古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

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今回ふと思い立って、いつもの「古民家リノベーション体験談」とは別に、リアルタイムの生活をお届けする「古民家に住んでます」シリーズを始めることにしました。
「それはええからさっさと工事の話進めろや!」と温かい励ましの声が聞こえてきそうですが、逆にリノベーション体験談の方で「寒さ」について書こうとしたら1年後とかになりそうなんでひとつお許しください。


第一回目の今回は、暗い、臭い、危ない、寒い、の古民家4大不安のうち、体験談の方ではまだ解決していなかった最後の関門「寒い」について。
本格的な寒さが到来した今日、これをリアルタイムでお話しようと思います。
ちなみに冒頭の写真は中尊寺経蔵です。僕の自宅ではありません。


さてリアルタイムの僕はというと、2018年12月10日23:29現在、PCモニタだけが光る真っ暗な仕事部屋でユニクロのフリースを着込んで猫背になって、今から寝るまで仕事をしようか『進撃の巨人』27巻を読もうかどうしようか悩んでいるところですが、
えっと寒さですね、
寒さのことを喋ろうと思うのですが、
実は僕の仕事部屋は新築2F部分にあってエアコンがよく効いてて普通にぬくいので、リアルタイムでは喋ることがほぼありません。
すみません。


いや、これも古民家再生においては参考になる話だと思うんですよ。
古民家とは別にちっさい新築を建てるのがオススメだって前にも書きましたけど、ほんとこんな寒い夜には新築のありがたみがありがたやです。
うちはローンの都合で新築が必須だったんですが、べつに新築までいかなくても、古民家のどこか一室をガチガチに断熱するのもアリだと思います。真冬シェルター的な。


さて本題。古民家は寒いのか。
ええ、まあ、何もしなければ寒いです。
そりゃそうですよ。木製の建具なんかどんだけ閉めても常に5mmほど開いてますから。
窓ぜんぶ閉めてるのに室内ドアがバタン!って閉まったりしますから。
ていうか縁側なんか、床板の隙間から地面見えますからね。
毎回心の中で「これ外やんけ」てツッコみますからね。
でも、
断熱工事を徹底せず、それを選んだのは僕なのです。


これも以前に書きましたが、アルミサッシと木製建具を組み合わせて工夫したので、うちは少なくとも居間と台所は暖房が効きます。
合計24畳の空間に対し、石油ストーブ1台、石油ファンヒーター1台でOK。
あとは朝晩にブランケットを引っかければ大丈夫。
断熱を徹底しなくても、このレベルには持っていけます。
下に我が家のサーモグラフィ図を掲載しましたのでご確認ください。



うむ、我ながらよく描けておる。
実際こんな感じです。
古い木製建具がずらっと並んだ北東の縁側や東の渡り廊下は隙間だらけなので、見た目はとても美しいですが、そのかわり寒いです。ほぼ外気。
西側の土間は窓があまりないので、いくらか暖かい。暖房がぎりぎり効くレベル。
居間と台所はさらに暖かく、ここまでくると問題なく暮らせます。
お風呂と寝室、仕事部屋がある南東の新築は高断熱でエコ。

このように、断熱したい部屋を新築に割り振り、母屋はよく使う部屋だけを暖かくするという作戦でした。
それ以外は、いつも風が通り抜ける空間でいい。
雨が降りそうだとか、近所で薪を焚いているとか、廊下を歩くだけで分かる家がいい。
それにグッドデザインな古い木製建具も楽しみたい。
せっかく古民家に住んでるんだから。
僕はそう考えたのです。


「ダイナミズム」という言葉をご存じでしょうか。
「ダイナミック」の元になる名詞です。力強さ、変化の激しさという意味です。
先進国の世界から失われたものの一つがこれではないでしょうか。
冒険せず、リスクを回避して、喜怒哀楽の少ない安定した生活をおくる。
100点狙いではなく、安定して65点を取り続ける。
乱暴に言うと今の住宅の根底にあるのがこういう思想なんですよ。
こういう生き方に乗っかってるってことです。


映画『マトリックス』観た人は知ってると思いますが、そういうベクトルを突き詰めていけば人間は「温度と湿度を一定にコントロールされた培養カプセルの中で酸素マスクをして暮らす」というのが最も安全で合理的な生き方になるでしょう。
今の「24時間換気システム」なんかちょっとこの世界に近付いてる気がしますが、とにかく僕はそんなのはゴメンなのです。

冬は!
寒いから!
風呂が気持ちいいんだよ!!

そう思いません?
先日丸亀製麺で、「夜泣きうどん」っていう、屋台で回ってくるうどんの江戸調イラストを見た時に思いました。
江戸時代の人はきっと、現代人よりも100倍うまいうどんを食べてたんだろうなあって。
だってうちの縁側のガラス戸、あれぜんぶ後付けですからね。
この家が建てられた当時は、雨戸を開けたら外だったんですよ。部屋と外を仕切るものはぺらぺらの障子だけだったんです。
江戸時代の人、ぶっ飛んでます。
自然受け入れすぎ。
そんな江戸時代の人にとって、真冬に通りを回ってくる熱々のうどんが、どれほどのものだったかは想像に難くありません。
たぶん死ぬほど美味かっただろうと思うんですよ。
そう、
これこそが「ダイナミズム」というやつなのです。


格子窓
(古建具が並ぶ渡り廊下)


話が長くなりましたが、ようするに僕が言いたいのはこういうことです。

冬は!
こたつに入って!
みかんなんだよ!!

まあこれは僕の感覚ですが、年間を通じて一定温度がキープされた完璧な部屋で食べるアイスもうどんも、たぶんそんなに美味くないんだろうなと思うのです。
凍えたり震えたりするのは嫌だけど、一定温度キープも嫌。
僕は毎朝「おーさむ」と言いながら半纏を羽織り、ストーブをつけて、冬を実感しながら暮らしたい。
毎晩湯船につかって「ぉあー」と毎日声を漏らし、でも寝る時は新築でぬくぬく眠りたい。
名付けて「僕のわがまま古民家暮らし 〜本日の隙間風を添えて〜」です。
ダブスタ上等。
僕はこのスタイルを提唱していきます。


あとですね、冬の話ばかりしてきましたけど、古民家は、春、夏、秋はでっかい窓を開ければ風が通りまくってすごい気持ちいいんです。
断熱しなかった座敷二間と土間は冬場は使い物にならないですが、冬場って1年のうちたった3ヶ月程度ですからね。
それ以外の季節がすごいオシャレで気持ちいいって素敵やん?
このように僕の家は、まさに0点と100点が混在する「ダイナミズム」のある家なのです。


さて、Googleで「古民家 寒さ対策」とかで引っかかってここまでお読み頂いた方。
思ってた記事と180°違ってたと思います。
ごめんなさい。
今回は「なぜ断熱を徹底しなかったのか」という問いに対する答えでした。
お詫びといっては何ですが、次回、寒さ対策についてちゃんと喋ります。


なんかうどん食べたくなってきたYO!
つづきます。

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