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明治村には古民家リノベのヒントがめちゃくちゃある

皆さん!
明治村知ってますか明治村!
明治村といえば!
そう! 2017年に東日本で生産終了した例の国民的スナック菓子ですよね!
西日本在住の僕はこれに関してはもうほんと東日本の皆さんにどういう励ましの声をかけてあげればいいのか…
え?
それは明治村ではなく株式会社明治が販売しているカールのおらが村だって?
失礼失礼。
では気を取り直して皆さん!
明治村知ってますか!
明治村とは愛知県犬山市にあるアホみたいに広大な敷地に日本中の文化財を和洋問わず移築しまくった意味分からん超弩級最終決戦用野外博物館のことだよ!!!
とか言うとみんなまた僕が盛りまくって誇張してると思ってるでしょ?
ノンノン。
実際行ったことある人なら知ってると思うけど、冗談じゃなく広すぎて建物多すぎて一日で回れないからね。まじで。
僕行くのこれで3回目なんだけどまあ今回3回目だし気合い入れれば一日で回れるやろと思って朝の9:30から開園と同時に入ったら普通に時間切れになった(3回目)からね。
とにかくそれくらいすごい施設なんですよ。

で、先日数年ぶりに3回目行ってきましたので、今回はそのレポートをしたいと思います。
明治村に移築されてるのは、基本的に明治時代の建築物。
明治村は、それらの貴重な建物がどんどん解体されていくことを惜しんだ初代館長と名古屋鉄道会長が、どうにかそれらを移築・保存できないかということで昭和40年に創設されたそうです。
建物の種類としては和洋を問わない登録有形文化財、重要文化財。ジャンルも様々で、教会、法廷、別荘、酒造、写真館、刑務所、銀行、銭湯などなど。
特にえげつないのはフランク・L・ライトが設計した帝国ホテルの中央玄関部分。
とか書くと、いや……あたし……古民家のこと知りたいんですけど…… って思うじゃないですか。
分かりますよ。
刑務所とか知らんがなって思いますよね。
甘い!!
その考えはおせちの中に入ってる黒い豆みたいなやつより甘い!!
いいですか、僕らは古民家をリノベーションしようとしてるじゃないですか。
古民家って大体100年前とか150年前とかそんなんじゃないですか。
その時代のことって全然分からんから、とりあえず直すにしてもまあ、日本の家のルール? みたいなものに則って直せばいいかな、って思うじゃないですか。
部屋の壁は漆喰で~、外壁は板を張って~、床の間は時代劇に出てくるみたいな感じにすればいいんよね? って。
ようするに、自分の頭の中にある「江戸時代の家」みたいなイメージをデザインソースにしますよね。
でもね、実はそれってかなり間違ってるというか、すごく狭い世界なんですよ。
僕が明治村に通う理由はたった一つ。
もっと自由になりたいからだ!!
明治村で見る建築物はどれもこれもほんと自由。和洋折衷の家が多いんですが、西洋のものと、和のものを、えっ、こんな感じで合わせちゃっていいの?? というような驚きがたくさんあります。
振り返って自分の家のプランを見ると、自分で勝手に思い込んでる歴史とか、デザインのルールとかで、あー、だいぶガチガチになっとるな、と思うんですよね。
本来、家はもっと自由につくっていいのだ。
僕はそのことを確認するために、明治村に通っているのです。

前置きが長くなりました。
今回こそはサクッと1回で終わらせようと思ってましたがここまで書いた時点で既に絶望的な気持ちになってます。
まあいい。
取りあえず写真見て。

金沢監獄中央看守所

いきなりですけど、なんか見覚えのあるような、それでいて何か変わった感じがしませんか?
んん?
という違和感の正体ですが、まずは窓ですね。
これ、全部洋風の格子窓なんです。
そしてこの板張り!
縦張りと橫張りが混ざっちゃってる。
なんたる自由!
ていうかそんなことしていいんだ!
実際ぜんぜんいけてるし!
すごーい!
と一発目から僕は感動したわけですが、これがなんと、刑務所なんですね-。
この写真は「金沢監獄中央看守所」でございます。
ほら、窓に赤い鉄格子入ってるでしょ。そういうことです。

金沢監獄中央看守所

もちろん内部にも入れます。
内部どころかさらに独房の中にまで入れるんです。
アニメ・マンガ好きの皆さん、この風景、どこかで見覚えありませんか。
そうです。
ゴールデンカムイのあれですよ皆さん!
実際ここにある看守室は網走刑務所のものだそうで、例の八角形のアレもあるし、独房に入ってのっぺらぼうゴッコもできるんですよ!
ということで金カムファンはテンション爆上がり間違いなし。

宮津裁判所法廷

お次は金沢監獄の隣にある建物、「宮津裁判所法廷」。
すごくないですかこれ。
裁判所法廷っていうのが西洋からもたらされた文化だからなのか分かりませんが、純和風の家に、西洋のドアと窓。
特にドアなんか思いっきり普通についちゃってますが、意外と馴染むんですよねぇ。
こんなもん雨で反りまくるのでは? と思うんですが、そこはでっかい軒桁を入れて軒をめっちゃ出すことによって雨がかからないようにしている。
なるほど~~~~。
この建物も中に入れて、中では当時の裁判の様子が人形によって再現されてるんですが、人形の服装がまたなぜか中国の役人風で、文化が入り乱れてて面白い。
明治時代ってほんと国際色が豊かというか、文化と文化の出会い頭だったんだなあって思います。

という感じで、その辺のイチャイチャカップルが入口から入ってすぐのこの二棟の写真を撮りまくって、インスタに自撮り投稿して、顔の角度がイマイチだから撮り直したりして、キャッキャしてるうちに30分は過ぎるわけです。
しかし彼らはまだ知らない…
こういう建物が100万㎡の敷地の中にあと60棟以上もあるということを…

ああ…
こんなペースで全部紹介できるのか…
キャッキャした後で初めてパンフのMAPを見たカップルと同じくらい絶望的な気持ちで…続きます…

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