
それで現在に至るという感じですね。
正田
まあ僕に変なプライドがあったのか、奥さんと結婚したからすぐに会社を移るということはしたくなくて、いろいろお世話になった会社で、スタッフのことも好きだったので、そこからしばらく5年くらいは恩返しのつもりで働き続けました。
──
すごいなー。
正田
結局10年くらいは在籍したんですけど、辞める時はすごい盛大にお祝いしてもらって。24畳くらいの部屋にね、さんまのまんまを真似してね、一人一人来訪者が来るんですよ。お世話になった方とか、師匠とか、お客さんとか、かつてモメた人で今は仲良い人とか…(笑)
──
めちゃくちゃ愛されてるじゃないですか(笑)。
正田
そうなんです。だからやってて良かったなって。
──
その時までまだ会社があったんですね。
正田
はい、今はもう優良会社ですよ。
──
え、すごい!
インタビュー

家づくりの感覚

──
でもそうやってこっちの会社に来たら来たで、ご自身が大工ではないし、建築系の学校を出ているわけでもない、ってなるとこっちはこっちでしんどくなかったですか。
正田
まあそもそもこの会社の家のレベルが違ったので、何も知らない状態から…
──
そっかー。最初っからなんですか。
正田
そう。最初っから勉強しないと。
──
皆さん、「家」って一括りに言いますけど、こんなに違うんだっていうことを知って欲しいですね。これべつに特殊な建物の話じゃなくて、みんなが普通に住んでる家の話じゃないですか。
正田
はい。
──
それなのに、同じ工務店という職場に10年勤めていた人がこの会社に入社した時に、今まで培ってきたものが通用しない、っていうくらいのレベルの差というものがあるんだってことですよね。
正田
そうです。木の構造美、木の使い方を学んで…でもただ木を使うということではなく、妙にウッディーにしてしまったりするのも、僕らからしたら違うなって思うんですよ。
──
海外の使い方ですね。ログハウス的な。
正田
はい。だから木の使い方に必然性があるというか、適材適所というか、たとえば腰壁というのも汚れをカバーするために付けるものだったり。
──
機能美ですね。
正田
そうです。そういった役割があるんで、そこを無視した使い方は違和感がありますね。この会社に入ってからは、そういう感覚を育んできたと思います。
──
それは主に先代から教えてもらったんですか。
正田
そうですね。ただ叱られるんですよねえ。当時は。一所懸命に提案しても、お前の図面はどうとか、使い方が、見せ方がどうだとか…そう言われた時に、よく言い訳のように「お客さんがこれがええって言ったからこうしたんだ」って言ってたんですけど、ある時「お前はお客さんがええって言ったら何でもするんか!」って言われて、それがすごいグサッときて。
──
へぇーっ。
正田
お客さんがして欲しいことと、して欲しくてもやっちゃいけないことって、やっぱりあるんですよね。
──
いやあ、分かります。デザインの世界にもあります。
正田
それをお客さんに理解してもらうための努力が必要で。それを外すともうなんば建築工房の仕事でもないし、僕らの家づくりじゃなくなるってこともあるんですよ。そこは外しちゃいけん、と。
──
難しいですよね、そこは。お客さんは何がダメなのか、というところが分からないじゃないですか。審美眼も知識も経験も無いから。
正田
まあでも、しっかりご説明すると分かって頂ける方が多いですし、僕らも、しょうがないところ、どうしても、というところは対応しますし、それよりもさらに上のご提案ができるようにしよう、と考えますし。
──
なるほど。
正田
家づくりってやっぱり、対等でないとおかしくなりますから。横一列で、みんなでつくらないといい家はできないです。
──
そうそう。たとえば営業マンが下手に出て建てる家は、よくない家のような気がしますね。下手に出ると契約取るのは簡単ですけど、どこかに皺寄せがくると思います。僕も大工さんとモメ倒してつくりましたからね(笑)。
正田
職人も「図面の通りにつくればいい」という発想の人と「こうした方がいいんじゃないか」という提案が出てくる人で違いますし、対等の現場では、そういった自由な提案が出てきやすいんです。現場の人間しか気付かないことも多いですからね。そういうのを全部拾えると、家づくりの幅がぐっと広がって、いい家になると思います。
──
なるほどー。
正田
我々も方向性を迷った時期もあるんですけど、やっぱりうちは大工さん、職人さんを大事にしていこうと、ここはうちは外せんなあと思えるようになりました。
──
ああー。
正田
あと、手元に古材とか、材料がたくさんあるんですよね。もうこれ以上買ったら銀行から叱られるという(笑)。
──
(笑)
正田
今回もまた古材の倉庫をつくったりしてますけど、手元に材料が豊富にあると、あの家にはこの材がいいなあとか、長さや幅、木目の表情なんかを自由に選べるんですよ。
──
ぜいたくな話ですよねぇ。だって今はもう材料がなくなって、いい家を建てようと思っても材料探しに1年2年かかるっていう話ですもんね。
正田
そこはうちはアドバンテージがありますね。やっぱりお施主さん、設計士さん、大工さん、工事に関わる人たちが「こっちよりこれの方がいいんじゃない?」と意見を出し合ってつくる、そういう家づくりって楽しいじゃないですか。
──
誰にとっても「楽しい」家づくり、ということですね。
正田
はい。そこを目指しています。
──
いやー、今日はじっくりお話を聞かせて頂いてありがとうございました。面白かったです!

おわり

施工例

岡山第一支部プロモーション映像

一般社団法人全国古民家再生協会岡山第一支部
https://kominka-okanan.org

株式会社 なんば建築工房

※直接お問い合わせの際は「クロニカを見た」とお伝え頂くと
何かしら良いことがある気がします。

代表者 代表取締役社長 正田 順也
所在地 〒711-0907 岡山県倉敷市児島上の町1-11-44
電話番号 フリーダイヤル 0120-780-492
FAX番号 086-472-4436
資本金 3,000万円
創業 明治20年
会社設立 平成元年4月
一級建築士事務所県知事登録 第13085号
建設業許可 建設業許可 県知事許可(般-22) 第15639号
定休日 日・祝・GW・夏季、年末年始休暇(会社指定カレンダーによる)
営業時間 8:00~17:00
公式サイト https://www.nanbakenchiku.co.jp/
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