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古民家リノベーション体験談7 続・光をください

【前回までのあらすじ】谷崎潤一郎自邸「倚松庵」こそが至高

でっかい家は暗くなる。なぜなら外周にしか窓が作れないから。
ということが分かり、じゃあどうしようかと考えました。
それで前回のグロ資料をじっと見てみると、やっぱり、増築部分がダメなんですよ。
元々の形を想像したら、採光条件はそれほど悪くない。

採光資料

はい。ここ。赤丸部分です。
増改築でドッキングしたとこ。
これを取っ払うとかなり変わるはず。
よ~しパパ取っ払っちゃうゾ♪

~そして二年の月日が流れた~

採光改善

光が!!
光がァァ!!
とか書くと逆に目をやられたみたいですが、違います。
時間はかかりましたが、古民家、とても明るくなりましたとさ。
ていうかこれが元々の明るさなんですって。
あー良かった。

しかも明るくなった上で、納戸とか、北向きの座敷の違い棚とかに幽玄的な暗さが残っていて、美しいんです。
天井の高さが低めで、軒が出ていて、壁がなくて、建具も170cm前後のものが多い古民家では、光は直射光ではなく反射光になります。
しかも天井が暗い色をしているため、現代の家のように光が上下左右に跳ね返って回ることがなく、一度入ってきた反射光はそこに留まります。
すると、影の種類が変わってくるんですね。
天井も壁も真っ白なビニールクロスの家は、光が跳ねるので全体が明るくなります。
お手元のモデルハウスのチラシを見てみてください。ほとんど影がないでしょう。
でも古民家は、リビングに、食卓に、印象的な影が生まれます。
それを「暗い」と評する人もいるでしょうが、それこそが谷崎の言うところの「陰影の美」なのです。
いや、まじで。
参考資料として、うちの北側の二間の写真をごらんください。

陰影礼賛

いかがでしょうかこの陰影礼賛感。
この部屋だけじゃなくて、ほんとにどの部屋も、時間や季節によって様々な陰影を見せてくれます。
腰窓ではなく掃き出し窓だらけなので、自然光の影響をものすごく受けるんです。
これも古民家の大きな魅力の一つじゃないでしょうか。

光が強ければ、影もまた濃くなる…
古代ギリシャの哲学者っぽいことをつぶやきつつ、採光問題、これでひとまず終わりです。

 

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