古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

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株式会社 坂井建築事務所

対応エリア兵庫県、大阪府、京都府 (※弊社より30Km以内、または車で1時間以内)

和と洋、新と旧を等しく扱う。

古民家アイコン

新築から古民家再生までを手がける、兵庫県川西市の坂井建築事務所。
代表の坂井信夫さんに「この部屋がお客さんとみっちり話し合う場です。この近い距離で」と笑いながら案内されたミーティングルームは、和洋の入り混ざった坂井さんならではのテイスト。その部屋でいくつかの建築写真を見ながら雑談しつつ、ロングインタビューが始まりました。

インタビュー

400年前の移築物件

坂井
(谷崎潤一郎の倚松庵の写真を眺めながら)ここ行ったことあるなあ。だいぶ前ですけど。
──
ここ、めちゃくちゃ好きなんですよ。
坂井
似たようなので、奈良の志賀直哉旧居も良かったなあ。あそこもこれに負けんくらい良かった。……しかしこの家もいいよねえ。
──
いいんですよぉ。この家はもう。和洋折衷のセンスが。でも、坂井さんの施工例もこれに近いものを感じました。
坂井
僕はしばらく数寄屋を習いに京都に行ってたんです。でもなかなか、難しい。
──
そうなんですか。
坂井
(大原自宅の写真を見ながら)これ元々の作りがいいですね。
──
当時はお金持ちが建てたええ家だったそうです。移築物件らしいですよ。
坂井
あー、そうやね、昔のはほとんどそうやもんね。実は今、能勢の野間というところで、400年前に野間一族の分家として移築された建物を触ってます。
──
え、400年?
坂井
そやから元々は何百年前か分からんけど。(笑)
──
いや、すごいですねぇ!
坂井
この自宅にしている古民家も築90年で、移築物件です。
──
うちと同い年ですね。うちの家の場合、とにかくあちこち増築されてて、まずそれを全部取っ払ったんですよ。
坂井
おー。すごいな。その決断ができるのは。
──
めちゃくちゃ悩んだ結果ですけど。
坂井
それは絶対正解ですよ。(母屋の中心を指しながら)僕らも大体これしか残せへん。蔵とかそういうのは別やけど。
──
やっぱどう考えても最初の状態が一番いい…
坂井
もちろんそうです。
インタビュー

