【お知らせ】作家になりました
突然ですがお知らせです。
このたびわたくし、作家になりました。
え待って何言ってるの、あんた何か変なモノ食べたんじゃないの、ちょっとぺーしなさいそれ、ぺーしなさいはやく!
と思われるかも知れませんが事実です。
第10回林芙美子文学賞を受賞いたしました。
https://www.sanspo.com/article/20240201-HJK2EQEPRNLI3LWYZ4EISI2KFY/
サンスポさん顔でかすぎ!!!
汚い顔面ですみません。
これ見た友達に「まじで捕まったんか思た」って言われました。
現時点で報道されてるのはサンスポさんと毎日さんですが、朝日さんと読売さんもそのうち報道してくれます。
簡単に言いますと、小説の新人賞を頂き、プロの作家になったということです。
ジャンルは純文学。
読者数5億人(自社調べ)をほこるこのサイトですが、そのうち純文学小説を読んでる人はたぶん7人くらいしかいないと思いますのでまずはその説明を……
え?
なんでお前が小説書いてるのかって?
いや、ずっと書いてたんですよ。若い頃から。そんで賞に出し続けてたんです。
でも文学の新人賞ってアホほど狭き門だから、26浪してたんですね。
そして今回ようやく合格に至ったというわけです。
で、純文学というジャンルの説明ですが……
え?
なんでその話を古民家のブログでやるんだって?
古民家全然関係ないやんけ、古民家の話をしろ、こっちは10日待ってたんだぞ、俺たち読者はお前の持ってる古民家の情報に興味があるのであってお前という人間には1mmも興味がないんだよ、そこんとこ勘違いすんなこのブタ野郎って?
ブヒーーーーー!!!
そんなん言われたら泣くからやめて。まじで。
今回だけ許して。
こういうのってほら、結婚しましたとか、就職決まりましたとか、そういうやつやん。
みんなで祝うやつやん。
そいつのことなんとなくフォローしてるだけであんま興味なくても「結婚しました!」て書いてる結婚式の写真流れてきたらいいね押すやん、とりあえず。
今回はなんかそんな感じでええやん、もう。
ごめんって。
ということで説明に戻りますが、マジな話、これ読んでる人で純文学小説読んでる人ってどれくらいいるんでしょうね?
ちなみに僕は交友関係が広い方だと思いますが、それでも知り合いで読んでる人、ガチで3人しかいません。
ミステリ(殺人ものとか)やサスペンス、SF、恋愛もの、実用書、ビジネス書などを読む人はいるんですが、純文学となると、国語の授業で夏目漱石とか太宰治とかむりやり読まされた人がほとんどで、それ以来ノータッチな人が99%じゃないでしょうか。
でも僕はそのニッチなジャンルに衝撃を受け、若い頃は吉本ばなな、村上龍、村上春樹、宮本輝、太宰治、谷崎潤一郎、中上健次、夏目漱石、そういった巨匠の作品を読み漁ったものです。
そんで僕もそういうのが書きたいと思って、21歳の時、はじめて小説を書いたのですよ。
それからはずっと時間を見つけては書き続け、書き続け、書き続け、受賞。
という流れです。
物語の舞台は地方の小さな工務店です。
設計士の若い女の子が主人公です。
なのでこのブログをご覧の皆さまも楽しめる……かどうかは分かりません。
なぜなら純文学小説というのは基本的に「面白い」ものではないからです。
は?
と思いますよね。
ハァン???
と。
分かります。意味不明ですよね。
なんで金払って時間使って、面白くない本を読まないといけないのか。
でも僕はこの場を借りて言いたい。
世の中の「面白さ」の種類は一つではないのだと。
いろんな感動があり、いろんな興奮があり、いろんな感情があるのだと。
敵に追われて爆薬ドカーン!!な面白さもある。
生き別れの兄弟とロンドンで再会した時、既に弟は病に蝕まれていた的な面白さもある。
ひょんなことから憧れの先輩と同棲することになり……? 的な面白さもある。
そんな中で、
あらすじも無いような、何が言いたいのかフワフワしてるような、読み終えてスカッとしない純文学というものの面白さもまた、あるのです。
古民家好きの皆さんなら分かるでしょう。
家は一種類だけじゃなくて、いろんな家があって、いろんなメリットデメリットがあり、いろんな良さがあるのだということを。
つまりそういうことです。
何が言いたいかというと、僕の受賞をきっかけに、純文学作品を読んでみようかなって思ってくれる人が増えてくれるといいなということです。
今、素晴らしい作家たちがどんどんデビューしています。
純文学のメジャーな新人賞というのがいくつかあって、それが毎年開催されて、毎年数人の新人が登場します。
特に2023年度は豊作だったと思います。
この世界を全然知らないのはマジでもったいない。
僕が最近読んだ中のおすすめは、永井みみ『ミシンと金魚』、西村亨『自分以外全員他人』、川上未映子『黄色い家』、大田ステファニー歓人『みどりいせき』、市川沙央『ハンチバック』など。
川上さん以外の人が新人です。
おすすめっていうかめちゃくちゃおすすめです。
特に後者2作は純文学に触れてない人にとっては脳天を殴られるくらいの衝撃があると思います。
ぜひ読んでみてください。
そして僕の作品も、もし良ければ読んでみてください。
小説トリッパー2024年春号(3/18発売)に全文掲載されています。
そこには僕の受賞の言葉と、選考委員の選評が載っています。
選考委員の方々は角田光代さん、井上荒野さん、川上未映子さんというウルトラ大物御三方なので選評だけでも価値がありますし、他の方の連載や書き下ろし作品など、いろんな小説が載ってます。
ぜひトリッパーを買って、その世界に触れてみてください。
僕の作品は、感動するかは分かんないですが、工務店の話なので、とっつきやすいかなと思います。ボリュームも普通の本の半分以下なので気軽に読んで頂けると思います。
話はダークですけどね。笑いの要素ないです。完全に僕のダークサイドです。
このブログのノリを期待して読むとドン引きします。そこだけ注意です。
はい、ということでほんとに古民家全然関係ないお知らせで一話費やしてしまいました。
すんませんした。
でも僕的にはこれでようやく世間に顔向けができるというか、胸を張れるというか、誇らしい気持ちです。
だって今まで自分の肩書き聞かれてなんて答えたらいいか分かんなかったですからね。
デザイナーつっても片手落ちだし、クロニカもまずクロニカの概念から説明する必要があるしで、子供に「お父ちゃんってなんのしごとしてるの?」て聞かれても「いやまあ……家のこととか……」みたいに明らかに何か後ろ暗いことやってる人みたいになってましたからね。
でもこれからは「作家」にジョブチェンジします!!
でも実際僕は1mmも変化ないし、クロニカも何の変化もないので、その辺はご安心ください。
「大原っていうわけのわからんやつが書いてるブログ」から「作家・大原鉄平が連載している古民家ブログ」に変わるということです。
って、書いてみたらめちゃめちゃ聞こえ良すぎて笑えますね。
てことで、ご報告でした。
次回から通常営業に戻ります。
あ、古民家のこと全然つぶやいてない僕の作家Twitterアカウントはこちら。
こっちもよろぴくです。