僕はどうやって古民家をリノベしたか・その4「理想の古民家が見つかったらどうするか」
過去に一度書いたからもう書かなくてもいいだろう、と思ってたら案外膨大な過去記事に埋もれて誰も見つけることができない状態になってるのであなたもう一度書きなさいよ、というシリーズの4回目。
前回は古民家探しについて書いたので、今日は理想の古民家が見つかったら次にどうすればいいか、について語ります。
前回の記事はこちら。
これまでいろんな古民家の購入相談を受けてきた僕ですが、自分の体験も含めて一つ言えることは、
「焦んな?」
です。
まず焦らないこと。
でも古民家に限らずこの「焦るな」系のアドバイスってほんとに無理ですよね。
なぜなら焦るような状況だから焦るのであって、焦るなって言われても焦るっちゅうねん。
と思いますよね。
でも焦んな?
です。
これはほんとに何度も書いてますが、その家に自分が住むことになるかどうかなんて、正直自分が決められるような領域ではないのですよ。
それはもう神の領域なのですよ。
僕も実体験として、電話攻撃をかける前に、理想のような古民家が見つかったことがありました。当時は古民家として家が売り出されることはめったに無かったんですが、そのチラシにはなんと「築80年の古民家!」と書かれてあり、しかもエリアも理想、間取りも理想、金額も大丈夫で、うせやん何これ!これってもう自分のために用意されたような物件やん!と思って光の速さで不動産屋さんに電話、内覧予約しました。
ついに来た、これはもう完全に運命の物件……❤
と思って内覧の日をまだかまだかと待ち続け、いよいよ当日になり、ウッキウキで車に乗り込み、高速を走らせていた僕の携帯に不動産屋さんから着信があり「売れました」と。
もうね、そのまま湾岸線をジャンプして海に飛び込んで海の民として一生を深海で暮らしていこうかと思いましたよ。
海の民、たぶん家いらんし。
でも今、この家を手に入れた僕は思うのです。
あの家じゃなかったんだなあと。
というか、あの家じゃなくても良かったんだなあと。
実はこの感覚、皆さんは身に覚えがあるはずです。
え、わたし家なんて買ったことないですけど?と思われるかも知れませんが、この感覚はきっと誰もが知っているはず。
思い出してみてください。それはかなり昔のことです。あなたがまだお酒も飲めず、車の免許も持っておらず、選挙権も無かった時代のこと……
そう、中高生の初恋です。
僕は高校がクソみたいな男子校だったので高校3年間はドブの色に塗り込められているのですが、共学だった皆さんはきっと初恋や二度目の恋、三度目の恋を経験されたはず。
その時、必ず「この人は自分の運命の人……❤」と思っちゃったはずなのです!!
そしてその後、彼/彼女にフラれてしまったあなたは、もうこのまま海に飛び込んで一生を海の民として深海で暮らしていこうと思ったことでしょう。
つまりそういうことです。
あなたの運命の相手は、中学生や高校生の時に出会った、たまたま近所に住んでたそいつではなかったのです。(人によってはそいつである場合もあります)
もし今、あなたの隣に運命の相手がいらっしゃるなら、その人に出会うために自分が行った努力を考えて、本当に100パー自力で見つけ、100パー自力で今に至ることができたかを考えてみてください。
そんなん無理じゃないですか?
ようするに物件探しなんか、焦っても意味ないんですよ。
思い通りになんか行くはずないですって。
長々と僕が一体何を喋っているのかというと、だから諦めろ、じゃなくて、だから焦らなくてもいいよ、楽にいこうぜ、ということなんですね。
古民家探しは本当にストレスフルな作業です。
というか、家づくり自体が、考え方によってはめちゃくちゃしんどい作業になり得ます。
しんどい状態になってしまうパターンって、たぶん「思い通りに行くはず」という深層心理が働いているからだと思うんですよね。
「思い通りにならない」「こんなはずじゃなかった」というのは、思い通りになるという前提があるからです。
で、僕は何度でも言います。家づくりなんか思い通りになりませんて。
大手HMでも古民家リノベでも、思い通りの家ができた!という人もいるでしょうけど、まあ基本的には、思い通りの旦那を手に入れた!思い通りの嫁と結婚できた!みたいなことだと思っといた方がいいですよ。
だから、なんちゅうか、こっち主導でもないっていうか。
「思い通り」っていうのが思い上がってるというか。
こっちもやっぱり、相手に合わせていく気持ちがいるというか。
相手を生き物だと思って、たまたま出会い、そしてそこに縁があれば、一緒になれるかもね、くらいの感じで思っておけばいいんじゃないかなと思います。
つまり、不動産屋のサイトで理想の物件を見つけた時にみんなが思いがちな
「うわ!これ買う!これに決まりや!即メールですわ!!これはもろたでゲヘヘヘ!!」
というのは、人間に例えると駅のホームや職場などでいい感じの人を見かけた時に
「うわ!これ告る!この人で決まりや!即インスタ交換や!!これはもろたでグヘヘヘ!!」
とか言い出すヤベェやつということなので、
「あの人、いい感じだったな……どんな人なのかな……」
くらいに抑えて、焦らないようにしていただければ、きっと気楽に物件探しができるんじゃないかな、と思うんですよね。
あれ?
ぼく今回、古民家を見つけたらチェックするポイントみたいな話をしようと思ってたのに気付けばいつもの精神論になってるぞ?
なんで?
ということですみません、具体的なチェックポイントと、それにまつわる自分の体験談については、5回目でご紹介します。
それではまた次回!