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古民家に住んでますvol.10 DIYで障子を貼り替えてみた

不定期でお届けしていますクロニカの「お金がないので人にやらせることができず嫌々自分でやるDIY!」シリーズ。
今回は「障子の貼り替え」についてご紹介します。

障子の貼り替えは古民家に住む人間にとって高確率で発生するタスク。
しかしながら40代以下の方々で障子を貼り替えた経験のある方はあまりいないんじゃないでしょうか。
僕も同じです。
だから自分にできる気がしませんでした。
「昔はみんな当たり前にやってた」ってよく言いますけど、「かまどでごはん炊く」とか「薪でお風呂を沸かす」とかムリじゃん?
じゃあ「障子を貼り替える」もムリじゃん?
って思ってました。
でもやってみたらそんなことはなかったですよ。
難易度的には「片手で卵を割る」みたいな感じ。
あれって片手で卵を割ったことのない人にとってはプロの技!みたいに見えるけど実際やってみるとめっちゃ簡単じゃないですか。
なんかそんな感じでした。

破れた障子

さてこちらが我が家の障子。
古民家の母屋の方じゃなくて、まさかの新築の新しい障子です。
それがこんな姿に。
一体誰がこんなひどいことを…
怒りに震えた僕は、執念の捜査によってついに犯人と思しき人物を特定、廊下の端に追い詰めて取り押さえ、キュッと絞ってみたら、あっさり白状しました。
複数犯でした。

ということで早速youtubeで貼り方を検索。
ふむふむ、専用のカッターがいるのね。
なるほど、桟の外側にあてる専用のガイドもいるのね。
近所のホームセンターに行ってみると、たしかに専用カッターと専用ガイドとはがし液とのりが「初心者パック」みたいな感じで売られています。
なるほど、これを買えばいいのか!
などと僕が思うわけはなく、ふつうに「障子紙」と「はがし液」と「のり」だけ買ってきました。

障子はがし液

僕の人生はいつもそんなんです。
僕は人の忠告や助言をあまり聞きません。
僕が人の言うことを鵜呑みにして勧められるがままに「初心者パック」を買うような人間だったら僕は今頃普通のメーカーの家に住んでると思います。
まあそれはいいんですけど。

ではさっそくDIY!
とりあえず剥がし液を塗り塗りしてみます。
あ、これ先っぽがスポンジになってる。べんり~。ぬりぬり。

障子を破った人たち

しばらくすると、障子紙がすごい簡単に剥がれていくではないですか!
すごいな剥がし液。
ちなみにこれは犯人たちが自らの罪を労働で償っているシーンです。

塗り残し

適当にぬりぬりしたせいで、こういうところが何ヶ所も発生しました。
取れなかったところを再び適当にぬりぬりして、ちゃんと全部剥がします。
で、剥がれたらあらかじめ新しい障子紙のサイズ合わせをして、適切なサイズに切って、端をマスキングテープで留めてからくるくる巻いときます。(写真撮り忘れ)

障子紙ののり

そしてお次は障子紙用ののり。
先っぽが桟に沿って塗りやすいようになってます。
これをブチューって塗るらしいですが、形状のおかげですごい簡単そう。
やってみよ!

障子紙用のり

うむ、全然イメージ通りいかん。
ジェルの粘度が強いせいか、けっこう強く握ってても出が悪いな…もうちょっと強く握ってみジュボッフォ!! みたいな。
まあでも結果的に全然いけたのでこんなんでもいいっぽいです。

障子紙を貼る

次。いよいよ障子紙を貼っていきます。
皆さんのご想像通り、この作業が最難関。
あらかじめ端をテープで留めてあった紙をするするするっと広げて、そーっと押さえ……あっテープが取れjl94わ8うds!!
ということでご覧の通り全然違うところに桟ののりが付着してしまいました。
終わった。
すべてが終わった。
しかしやり直しがめんどくさいのでこのままいきます。

障子紙をカッターで切る
障子紙をカッターで切る

次に、障子の枠からはみ出している紙をカッターで切っていきます。
半乾きのためにカッターの刃が二枚目のように紙を引っ張って破れそうになって「あああ!!」みたいな声が5回くらい出ました。
こういう時にあれかな、専用のカッターとかガイドとかあれば便利なのかな。
知らんけど。

障子紙を濡らす

で、これが最後の工程。
おもむろに霧吹きで湿らす!!
なかなかショッキングな映像ですが、これは僕が度重なるストレスでいきなり逆上したわけではありません。なんとこれが正しい工程だそうです。
嘘やろ…って思いますよね。
正直、それが正しいと分かっていてもそんなことを本当にやっていいのかめっちゃ迷いました。
だって皆さんできますか? たとえば自分がレシピ見ながら必死で苺のショートケーキを作ったとして、レシピの最後に「仕上げに完成したケーキを水洗いしてください」て書いてたら水洗いできますか?
そんなんめっちゃ勇気いりませんか?
おれ勇気出したよ!
シュッシュしたよ!
そして翌日。

障子貼り替え完成
障子貼り替え完成

うおおお!!
まじか!!
ピッシーってなってる!!
ありがとうyoutube!! 疑ってごめんyoutube!!

ということで、見事、貼り替え完了です。
よく見ればのりがついてミスったところのシワまでなぜか消えてるではないですか!
すごいな。それだけピンと張ってるってことよね。
いやー昔の人ってすごいねー。
しかしあれですね、ほとんど何も調べないまま我流でやってみたけど、上手に貼れるもんですね。
てことは、簡単ってことよね。
昔の人はそれこそ子供たちにこういう作業を手伝わせていたのでしょう。
じいちゃんばあちゃんからすれば当たり前にできることを僕らは「DIY」とか呼んでますけど、できれば「DIY」という概念がなくなるほどみんなが家のことを当たり前にできるようになれば、僕らの住環境はもっと良くなっていく気がします。

今回思いっきり手伝わせたうちの子供たちも、やっぱり自分の手を動かして苦労することで、ものを大事する、家を大事にする気持ちというのが育まれていくんじゃないでしょうか。
せっかく古民家に住んでるんだから、僕はそういう子育てをしていきたいと考えていますよ。

ということで、最後に皆さんお待ちかねのオチ。
もう既に予測がついている方もいらっしゃると思いますが。

破れた障子紙

3日後やでこれ。

まさにホームラン級のバカ。
おわり。

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