「切れる」家
今回は「切れる」家についてご紹介していきたいと思います。
切れる家といっても「テメェ!敷居踏んでんじゃねえよこの野郎!敷居は踏まずにまたぐって親に教えてもらってねえのかこの中年タヌキ!!」などと住人にキレる家のことではありません。
物理的に切ることができる家、の話である。
というか久々にDIY回なんですけどね。
もうおじさん歳取っちゃって、重い物をちょっと運んだだけでその日のすべてのエネルギーが失われて横になってTwitter見るような体になっちゃったんですよ。
なのでほんと最近DIYやってなくて。
今回もめちゃくちゃしょうもない、時間にすれば20秒で終わったDIYです。
が、
その20秒があるかないかで全然違うんだよって話。
【きっかけ】
毎日毎日子供の本が床に散乱しててほんとにもうBLEACHとかワンピとかカバーめくれてるし帯折れてるし16巻だけ見つからんしほんとにもう無理
【思いついたこと】
そういえば納戸にでっかい棚があっタナ?(古民家ギャグ)
【調べたこと】
ここに入るのではないか?

という流れで、納戸に入れっぱなしになっているでっかい木製の棚を本棚にして、居間のこの場所に置こうと思い立ったのでした。
居間にでっかい本棚があれば子供の本が散らかることも無くなるだろうと。

これが納戸に放り込まれてたでっかい棚です。
古民家の恐ろしいところは、これくらいでかい家具でも使われないまま放置されてしまうという事実。
写真じゃ分かりにくいですが、高さは僕の身長より高いし、横幅も850mmあるんですよ。
なので実際さっきのスペースに入るのか採寸して確認。
ぱっと見た限りでは、けっこうジャストフィットしそうではあるが…

よっしギリOK!
天才!
この銀色のパイプはコンセントの配線カバーなんですが、ここに当たってしまうと棚と壁の間にスペースができてしまって、そこに子供たちの絶対提出しないといけないプリントとかお気に入りの定規とか脱ぎっぱなしになってた靴下の片方とかが無限に吸い込まれることが分かっていたので、ぴったりと壁に押し当てる必要があったのですが、これだとバッチリ入ります。
素晴らしい。
高さは問題ないので、これでこの本棚がここに置けることが確定!ヤッター!!
などと安心して本棚を運び出す僕ではありません。
これまで古民家リノベで散々な目に遭ってきたおかげで、こういう採寸に関してはめちゃくちゃ疑り深くなっているのです。
本当に入る?
どっかに落とし穴ない?
ていうか、そんなにうまくいくわけないよね?
と思って足元をふと見てみると…


ほらあああああああああ!!
入らんやんけええええええええええええ!!!
ほげええええええええええええ!!!!!
ということで本棚は無事に足元のコンセントプレートにぶつかることが分かりました。
その差わずか4cm!
4cmのためにここに本棚が置けないッ!!
いや、あるのよ、こういうのはありがちなんですよ。しかしそれでも悔しい。
どうにかならないか。
こっちのコンセントの配線は動かせない。
であれば、反対側はどうなってるのか。

反対側の一番でっぱってるところが、このレコードを置いてるでっぱりの部分。
ここがぶつかって、敷居ぴったりに収まらないので、採寸はこのでっぱりから測ったんですが、
あれ?
ちょっと待って?

これ、切ったらよくない?

ここで切ったらよくない?

ここにノコギリ入れてこんな感じに切ったらよくない?

切った。
ノコギリがサビサビでお恥ずかしい。
まあここは元々自分で付け足した部分だったので普通にサクッと切ってみたんですが、べつに元からの構造材だったとしても棚の分をちょっと切るくらいは大丈夫。
木やからね。自分で切れるんですよ。
冒頭で20秒と言ったのはこの作業です。
その結果どうなったかというと……

ミラクル!

フィットで!

大勝利ィィィ!!!
いやー久々に大勝利でしたわ。
完璧。
は? そんだけ?
と思った皆さん、よく考えてみてください。
その家に切れるところってあります?
マンションはもちろん、普通の一戸建てでも、その室内に、おもむろにノコギリ取り出して切れるところって、なくないですか?
たった4cm。
たった4cmって、昔は「たった4cm」だったんですよね。そんくらい切ったらええやんって。
だから僕らが「たった4cm」って感じるこの感覚はきっと正しいんですよ。
でも現代の住宅においては「4cm」の差がどうにもならない。
だって触れないから。
だから「たった4cm」って僕らが感じても、その感覚がおかしくて、「いやあ、これは入らないですねー。規格が違うので買い直してください」って言われちゃう。
でも古民家に暮らしてると、ああ、やっぱり自分の感覚っておかしくないんだ、やっぱりこれって普通なんだ、って感じることが本当に多いです。
言ってること伝わりますかね。
古民家暮らしは「切ることができる家」というのも大きな特長ですが、もっと言うと、たった4cmなんだから切ればいいじゃん、という感覚のまま暮らしてゆけることが何より素晴らしいと思っています。
ということで今回はプチDIY回でした。
これでBLEACH16巻も見つかるはず…!
ではまた次回!