和と洋の垣根はない

──
僕、古民家をここまでいいバランスで再生されてることにびっくりしたんです。そういう人がいたのかと。
坂井
でもうちに限らず、今はどこも「古民家再生」やってますよ。
──
いやでも、内容が全然違うじゃないですか。僕が見た中じゃ、再生を謳いながらひどいことしてるケースもいっぱいあったし。
坂井
そうやね。
──
それに加えて、デザイン性と古民家を扱える知識を兼ね備えている設計事務所さんを見つけられなかったんです。たぶん僕、当時坂井さんにお会いできてたら、お願いしてたと思います。(笑)
坂井
ありがとうございます。(笑)
──
「和風」ってよく言いますけど、坂井さんは和風というものを一回咀嚼してからデザインに落とし込まれてるじゃないですか。たとえばよくあるのが「和室がある家」って書いてて、見てみるとそれ和室じゃないやん、床材が畳なだけやん、みたいな。そうじゃなくて…
坂井
僕らは、和風とか洋風とか、そういう垣根がないんです。和とか洋って、一体何で決めてるの?と。
──
へぇー。
坂井
この部屋だって、和風の空間に洋風の生活スタイルを入れて、混ざってますから。
──
確かにそうですね。
坂井
それにうちは元々親が曳家やから、見かけよりは中、構造を考えます。でも見えない部分をしっかりやろうとすると、普通の人から見ればどうしてもうちは「コストが高い」となる。それでビフォーアフターが流行りだしてから「古民家再生」を言い始めた余所の安いところに流れていく、ということが一時期よくありました。最近はそうでもないですけど。
──
なるほど。難しいですね。
坂井
そこをどう分かって頂くか。見学に来て頂くのが一番分かりやすいんやけど。そういうのも含めて「勉強会」ちゅうのをやってます。もう15年くらいやってるんかな。
──
見学会じゃなくて勉強会? お客さんに向けてですか?
坂井
そうそう。木とは何か、自然環境とは何かから始まって、設計の考え方からローンの組み方まで。
──
へぇー。
坂井
あとは建築材料の話、断熱材ひとつにしても10種類くらいあるから、その中でメリットデメリットを全部紹介して考えてもらって、そうして一通り学んで頂き、その上で気に入ってもらえたら次のステップ、という。
──
すごいですね…ちゃんとしてますね。
坂井
僕らは口べたやし、腕利きの営業マンもおらんから、そうやって地道に理解して頂くしかない。ただまあ、こういうやり方はお客さん一人一人にものすごい時間がかかるから、大規模にすることはできません。うちのスタッフは今9人かな、それくらいの規模やったら丁寧にやっていけるけど。
インタビュー
──
僕ブログにも書きましたけど、日本はそういう知識が親から引き継がれてないんですよね。
坂井
まあ、戦争に負けてから思いっきり狂ったというか、そうさせられたんですよね。
──
あー。やっぱりそこですね。
坂井
昭和25年制定の建築基準法に日本の伝統工法に関する項目が一切載ってないというのは、そういうことです。
──
すごい話ですね。そこにアメリカのどんな意図があったんですかね?
坂井
やっぱり、いろんな伝統を消したかったんでしょうね。
──
ナショナリズムの復興を恐れたんですかねえ。
坂井
一級建築士の試験にも、伝統工法は一切載ってないからね。
──
え! そうなんですか。
坂井
けどやっと今、古民家っていいんじゃないか、伝統建築の良さがあるんじゃないかって、みんなが思い直しかけてるよね。だから今やったらギリギリ間に合うと思ってます。
インタビュー

「ここで勉強してこい」と雑誌社に

──
沿革というか、これまでの流れを教えてください。
坂井
はい。独立したのが28年前で、それまでは設計事務所にいたり、数寄屋の修行したり、その前に雑誌社にもいました。
──
それは建築雑誌ですか?
坂井
そう。数寄屋を学ぶ条件として、そこの工務店の社長が「ここで勉強してこい」と。それで2年間、村野藤吾氏のシリーズを担当して有名カメラマンと全国を回ってました。
──
へえー!
坂井
工務店もいくつか渡り歩いて、親父の「坂井家起こし」という曳家の会社でも大工やったり、職人として4年間働きました。それから独立して現在に至ります。
──
なんかもう、一通り経験されてますね。
坂井
浅く広くですけど。
──
全国回る体験とか、すごい大事だと思います。色々客観視できますよね。僕もシチリア旅行から帰ってきた時に初めて、日本の家はダメだって思いましたもん。
坂井
前にね、数寄屋の工務店でフランス貴族の家をやらせてもらったんですよ。その施主さんがフランスの別荘に呼んでくれて、それでヨーロッパを回ったんですけど、その時に会う人会う人、みんな家の自慢するんです。うちの玄関の扉は何世紀のもので…とか、何百年も経ったものばかりを自慢するんで、これはもう日本と全然ちゃうなと。(笑)
──
分かります! みんな家でも古いことを自慢しますよね。
坂井
自慢するんですよ。そういう体験は良かったです。
インタビュー

