自分の意思を尊重するということ
全国の「お前の話なんか興味ねんだよさっさと古民家リノベにまつわるおトクな情報を出せよオラァ」派の皆さん、申し訳ありません。
今回はおトクな話ではありません。
トクするかソンするか分からない、僕の考え方の話です。
これはそのうちちゃんと記事にしますが、直近の建築基準法の改正によって、古民家リノベにまた一つ制約が生まれてしまいました。
二階建ての古民家、平屋でも200㎡を越える古民家などは、屋根を葺き替える、階段の位置を変えるなどの大規模なリノベを行う際に「建築確認申請」が必要になったのです。
それはつまり、きっちり直せってことであり、現行の耐震基準を満たせってことであり、基礎を作れってことであり、ようするに、今まで以上にお金がかかるようになってしまったということです。
たとえば僕の家は平屋で200㎡をギリ越えてないので問題ないんですが、今後はそういうタイプの古民家を選ぶとそれまで通りで、二階建てを選ぶと高くなる、ということが起きるのでこれまでよりも選択肢が狭まってしまいます。
ようするに我々古民家ラバーにとっては逆風が吹いているということです。
世知辛いです。
今日もXで、京都の町屋が壊される理由は、登録有形文化財に指定されると勝手に壊せなくて相続税で死ぬから、指定される前に壊してマンション建てるのが一般的になってる、という記事を見かけて脱力しましたが、ほんとにこの国の住宅政策、景観政策は世界的に見ても終わってるなと思います。
が、
まあこんなことで愚痴っててもしょうがないので、何か前向きな話をしますと、
僕が古民家に住もうとした10年前も、思えば逆風だったわけです。
それは国策として逆風だったわけではなく、状況的に逆風だった、つまり、なんの情報もなくて、誰もそこに価値を見出してなくて、相談する人相談する人全員に「止めた方がいい」と反対され、物件も見つからず、工務店にも逃げられ、探し方も分からず、ローン申請も落ち、という個人的逆風だったわけですが、それでも自分はその逆風を乗り越えて今の素晴らしい生活を手にしたんだよな……
とふと考えていたら、じゃあ、その原動力になるものって何だったんだろう、と思いついて、こんな記事をしたためた次第です。
結論から言うと、それは自分の意思の尊重だったのではないかと思います。
なんじゃそれ、と思われるかもしれませんが、ようするに「自分の気持ちを大切にできた」ということなんですね。
そんなの当然ですよ、私は毎日自分の気持ちを大切にしてますよ、と思われるかもしれませんが、それは平常時ですよね。
自分の気持ちを大切にできるかどうかを一番問われるのは緊急時なのです。
たとえば、上司二人と取引先の社長と四人でランチを食べに行った時に、
社長「この店はうどんが美味いんだよ~、大将が元々四国の人でさ、手打ちでやってて、他と全然違うんだよね。俺いつも天ぷらうどん頼むのよ」
上司1「そうなんですね、じゃあ私も天ぷらうどんで!」
上司2「美味しそうですよね。私も同じもので!」
という空気の中、
「ぼくカツカレーで」
って言えるのかって話なんだよ!
え? お前はどうなんだって?
ぼくはもちろん「カツカレーで」って言いますよ。その瞬間に上司二人の笑顔が固まっても「何が?」みたいな顔してカツカレー平気で食いますね。
そこだけはZ世代感ありますね。
なぜそれができるのかというと、僕は自分の気持ちにいつも耳を傾け、それを一番大切にして生きてきたからです。
そしてなぜそれを大切にするのかというと、おおむね下記二点の考えによる。
1.人生は一度きり
2.人間は言うてる間に死ぬ
ようするに他者の考えを優先してる時間が無いのですよ。
意志の強さとか、自信があるとか無いとかそういう話じゃなくて、単純に、物理的に時間が無いと思っているんです。
だからいつでも自分が最優先です。
僕だって250歳まで生きて家も5回くらい建てれるんだったら人の意見も聞けますよ。「古民家なんかやめた方がいいよ」って言われたら1回くらいは「そうか、じゃあ止めてみようかな」って思えるし、そんなに天ぷらうどんが美味いんならカツカレーは今度食べればいいかと思えるし、古民家リノベにいろんなハードルが立ちはだかるなら「じゃあ今は止めとこ、100年後にもっかいチャレンジしよう」って思えますけどね、そうじゃないじゃないですか。
僕は今年50歳になりますけど50歳以上の方々はご存じの通り、30歳→50歳なんか体感で10年くらいですよね。
40歳→50歳なんか体感4年ですよね。
だからあっという間に死ぬんですよ人間は。
そういう死生観なんで、人の言うことを聞いて諦めるとか、難しいから諦めるとか、そういう選択肢は僕にはありません。
だってすぐ死ぬもん。どうせ。
失敗しようが成功しようが死ぬんですよすぐに。体感あと10年くらいで。
だから迷ったり恐れたりする時間は無い、ぜんぜん無いのだ。
何の話かというと、古民家リノベに挑むのならそれくらいの感じでいこうぜ、ということです。
自分の意思を尊重すると、行動に「勢い」と「継続性」が生まれます。
これは生存バイアスかもしれないので断言はできませんが、物事を成し遂げるには、少なくともその2つは必須だと思います。
古民家だけじゃなく、たとえば僕は小説の新人賞をいただくまで26年かかりました。26浪です。でも僕は自分の小説を世に出したいと強く思い続けてきた、その意思を最大限に尊重してきたので、そんなのは夢物語だとか、もういいかげん諦めた方がいいよとか、その歳で何にもなってないんだからお前には才能が無いんだよとか、日々降りかかるそういう無数の言葉をすべて無視して、結果につなげました。
だから自分の気持ちを大切にして、信じて、真っ直ぐに突き進めば、やがてどうにかして素晴らしい暮らしを手に入れることができるんだと、これは事実がそうですよということではなく、エールのつもりで皆さんにお伝えしておきたいなと、思った次第であります。
意思の力は、行動を生みます。
古民家リノベについてまわる法律の問題やお金の問題。それをクリアするのは、勢いと継続性を併せ持った、自分の行動力です。
これは僕は誰にでもあるんじゃないかと思います。
ただ、自分の気持ちを尊重さえすれば、誰でも自分の中に生み出せるエネルギーなんじゃないか。
世の流れは逆風ですが、その風の中を突っ切って、皆さんが古民家暮らしを手に入れることができるよう、僕はいつでも応援しております。



