古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

WAKURASU 株式会社富田工務店

対応エリア静岡県島田市・藤枝市・焼津市・牧之原市・菊川市・掛川市・袋井市・森町・吉田町・川根本町・春野町

選んだのは古民家という道。

古民家アイコン

静岡県島田市にあるWAKURASU・富田工務店代表の富田さんは、古民家再生はもちろん古民家探しからお客さんをサポートします。そのざっくばらんなお人柄から語られる古民家という選択肢には、技術屋としての理論に裏打ちされた理屈がはっきりと見えます。イメージではなく理屈で古民家を選んだプロの言葉、ぜひご一読を。

インタビュー

自分でつくったキッチン

富田
最近、女性に寄り添うことが大切みたいですね。
──
(笑)
富田
妻とか。
──
最近ですか(笑)。
富田
最近気をつけようかなって(笑)。
──
僕も気をつけます(笑)。
富田
あの、行政の空き家の相談会ってよくあるじゃないですか。あれって専門家が集まって、わりと乾いた感じの相談会だと思うんですよ。
──
はい。
富田
僕らも独自で県と組んで、住教育も併せた相談会やりたいって言ってたんですよ。そういう時に、「こうした方がいいです!」じゃなくて、もっと女性に寄り添って提案するものをやりたいんですよ。
──
やっぱり、今の時代はそうですよね。女性目線で家を考えるっていうのは、ハードからソフトに視点が移ってきてるって思いますね。
富田
ハードをどれくらいソフト化するかっていうのも大事ですね。DIYとか、お客さんと一緒にものを作る、そうすることでコストを抑えて、余ったお金を使って自然素材を選んだり、いい家をつくるっていう。
──
なるほどー。
富田
ただ安く済ませるんじゃなくて、安くていいものを手に入れる。それを女性目線でやった時に、全部を手がけなくてもたとえばキッチンをハンドメイドで作ったら、それでもう充実感があるし、あとはそのキッチンに合わせてプロにやってもらったり、そういう形もいいのかなと。
──
そうですね。女性の中心はやっぱキッチンでしょうね。
富田
「自分でつくったキッチン」というだけで全然違いますからね。
──
僕、常々思ってるんですけど、古民家再生においてふさわしいキッチンが無いんですよ。
富田
あー、そうかもしんない。
──
基本モダンなやつしか無いじゃないですか。
富田
DIYでキッチンつくる時に、タイルの目地の汚れが気になるという意見があったんだけど、それならステンレスや人工大理石で作ればいい。キッチンは歴史の中でそうやって進化してきたんだから。でもそれを一回元に戻して、それでもいい、それがいいんだっていう人もいる。
──
元に戻したい人と、戻らない人ははっきり分かれますよね。
富田
最新を追いかける人はいいんだけど、そうじゃなくて、戻したい人に対してお手伝いができる会社、団体がどれだけあるかなって思いますね。
インタビュー

