続・明治村には古民家リノベのヒントがめちゃくちゃある
ガオー!!
明治村といえば1915年に起きた有名なエゾヒグマによる史上最悪の熊害事件ですよね!!
ヒグマの習性としては執着心が強く獲物を奪われると取り返す、背中を見せると襲いかかる、火を恐れない、といった特徴があり、万が一襲われた時にそれを知っているかどうかで命運が…
え?
それは明治村じゃなく惨劇の舞台となった北海道苫前郡苫前村でしかも1915年はもう大正だから明治時代ですらないって?
失礼いたしました。
昨日仕事さぼってネットサーフィンして最終的に行き着いたのが日本の熊害事件史でした。
クマ超こわい!!
さて気を取り直して明治村。
本当にいつも冒頭の数行のせいで一体何人の初見の方々にブラウザを閉じられているのかと思うと胸が熱くなりますが、これは愛知が誇る巨大テーマパーク、博物館「明治村」のレポート記事です。
前回は「刑務所」と「裁判所」という我々ゆったり古民家スローライフ勢の人間からは一番関係のない建物をご紹介してしまいましたが、今回は大丈夫です。
ちょっと量が多いので飛ばして紹介していきますね。
まずはこちら!「本郷喜之床」という東京都文京区にあった理髪店です。
この写真一枚だけで情報量えぐない?
なんなんこれ。かわいすぎん?
壁が真壁で、腰板が張ってて、なのに天井がペンキ仕上げで洋風だと?
しかもこのミラーのぶっとい枠とか、ぶっといアールとかはもう中世ヨーロッパみたいですよね。
そしてこの独創すぎる椅子!
ちなみにこの理髪店の二階に石川啄木が住んでいたという逸話のオプション付き。
啄木はここに住んでいる時に『一握の砂』を出版し、その3年後、結核性の病で27歳の生涯を閉じたのです。
…
……
おれ27歳の頃何してたっけ……たしかファイナルファンタジーXの裏ボスを倒すためにひたすらレベル上げしてたな……
という追憶と共に、次の建物へ。
歩兵第六聯隊兵舎。
前回の投稿にも出てきましたがこれもまさにゴールデンカムイの世界!!
今にも鶴見中尉が、鯉登少将が、軍靴を鳴らして歩いてきそうな雰囲気たっぷり。
歩兵の装備も見られるしテンション爆上がり間違いなし。
で、
いや…あたしマンガとか読まないんで……ゴメンナサイ…な方々も大丈夫。この洋館ならではのデザインは古民家再生においても充分に参考になります。
というのも、使ってる素材が同じ「木材」で、時代も一緒なので、たとえば古民家の壁や天井をこんな風にしちゃっても、わりと合うんですよね。
僕も自宅のトイレや洗面所はペンキ塗ってます。
ペンキ案外おすすめ。
お次はこちら。名古屋衛戍病院。
これやばくないですか?
なんたる開放感!
なんたる和洋折衷!
さっきも書いたけど瓦屋根とペンキの板が隣り合ってても全然違和感ないんよね。
素晴らしい文化の融合ですが、病院ですよこれ。病院でこれやる意味ある?
明治時代って建築的にほんと豊かな時代ですよね。
もいっちょ。
これはねー、お寺の渡り廊下と、ヨーロッパのバルコニー文化が、なんかドッキングしちゃったんですね。
造りは和風なのに手すりが洋風なんよね。
素敵すぎる。
僕なんか、こんなんに憧れて自宅の渡り廊下をつくったようなもんですよ。
これうちの渡り廊下なんですけど。
これ最初は名古屋衛戍病院の影響で大工さんに「壁いらん」って言ってたんですけどね。
大工さんに「壁いるっすよ」と真顔で諭されて、壁つけましたけど。
壁がなかったら似たような感じになってたんじゃないかな? と思いますね。
ここで大事なことを一つ書いておくと、明治村に行って色々目にしても「自分とは関係がない」と思わないこと! です!
渡り廊下だって、素敵! って思ったら、自分の家に造れるんですよ。
ヨーロッパのバルコニーも、お寺の渡り廊下も、べつに普通に造れます。
それをね、友達の家でそんなんしてる人見たことないからとか、モデルハウスでそんなん見たことないからとか、そんなしょうもない理由で選択肢から切り捨ててしまうのはもったいない!
逆に誰もやってないことを自分のものにするために、明治村に行くのですよ。
「すべての建物は自分に関係がある!」
皆さんもぜひそういう意識で回ってくださいね。
そう! もちろんこの建物も関係があります!
聖ザビエル天主堂。
名前の前に「聖」がついてる方、ご自身で海を割れたりする方は、ぜひこんなデザインもお家づくりに取り入れてみてくださいね!
はい次これ!
きたよこれ!
この明治村が超弩級最終決戦用博物館と言われるゆえんがこの帝国ホテル中央玄関だ!!
これ見るだけで入場料の元が取れます。
皆さんが旧財閥の末裔だったり、皇族だったりする場合は、ぜひ家づくりの参考になさってください。
あったまおかしいの。
デザインも規模もあったまおかしい。
だってこれ全体が「玄関」やからね?
ホテル本体は取り壊されて玄関部分だけの移築。それがこれ。
もう意味分かんない。
マンガとかの世界。まじで。
設計したのはかの有名なフランク・ロイド・ライト。
日本に現存する数少ないライト建築という意味でも大変希少価値の高い建物です。
ちなみにライトのこの時の設計料は「100%」(情報ソース失念)。
は?
て思うやん。僕も思ったよ。100%ってことは…え? みたいな。
そのおかげか何なのか、ライトさん途中で解任されました。
もうデザインも規模も登場人物もみんなあったまおかしい。
最高。
続きます…