曳家と古民家の構造

──
坂井さんが新築や普通のリフォームに加えて、「古民家」というものを設計の対象に入れたきっかけはありますか?
坂井
小さい頃から…まず中学の時に大工になろうと思って、親父に言ったら「これからの時代、高校くらい出とけ」と言われて、それで高校出たらもう採ってくれなくて。
──
えっ。(笑)
坂井
(笑)まあそんな流れで今に至るんやけど、そやから小さい頃から壁土塗ったり屋根土やったり、伝統建築の手伝いを色々やってましたから。
──
なるほど。
坂井
あとは親父が倒れてる家を起こすのが大好きで、戦時中に親父は近衛兵やったんですけど…
──
えー! エリートじゃないですか!
坂井
それで東京で、空襲の延焼を防ぐために、100~200mの間で全部家を曳き倒していくんですよ。
──
すごいなー。そういうのも曳家でやるんですね。
坂井
そう、その技術を今は逆に「起こす」方に使ってるんですけど。
──
なるほど…
坂井
まあそんな環境もあって、古民家再生をやってます。ちなみにさっき話した築400年の家も、庭を広くするために1mほどずらしてますよ。
──
そういうのって伝統工法だとやりやすいですよね。
坂井
伝統工法は主たる柱が少ないからね。20本くらい固めたらあとは全体で支えるから大丈夫。でも今の建て方は数で保たせてるし、100本うち1本でも抜いたら強度的に弱くなるから。
──
今の家は、金物が折れるような地震が来たら怖いって聞いたことあります。
坂井
筋交いや合板でガチガチに固めた家は、一定レベル以上の力がかかったら、一気にバタンといっちゃう。けど古民家の場合は、しなるというか、ねじれながら傾くから、バタンとはいかんのですよ。
──
それで生存空間が生まれるんですよね。
坂井
そう。だから僕らの再生っていうのは、古民家のそういう基本的な良い部分を残して、在来の良い部分を入れていくんです。
──
なるほど。
坂井
基本的にはね、100年前、200年前の、その家の棟上げの時に戻すんですよ。
──
やっぱそうなんですねぇ。
坂井
とにかくね、増築されてる部分はだいたい邪魔なんですよ。構造的にも意匠的にも。やっぱり一番最初にその家を建てた大工さんに、敬意を表して。
──
いやもう、ほんと僕もそう思います。僕も自分の家を眺めて、最初に新築だった頃ってどんな家やったんかなあって思います。その時の大工さんの「どうや!ええ家できたやろ!」っていうところに戻してあげたいというか。ただ仰るように、これまでに培われてきた技術があるんで、それを最初の大工さんにも納得してもらえるような形でリノベーションすればいいのかなって思ってるんですけど。
坂井
その通りやね。
インタビュー
──
最後に一つお伺いしたいんですけど、坂井さんにとって「理想の家」とはどんな家ですか?
坂井
そうやなあ、一番はその家に住む人が癒されること。かつ、来るお客さんに対してもしつらえができること。これが一番の理想の家やね。
──
しつらいですか。
坂井
窓一つにしても、しつらいを考えられている家って少ないですよね。昔の古民家はすべてしつらいを一番に考えられている。でも、そればっかりでもいかん。まずは自分たちが癒される空間でないと。その上で、そのうちのいくらかをお客さんに与えられる家、そういうのが理想です。
──
お話聞いてて思ったんですけど、それこそまさに、古いものと新しいものが混ざり合った考え方やと思うんです。
坂井
そうですねえ。
──
ものすごく、腑に落ちました。

おわり

古民家リノベーション施工例

株式会社 坂井建築事務所

代表取締役 坂井信夫
事務所開設 1991年(平成3年)
法人登録 1996年(平成8年8月8日)
資本金 1,000万円
所在地 兵庫県川西市鼓が滝1-20-27
電話番号 TEL:072-774-3737
FAX:072-774-3838
取引銀行 三菱東京UFJ銀行・池田泉州銀行・尼崎信用金庫
業務内容 建築設計・監理・施工 (数寄屋建築・住宅・店舗等) 及び耐震、劣化等調査及び改修工事
管理建築士 坂井 信夫一級建築士第190953号
一級建築士 3名
二級建築士 2名
一級建築施工管理技士 2名
住環境福祉コーディネーター2級 2名
建築経理事務士2級 1名
宅地建物取引主任者 1名
登録許可等 一級建築士事務所登録 兵庫県 第01A00969号
性能表示評価委員 第01-2089号
監理技術者 第00656917号
特殊建築物等調査資格 第27151号
マンション管理士 第5551066号
被災建築物応急判定士(兵庫県) 第981008号
給水装置工事主任技術者 第145381号
住宅性能保証制度 登録業者(1-2801)第00762-0号
一般建設業の許可 兵庫県知事(般-23)第214778号
公式サイト https://kinosumai.jp
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