縁側の記憶

──
富田さんの会社って、どういうジャンルの家づくりをされてるんですか。
富田
一番僕が思ってるのは、いろんな考え方があるし、自分も自分の考えを尊重して誇りを持たなきゃなんないけど、でもやっぱりお客さんの考えを尊重するべきだと思ってるんですよ。その上で、自分が自分の思いを発信して、それに共感してくれる人に来てもらえれば一番いいですけど。
──
はいはい。
富田
でも古民家をやる前は、こっちから「こうすればいい」「これがいいですよ!」とやってたわけですよ。でも今は芯だけ合ってれば、例えば古民家を再生したい、だけど外壁はデンマーク風にしたい、というお客さんがいてもそれは尊重します。
──
なるほど。
富田
コテコテだけが古民家じゃないと思うし。でも逆のことも言うけど、大正時代の古民家の暮らしに戻すのもいいかなって思う。
──
ああ、分かります。僕も喋っていくと矛盾が出てくるんですけど、矛盾って、ルールを決めるから矛盾になるんであって…
富田
そうそう。ちなみに僕がなんで古民家やってるか、なんで好きかっていうと、縁側の空間なんです。
──
あ、縁側なんや。
富田
古民家イコール縁側。
──
へー。
富田
僕は子供の頃に古いボロボロの家に住んでてね、20坪くらいの、平屋のトタン屋根のさ。親父が大工で中学出て丁稚奉公して、早めに独立して、24、25くらいから自分でやり出したんです。それで借りてる土地に自分で家を建てた。
──
そうなんですか。
富田
隙間風の吹くような家だったけど、縁側が当然あって、僕は弟と二人で縁側で遊ぶのが好きで。特に夏ですけど、水鉄砲とかするんですよ。
──
あー。
富田
そんで雨が降ってきて雷が鳴ったら、水鉄砲で雷のイナズマを撃ったりして。晴れた夜は線香花火したりしてね。ヒグラシの鳴き声と、蚊取り線香と。
──
いいですねえ。
富田
それでプロになって、それがなんでいいのかなって改めて考えてみたら、何かの本に書いてたんだけど、動物とか植物があるじゃないですか。人間以外はいまだにみんな自然の中で生活してるんですよ。
──
はい。
富田
人間だけが、危険から身を守るために、壁をつくって屋根をつくって住んでる。それはそれで正しいことなんだけど、動物や植物と同じ生き物だから、自然が必要だってわけ。それであれば、外から中に自然を取り入れるべきだって。
──
はいはい。
富田
それは正しいなと思って。観葉植物を置いたり、家の木の部分を見せるのもそうですよ。いろんな自然素材の中で人間が自然を強く感じるのは「木」だそうで。
──
へぇー。
富田
だから木を見せるのは理にかなってる。そういうことで言うと縁側は、外の自然を取り込むじゃない。だから科学的なものもあるんだろうなと。
──
なるほど。僕も実際縁側にすごいこだわりたくて、今の家を決めたのも縁が回ってたからなんですけど、ガラスの掃き出し窓が後付けで。
富田
ああ、濡れ縁だったわけね。それを縁側にしてあるってことか。
──
そうです。それで最近ちょっと本気で考えてるのは、もうガラス窓全部取ったろかなと。セキュリティ最悪なんですけど(笑)。
富田
なるほどね(笑)。蚊帳だけ降ろして。
──
なんかでもそれって、本能的にやりたいんです。
インタビュー

技術屋の理屈がある

富田
それが自然ですよ。ただ、僕思うのは、昔に戻そうっていうのは思いとしては分かるんだけど、僕は科学的に証明できないと今の人には霊感商法みたいに聞こえちゃうかなと思ってて。
──
そうですか。
富田
僕ら技術屋だから…
──
あ、そうか、理系や(笑)。
富田
理系だから。たとえばよく言うのは、梁の黒い煤があるでしょ。それを「これいいですね~お客さん、この梁の色、昔ながらでね~、この味が出るまで100年くらいかかるんですよね~、これがいいんですよ古民家は!」っていうの、大嫌いなんです。
──
あははは(笑)
富田
それダイオキシンでしょって。
──
そっか(笑)。
富田
身体に悪いんですよ(笑)。だから僕らのグループは古材を磨いて、洗って、塗装をし直す。
──
そうなんや。へぇー。
富田
古民家が流行ってるってことで、雰囲気だけ真似る業者が増えたけど、古民家の上辺だけを見てる人たちとは違うんです。ちゃんと理屈があるんです。なぜ木を見せるのか、というところに理屈がある。
──
はー。
富田
地震についても同じで、理屈で考えます。固める工法か、揺らして逃がす工法があって、この建物は検査してみると揺らす工法で補強ができますとか、あるいは、揺れてて固まってないけど、地震は大丈夫ですよとか。
──
はい。
富田
僕は固める工法も揺らす工法も方法が違うだけで結果は同じだと思ってた。でも熊本地震の時に、二回続けて大きな揺れが来た。
──
はいはいはい。
富田
固める工法の基準って、震度7の地震が一回来た時に崩壊しない、という計算なんです。
──
ああー。
富田
それが二回来た。今の国の想定を外れたわけです。だから今は、揺らす工法の方がいいのかも知れないと思ってて。少なくともわざわざ揺らす工法でつくられた家を固める必要はないかなと。
──
僕聞いた話、熊本地震の時に耐震等級2の家が全壊になったらしくて、それは仰る通り、連続した揺れに金物が耐えられなかったという。
富田
そうです。そういうことを、技術屋としてお客さんにお話したいんですよ。
──
なるほど。僕思いっきり文系なんで、「いいよね~」って言われたらフィーリングで「いいっすね~」言うて終わりですよ(笑)。
富田
お客さんにとってはそっちの方がいいかも知んないけど(笑)。技術屋としての知識を持ちながらね、ちゃんと説明して、その上で「そんなの関係ないよ、理屈より思い入れの方が大事なんです」って言われれば、「まあそれもそうですよね~」っていうのが僕の今の感じ。
──
それ、きっと昔はもっとあれじゃないですか。
富田
「そうじゃない」とか言っちゃってたね(笑)。「命がなくなったらどうすんですか」って。
──
でも僕ら現代の施主は、自分の思いも強いですからね。
インタビュー

