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古民家リノベの日当たりをどう考えるか

古民家をリノベーションする時に間取りをいろいろ考えると思うんですが、今回はその際にわりと重要になってくる「日当たり」について考えていきたいと思います。
日当たりを考えるには当然ながら建物に光が入ってこないとだめなんですが、魔改造された古民家は採光がとれてないことも多いので、そもそも日当たりがないんですけど…という方はこちらの過去記事をごらんください。

さて日当たりです。
上の記事で書いてる通り、日当たりというのは古民家の外周にしか発生しません。そりゃそうだ。
田の字型の古民家ならまあどの部屋も外周に接してるので普通に採光はとれてると思うんですが、でっかい古民家になるとまったく光が入らない部屋があったり、ほとんど光が届かないエリアが生まれていると思います。
で、
古民家は「リビング」とか「子供部屋」とかみたいに目的で部屋を区切る文化がなく、単に広さだけで区別するので、正直どの部屋もリビングになるし、どの部屋でもキッチンになるんですね。
なので普通の中古住宅のリフォームやリノベーションと一番違うところはそこ。
自由度高すぎ。
これは最高であると同時に、非常に悩ましき問題であるとも言えよう。
だってさ、リビングとかキッチンとか子供部屋とかトイレとか風呂とか、どれかが日当たりがよくて、どれかが暗い、というのを自分で選ばなきゃいけないんですよ。
それはつらい!
憧れのキッチンとかお風呂とかどれかが暗くなってしまうのを自ら選ぶつらさ。
それは例えるなら川にばらばらに流された5匹の子猫を(以下自粛)

ということで、そんな悩める皆様のために、僕の体験をお伝えしようと思います。
結論から言いますね。
どの部屋を選んでもいっしょ。
です。
説明しよう。
たとえば住宅パンフレットやインスタに載ってる光りあふれるリビングで楽しそうに暮らす顔立ちの整った若いパパと顔立ちの整った若いママと顔立ちの整ったかわいい子供のイメージ写真があるじゃないですか。
なんかああいうの見たらリビングには光があふれて当たり前で、光があふれないと家族が楽しく暮らせないし顔立ちも整わない、みたいに思っちゃうじゃないですか。
でもそんなことはないのよ。
顔立ちは知らんけどべつにリビングに直射がなくても普通に暮らせるし、リビングに日当たりがないかわりに風呂やトイレの日当たりが最高だったら、それはそれでとってもステキなんですよね。
嘘つけって思うでしょ。
でも僕の家、ばかでかい庭付きの古民家を買って、庭に離れを建てたおかげで、トイレとお風呂の日当たりが最高で、めっちゃステキなんですよ。
かわりにキッチンが北側になっちゃったけどまあそこは風呂とトイレの気持ちよさで差し引きでゼロ。
ていうかキッチンは常に戦場なのでぽかぽかのんびりどころか殺るか殺られるかの世界です。
料理時間が1時間とすれば日当たりが良くって窓から見える庭の緑がステキ~♡みたいに感じてる時間はだいたい45秒くらいですね。
残り59分15秒は火加減の調節、食材の段取り、そして大さじと小さじを間違えるという初歩的なミスのリカバー、さらに横着してエプロンをつけなかったばかりにお気に入りのシャツに飛んだ油のしみ抜きや床にぶちまけた小麦粉の掃除やその間に吹きこぼれる鍋との戦いなどで占められるので、正直日当たりとか庭の緑とか気にする余裕はないですね。

などと自分に言い聞かせてますがその代わりに手に入れたのが明るいお風呂とトイレだ!
正直あんまり朝風呂に入るということは無いですが、たまに朝に風呂入る時のゴージャス感といったらそれはもうプライスレス。
皆さん自然光が射し込むお風呂に入ったことありますか?
僕はブログで何度も言ってますが自然光で入る風呂は完全に温泉付きホテルで入る朝風呂のそれです。そんなラグジュアリー体験をいつでもたっぷり楽しめるのです。
これを書いてる現在は既に築7年が経過してますが、いまだに朝風呂に入るたび感動してますからね。

ハーフユニット

トイレだって自然光で用を足すとまるで大自然の中で……じゃなくて、掃除がすっごいしやすいし、それになんか清潔な感じするんですよね。
あと日当たりがいいとカビも生えにくいし、植物だって置けるし、水回りにつきものの「ジメジメ」感がゼロなんですよ!
じゃあその代わりに子供部屋やリビングが北向きになってもいいのかよ? とお思いでしょうが実際僕は南向きのリビングと北向きのリビング(仏間)がありますがどっちが良くてどっちが悪いってこともないですね。
季節によっても感じ方が違うし。
キャッチコピーで「日の当たるリビングでのんびり」とか言ってますけど日が当たるってことは真夏はクッソ暑いんですよ。当たり前ですけど。だからうちも真夏は北側のひんやりした仏間が好きです。逆に真冬になると北側の仏間が生物の存在できない死の世界になるので、南側に逃げてきます。

このようにね、日当たりなんか実はそんな神経質にならなくても、全体でみるとプラマイゼロになるんじゃないかなって思いますよ。
南側に物入れとかは意味ないと思いますけど、リビング、キッチン、子供部屋、風呂、トイレ、この辺はまあどこに置いてもそれぞれの良さがあるんじゃないかと思います。

以上、今回は古民家リノベ時における日当たりの話でした。

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