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古民家リノベーション体験談104 土間玄関づくり・ポーチ編2

【前回までのあらすじ】僕の左脳ちゃんはたまに起きてすごく良い仕事をしてまた寝る

左脳ちゃんが呟いた「玄関入口に使うつもりやった石をこっちに使ったらええんちゃうん」説。
そう。
実は玄関戸の足元にも大谷石を敷こうとして、その分も一緒に発注していたのですが…
そんなことができるのか?
もちろん普通はできません。
だってそんなことしたら今度は玄関分が足りなくなるからね。
でもできました。
なぜなら。
玄関に敷く分の大谷石は、それこそ完全に右脳で面積やデザインをあんまりちゃんと考えないまま適当に発注したからどうにでもなるんだよ!!
ビバ右脳!!
てことでステップに使う予定だった石で側面を覆い、玄関に使う予定だった石でステップをつくって、ポーチ完成。

ビフォー
ビフォー
アフター
アフター

どうですかこれ。
東南アジアの川沿いのスラムみたいな家が、コンクリ打って大谷石敷くだけで、なんか都内のシュッとしたカフェのオープンテラスみたいになったじゃないですか。
いやー見違えますね。
家なんか簡単に見違えるよね。
人間の脳ってそんなもんですよ。
みんなリノベーションしようぜ。

大谷石のポーチ

別角度から。
いやー美しい。美しいよ平面。
なんでここまで見違えるのかというと、平面だからなんですね。
これまで土とか割れたコンクリとかでごつごつしていた床が、ピッシーときれいになるだけで、何かまったく別のもののように感じるから不思議です。
それは部屋の中でも同じ。
床がグニャグニャになって、畳もフカフカしてて、ボロボロに見えていたはずの床をピッシーと張り替えるだけで床だけじゃなく壁も天井も、その空間全体が甦ったように感じます。
これもたぶん本能ですね。
人間の本能がきっと「フラットな床」を渇望しているんだと思いますよ。
ちなみにこの壁に使ったのは古い大谷石で、床に使ったのは新しい大谷石です。
新しい大谷石はこのように青みを帯びていて、これはこれで好きなんですが、2年くらい経つと普通の色になります。
これが大理石とか、その辺のツルツルした石だとやっぱりちょっと「高級感」みたいな方にシフトしちゃうんで、やっぱり大谷石使ってよかったなーと思ってます。
みんな大谷石買おうぜ。

とか軽く言ってみましたけど実際大谷石買うとお金がエグかったです。
あのね皆さん知ってますか? 石ってすんごい高いんですよ。
建築雑誌のモダンなリビングとか、高級タワマンのリビングとか、高級感を演出してる部屋ってなんか床とか壁とかやたら石使ってると思いません? あれね、石が高価だからなんですよ。高いから、どうだうちは高いやつ使ってんぜ~オラ~すげえだろ~金持ってんだぜぇ~っていう意味なんですよ。
しかもね、大谷石なんかその辺に転がってるもんじゃなくて、大谷石の産地である栃木県からユニック車チャーターして取り寄せたりしたもんだから金額的にはもう終わってます。
僕はそんな終わってる金額と引き換えに、このビジュアルを手に入れたのです。
だって、どうしてもやりたかったんですよ。
ずっと憧れてたんですよ。
今しないときっと一生できない、 だからどうしてもやりたい、なぜならやりたいからだ、そう、絶対にだ、と思った僕の右脳は「やめて! あなたの借入残高はもう限界よ!」と叫ぶ僕の左脳ちゃんをグーで殴り、鎖でぐるぐる巻きにして風呂に沈めたのでした。
めでたしめでたし。

土間のコンクリ
大谷石のポーチ

前に説明しましたように、こんな感じでポーチと土間の半分が同じコンクリートで一体化されました。
ポーチの部分には大谷石を張り、土間の半分には足場板を張るという仕様です。
そんで、その間はレベル差(段差)を無くして土足で行き交うというのが僕のイメージでした。
この下の写真では土間部分が一段下がってますが、その下がった分に板を張っていくわけです。
この段差もどれくらいつけるのか、サッシのレールの形状をどうするのか、そのレールはどこにどういう高さで設定するのかなどなど、そういうことをコンクリ打つ前にきっちり想像して計算しておかないといけませんでした。
誰のアドバイスも望めない中、欲望しかない右脳と、風呂の底で白目むいてる左脳で、我ながらよくやったわと思います。

大谷石の壁

こちらは現在の姿。
いいねぇ。壁。
壁いいよねぇ。
ということで今回のオチなんですが、皆さん、この壁、なんか違和感ありません?

大谷石の壁

この左上だけ一段低いんですが、よくお客さんに
「あの石壁のレイアウト、いいですよね」
「角を欠けさせることで圧迫感が薄れますよね」
「オシャレですね」
って言って頂けるんですが、今、僕はここに真実を記そう。
予定よりも1段低くなるのが嫌で、余った石を慌てて上に積んでみたら、
普通に1個足りんかったんやと…

以上ポーチ編、完。
次回はやっと土間の中に入っていきます。

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