「黒壁の家」の意義

──
新築では「黒壁の家」っていうシリーズをされていますけど、これはどういうものなんですか。
富田
地元の木を使うっていうことがまずあったんですよ。本社のある川根は昔から杉の産地で、地元のものを使いたかったのと、もう一つは、田舎なんですけど、田舎でも地元の工務店を使わなくなった。
──
ほー。
富田
昔は施主本人よりおじいさんの方が偉くて、「50年前に富田で建ててもらっただから、また富田にやって貰えばええだ!」って言ってたのが、今は「若い衆がローン組むもんで、ワシら意見言えんだよ」という風に変わってきたんです。
──
あー、そうか。
富田
若い人が大手ハウスメーカーが良いって言ったら、もうしょうがない。
──
それはありますね。
富田
あるんです。で、いろんな家が建つわけですよ。僕の会社の周りにも(笑)。
──
(笑)
富田
それはもうしょうがないって思ってたんだけど、最近また違ってきて。地域の活性化で色々やってるので……大井川鐵道で今トーマス走ってるでしょ、僕、あそこの観光協会の会長なんですよ。
──
え、そうなんですか。
富田
それをやってる中で、ちょっと待って欲しいと思ったのが「自分の土地に何を建てようが勝手じゃん」っていう考え方。そりゃそうなんだけど、昔は似たような家がたくさん建ってて、どこも同じ仕様で同じ直し方で、共有して繋がってる感じがあった。でも今は「自分の家を自分が好きなようにして何が悪い、自分がお金出してるんだから人に何かを言われる筋合いはない」っていう人がね、一軒、二軒、三軒、四軒と…
──
はいはいはい。
富田
そうやって数が増えてくると、徐々に家だけの話じゃなくなってくるよね。
──
そうですよねぇ。
富田
そう思った時に「黒壁の家」というコンセプトで、この村の景観を守りたいなって思ったんです。
──
それは素晴らしいことですね。
富田
そういう自分のね、木でつくって木の板壁にしてもらいたいっていう自分の考えを言ってもいいんだなって。それは自分だけの商売だけじゃなくて、この地域にいい影響を与えられるんじゃないかなって。
──
なるほどなー。それで「黒壁の家」なんですね。
富田
別に色は黒じゃなくても、地元の杉板を壁に張るっていう。
──
ほんま僕ね、いつも言うんですけど、もうどんな形の家でもいいから、せめて、せめて壁だけは漆喰か板張りにしてくれって思うんです。
富田
そうそう(笑)。特にうちは田舎なんで、防火とか何もないですからね。
──
それに観光という面からも、街並みや風景って大事ですよね。
インタビュー

