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古民家リノベーション体験談8 カビ臭との戦い その1

古民家の床

【前回までのあらすじ】「暗い」と「でかい」は解決した

前回までは採光問題をどうやって解決したかをダイジェストでお送りしましたが、安心するにはまだ早い。
まだ問題が残っています。
すなわち「臭い」「寒い」の二大問題です。

僕たちが古民家を譲り受け、引っ越した直後、母屋はふんわりとカビの臭いがしていて、なんとなく生活しづらい雰囲気でした。
売主さんたちは普通に住んでいたわけですが、それはたぶん慣れてらっしゃったんでしょうね。いわゆる「家の臭い」ってやつですね。
でも僕には厳しかったので、取りあえず母屋ではなく離れに住んで、住みながらこの臭いをどうにかしようと考えました。

で、取りあえず掃除してみよう、畳を捨てようと思って畳に手をかけた時に、あることに気付きました。
ん?
これ…
畳じゃなくて畳風マットじゃない?
当時、畳と畳風マットの見分けすらついてなかった僕はその事実に焦りました。
え、どういうこと?
古民家ってふつう畳じゃないの?
と思って畳風マットをぺりぺり剥がしてみると、その下から出てきたものは、はるか昔に畳風マットによって封印された、元々の畳だったのです…

うおお…

ペリペリ剥がしていくにつれ、何か周囲の空気がよどんできたように思います。
何これ…
そして数分後、畳風マットを完全に剥がし終えた僕は本能的に感じました。
これあかんやつや。
僕の目の前に現れたのは、床板と畳風マットに数十年間サンドイッチにされ続けた、一面のどす黒い板状の有機物でした。
臭いの元はこいつだったのか!!
取りあえず手前の一枚を片手で持ち上げてみます。うっ。上がらん。何これ重すぎ。
両手で持ち上げてみます。うっ、し、湿ってる…
しめっ、
たっ、

助けてドラえもん!!!

とか叫んでもしょうがないので、僕はそれから軽トラを借りて古畳をすべて捨てました。
がしかし。
「湿った古畳」がラスボスではなくただの中ボスであることを、その時の僕は知らなかったのです。

つづきます

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