村に誇りを持ってほしい

富田
とにかく田舎の人には誇りを持ってもらいたい。うちは不動産もやってるけど、よく不動産屋が空き家バンクとかやってるでしょ。移住定住を促進させるためにNPOが入ってやるとですね、たとえば昔の豪邸があって、DIYで安く住みたいっていう若い人なんかがやって来て、そしたらNPOが、豪邸の持ち主のおばあちゃんに、おばあちゃん、どうせ持ってても税金かかるで、50万くらいで売ればいいじゃんって言うんだよ。それっていいことやってるつもりで、実は地元のブランドを下げちゃってる。
──
ほんとそうですよね。
富田
来る人にゴマをするんじゃなくて、誇りを持ってね。来る人の理由が「安いから」でしょ。でも、それだけじゃないんだよ。自然があるし、地域の人の人柄もいいし、畑もできる、来る人はそういうところに移住したいんでしょ。じゃあそれも価格に反映されるべきですよ。
──
そうだと思います。
富田
それを、田舎の古い家だからタダであげるって、おかしいじゃんって。どっかの駅前のアパートと、こっちの大自然の中の、鳥のさえずりがあって、隣の人にたくあんとかお餅とか分けてもらえる生活、どっちがいいのかって好き好きだけど、片方は高値で、片方はタダだって、おかしいですよね。
──
うん。
富田
でも僕らがそんなこと言ってても拗ねてるみたいだからね。値段で分けたんですよ。100万円以下、500万円以下、1000万円以下って分けることで、たとえばとにかく安いのが欲しい人は100万円以下で選んでもらうと。
──
なるほど。
富田
それプラスDIYも取り入れて、荒れてる家も自分で直すっていう人にDIYを教えることで選択肢が広がるかなって。
──
安く安くで売っていくと、住む人も安く買ったもんだから、大事に住んでくれない気もしますね。
富田
そう。定住の話にしても、簡単に出て行っちゃう。それをDIYで手間かけて自分で直せば、愛着も湧くし、大事に住んでもらえる可能性が増える。
──
サイト見ましたけど、古民家探しからやってくれるんですね。
富田
元々工務店ってのは宅建持ってないと分譲地ができないので、そのためだけに取ってる場合が多いんです。僕らも親父がそのために取ったんだけど、でも今は空き家バンクを扱うことを主流にしてて。
──
はい。
富田
普通の不動産屋は空き家バンクで仕事できないんですよ。仲介手数料はたとえば売買価格が1億円だったらその3%もらうんだけど、100万円でも5%とかだから。
──
あー、そうか。
富田
普通は空き家バンクで仕事できない。ビジネスとして成り立たないから。それで僕らだけ、一所懸命やってるんですけど(笑)。
──
不動産屋さんって基本儲かる方にしか行かないって、神奈川の福田さんも仰ってました。
富田
そうそう。だから、街の不動産屋さんは来ない。儲からないからね。
──
でもほんま、ええことされてますね。
インタビュー

住宅性能表示への疑問

富田
本社と別に「WAKURASU」っていうのがあって。本社は川根本町っていう田舎なんです。でも古民家を直そう、守ろうという意識が強い人たちは東海道五十三次沿いに多いんです。だもんで、島田という大井川下流の地域に古民家再生協会と富田工務店の支店という形で「WAKURASU」をつくったんです。
──
(地図を見ながら)おー、こっちは思いっきり駅前ですね。
富田
海の方で今二軒の古民家再生させてもらってますけど、やっぱ海の方です。
──
あ、市街地っぽいですけど残ってるんですね。なんか山の方が古民家ありそうですけど。
富田
東海道五十三次だからね。
──
ああ、そっか、宿場町か。この辺の古民家って特徴ってあるんですか?
富田
タッパが低いっていうのがありますね。平屋でも軒高が低い。あと掛川の方では茅葺きが残ってます。今回も協会の方で茅葺き講習やるってなって、興味はあるんだけど。
──
僕も茅葺きはブログで扱ってないんです。自分に経験がないっていうのと、あとできる人がいなくて、できても高額になるし。
富田
でもテレビで「茅葺きの葺き替えやります」って言うと行列ができると思うよ。
──
あー、そうですよね。だってみんなもう諦めてるから。
富田
諦めてるからね。プロでも難しいって。でもあれ難しくないんだって。あんまり。
──
そうなんですか。まあ昔は村の人がみんなでやってましたもんね。
富田
そうそう。ちょっと知ってる人がいればいいって。その「ちょっと知ってる人」になるにはどれくらいかって、それほどでもないと。だから興味はあるんだけど、僕も歳だから、時間尺度から考えてやるべきかどうかって。
──
あの…野望とかありますか。
富田
野望? 野望はねえ、空き家を数多く、いろんな形で活用したい。
──
ああ。
富田
DIYもあるし、民宿もあるし、再販もあるし。そして古民家は、空き家をやってる中での古民家なんですよ。
──
はい。
富田
古い家を2000万円かけて直す時に、それがKD材(強制乾燥材)の建物だったら、耐久性がないのにお金かける価値がないじゃない。古民家はちゃんと直せばさらに100年はもつから、長く住むんなら非常にローコスト。古民家は空き家の中でそういう位置づけ。科学的な理屈なんです。
──
それも科学的な理屈なんですね(笑)。
富田
古民家リノベーションはコスパがいいからお勧めしてる。
──
そういう理系の切り口おもろいです(笑)。
富田
説明してて、こうですよって言う時に、自分の中で整理できてないとお客さんに自信を持って言えないですよ。モゴモゴ言うんだったらやりたくない。そういう世界が嫌で古民家やってるんだから。
──
なるほどー。
富田
僕、ゼネコンの現場監督なんです。元々は。
──
えっ、そうなんですか。
富田
大学出てゼネコンに行って、ビルものをやってたんだけど、親父が大工で子供の頃に嗅いでた木の匂いが忘れられなくて、住宅をやろうと思ってそっちを希望したんです。
──
そうだったんですか。
富田
そのあと16~17年くらいやったのかな。ゼネコンで住宅部はあったんだけど、商社なので、取引先の社長とかいるわけですよ。その人たち用の住宅部だった。だから豪邸ばっかりやってた。
──
へぇー。
富田
でもそれを一般向けに出そうとなって、マイホームセンターみたいな展示場にブースを出すと。でも住宅の営業がいないので、お前営業やれと。で、そこの所長をやることになった時に、「一級建築士の住宅営業マンが本質的な家を売る」っていうコピーでどうだ、って(笑)。
──
(笑)
富田
相手は展示場のお客さんだから、あっちこっち回ってるんですよ。それで5社6社のハウスメーカーと一緒にプレゼンを出し合うんです。
──
ほー。
富田
そこで本質的なことを言えればいいんですけど、言い切れないんですよ。それを一番思ったのは品確法施行の、住宅性能表示の時です。あの時は「断熱してください、そうじゃないといい家じゃない」ってなって、ああ、そりゃそうだよなと思ってそうした。その後に今度は「気密性を高めてください、そうじゃないと断熱できない」ってなって、まあそうだよな、うちも同じようにしなきゃなんないなと従った。で、そこで手が止まったんです。ん? 待てよと。
──
(笑)
富田
え、これってほんとにいいのかなと。ビニールの中に人を入れていいんだろうか。国が言ってるんだから間違いないんだろうけど……と思ってたら、どっかのお客さんが大手ハウスメーカーの家で建てたけどカビで仏壇のまんじゅうが一ヶ月で青くなっちゃったって。機械で空気を回して排気してるから、回しきれないところの空気がよどむんです。
──
ああー。
富田
そんな話を聞いたりしてたら、次は国が「24時間換気をしなさい」って言い出した。いや、おかしいじゃん! って(笑)。
──
(笑)
富田
大人しく言われた通りやってたけど、やっぱ国はおかしいこと言ってるじゃんって。だから僕らはお客さんにウソを言わなきゃなんなくて、お客さんもこれどう思ってるんだろうなって。それで古民家を勉強してみたら、昔の人の考えって今の建設の法律よりも全然優れてて、そこから古民家をやるようになったんです。
──
なるほどなるほど。
インタビュー

間違った道は行ってない

富田
当時は建築が全体的に不況だったんだけど、古民家をやれば少なくともポリシーは持てるから、儲からなくても、先へは進めるかなって思ってやってるだけで。
──
そっかー。
富田
古民家だと「儲からないのになんでやるの」って聞かれた時に、答えられるんです。
──
いやー、そういうところって、こうやって喋って頂かないと分かんないですよね。どんな気持ちでやってはるんやろって。
富田
そうそう。だから、本当のことを言いたいから、この業界に入ったんですよ。モゴモゴするようなことが出てくるんだったら辞めますよ。
──
古民家やるのって、やっぱりビジネスだけではない何かが絶対にいりますよね。
富田
大げさに言うと、僕の生き様をつくる最大のツールが古民家なんです。
──
なるほどなー。僕も40になった時に、自分の仕事を振り返って、このままでもいいんですけど、果たして自分の人生の時間を削ってやるに値するものなのかという…
富田
そう。そういうこと。
──
それを考えた時に、古民家っていう、あの、古民家ってめちゃくちゃ大きなものじゃないですか。一人の人の家っていうレベルじゃなくて、どっかのメーカーの製品っていうレベルでもなくて、もうなんか、歴史とか文化とか民族とか…
富田
そうそう。
──
だから僕、これやったら一生かけて死んでも別にいいかなって思ったんです。
富田
それを消費者側からやるってのは大きいよね。
──
でも僕、富田さんと同じ思いを感じたんで、やっぱりそこやなって思います。僕は文系ですけど、なぜ古民家を選んだかっていうと、分かりやすいと思ったからなんです。まやかしがないというか。
富田
そうです。僕も、なんでこんな寒い家に住むの? って最初思ったんです。断熱とか考えてないのかな、バカだな昔の人はって。
──
ははは(笑)
富田
でもそこには理由があるんですよ。冬は寒いんだけど、今になって、冬は耐えられるけど夏は無理だっていう時代が来たじゃん。ここ10年くらいで昔の人の方法がドンピシャになった。
──
そうですよね。いやでもほんと、僕も同じこと感じてるんで、古民家業界の末席に加えて頂ればと…(笑)
富田
たぶん僕らはみんな同じこと思ってますよ。僕は大工じゃないからあれだけど、現場は現場でまた思いがあるだろうし。
──
なんか僕は施主やし、富田さんは設計で、現場には棟梁がいて、でもみんな古民家に関して言うことは一緒っていうのは面白いですよね。
富田
そうですね。古民家という方向に行ってることが、儲かんないかも知んないけど、道としては間違ってないっていう。そういう安心感があるよね。
──
そう! それあります。
富田
間違った道は行ってないよっていう。
──
歴史の先に続く道ですからね。
富田
もし誰かに否定されても、そんなのは怖くないし。そういうことですよ。
──
いやもう、共感だらけで嬉しいです。どうもありがとうございました。

おわり

施工例

WAKURASU 株式会社富田工務店

会社名株式会社富田工務店
所在地〒428-0313 静岡県榛原郡川根本町上長尾856-7
TEL0547-56-0248
WAKURASU
コンセプトリフォーム&リノベーション
〒427-0028 静岡県島田市栄町1-10 kominka shizuoka内
TEL/FAX0547-35-5000/0547-35-5002
代表取締役富田 道明
創 立昭和36年1月
資本金及び資本準備金2,000万円
事業案内 住宅事業 新築・リフォーム・古民家活用
建築土木事業 総合建設 特(25)-362
不動産事業 静岡県知事(1)第13957号
一級建築士事務所 静岡県知事(3)第6376号
資 格 一級建築士・二級建築士
一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士
一級土木施工管理技士・二級土木施工管理技士
古民家鑑定士・伝統再築士
古民家耐震診断士
宅地建物取引士
商業地域 島田市・藤枝市・焼津市・牧之原市・菊川市・掛川市・袋井市・森町・吉田町・川根本町・春野町
加入団体一般社団法人静岡県古民家再生協会
公式サイト http://tomita-home.com/wakurasu/
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