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古民家リノベーション体験談33 庭のこと

【前回までのあらすじ】ドルドルドルドル…

ちょっと間が空いてしまいましたが、今回は体験談の続きです。
前回、土間にダンプが通って長男の前髪がひるがえったところまでお話しましたが、その後、続いて大型ユンボも入っていきました。
なんかもう、荒らされ放題って感じ。
もうあなたの好きにしてって感じ。

ユンボ

で、次に着手したのが離れの解体なんですが、実は同時に南の「庭」も更地にしちゃったので、先にその顛末を。
このブログはあくまで古民家再生ブログなので、これまで一度も庭については触れてきませんでしたが、実はそもそもこの物件を選んだ大きな理由の一つが「広い庭」なんでした。
僕、庭をやりたかったんです。
僕、植物が好きなんです。
世話してる観葉植物が100鉢超えてるんです。
世界のトップブリーダーなんです。
そう、世の観葉好きの例に漏れず、僕も植物を育てるうちにいつしか「庭」というものに興味を持ち始めました。
それはちょうどコーヒー好きが高じて自家焙煎を始めてしまう雰囲気イケメンのおっさんと似たような心境です。
いつか、植木鉢という縛りから解き放たれた「地植え」をやってみたい…!!
そう思った僕がようやく手に入れたのは、南北に分かれた計70坪ほどのゴリゴリの日本庭園でした。

旧の庭

これが当初の南の庭です。
思ってたんと違う度100%。
大丈夫、それは慣れてる。
それよりも、和風庭園はもう一つ、北の立派な前栽があるのでもう充分なんです。
だから僕はこの南の庭を洋風にしようと決めました。
なぜかというと…

あ、その前にちょっと確認しますね。
このまま庭の話続けていいですか?
「合コンで誰も聞いてないカメラの話をやたら語る人」みたいになってませんか?
大丈夫ですか?
皆さん、庭に興味あります?
ないですよね。
いやでも、古民家に住むってことはだいたい庭付きなんですよ。
どうせでっかい庭ついてますから、興味があろうがなかろうが、それをどうにかしないといけないわけで。
だから一応喋っておきますね。

さて、洋風にしたかった理由ですが…
まずこういう地方にありがちな日本庭園はね、基本的に暗いんです。葉の色が。
なぜか。
ほぼ常緑樹だから。
常緑樹の葉ってのは落葉しないかわりに基本的に暗い緑色をしています。
んで薄くないの。ボテッとしててガチッとしてるの。
それを庭師さんが剪定ばさみで刈り込むの。
丸く。
そういうわけで暗いし、剪定にお金がかかるし、広すぎるし。
それに落ち葉がないせいで地面がいつもキレイじゃないといけないので、こまめに掃除する必要も出てきます。
なんせ美しさをキープするために手間暇がかかるんです。
ガチガチに管理された西洋庭園と比較して、日本庭園ってよく「自然を取り入れた…」みたいな言われ方するじゃないですか。
ポストカードで「紅葉が散った苔庭」みたいなやつあるじゃないですか。
あれ、小坊主が毎朝必死で掃除してますからね。
必死で掃除したのち、いい具合に紅葉を人工的に散らして作ってますからね。
けっこう大変なんですよ。
その努力に見合うだけの素晴らしい日本庭園だったら良かったんですが、この庭はどうも中途半端というか…普通すぎるというか…ぶっちゃけ好みではありませんでした。
なので、広すぎる南の庭は洋風にすることを決定し、サクッと更地にすることにしました。

植木資料

そう決めたものの、いざ更地にしようとすると色々問題が発生するわけです。
まず、このよく分からん塔をどうすればいいのだと。

石塔

何よこれ。
よく見ると台座に地蔵さん的なものが彫られているように見える。
これ、壊したらあかんやつちゃうん。
あかんっぽい雰囲気が漂う中、解体屋さんや親方が「こんな層塔は今買ったら数百万するぞ」と口々に言うので、そんならこれを買ってくれる人を探そうと思って動いてみたんですが、サイズや重量など、あまりに条件が厳しすぎて見つからず。
「発送不可」どころか「人力移動不可」なのでメルカリに出しても100パー売れません。
結局、石塔の一番上にロープを引っかけて、以下略。
ああ…
ついでにその周りに植えられていた樹齢100歳以上の和風の植木もユンボで以下略。
あああ……
最後まで悩みまくったんですが、結果、更地にしました。
この時、これまで小さな虫を殺さずに助けたりしてコツコツ貯めてきた僕の徳が全て失われたと思います。

灯籠

こういう灯籠も
「今買ったら100万以上するぞ」
「じゃあ10万でいいから買ってよ」
「いや、俺はいらんけど」
という会話の後、何回このやりとりしてるねんと思いつつ、普通に処分。
人の価値観と、物の値段って何なんでしょうね。
古民家も一緒ですね。
1000万円出しても買いたいという人と、タダでもいらんという人と。

庭石

そして今回、最も問題になったのが、庭のあちこちに点在していた巨大岩。
どーすんだこれ。
ユンボで動かすのは無理。
でっかいクレーンでもあれば吊り上げられるんですが、土間に3tダンプは通ってもクレーン車は通りません。
じゃあ転がす? 割る? 爆破する?
結局、ごにょごにょして解決しました。
この部分はちょっとブログに書けないので気になる人はオンラインサロンで直接僕に聞いてみてください。

まあそんなこんなで、どうにか更地になりましたとさ。

更地になった庭

これでもかなり端折って書いてるんですよ。
庭も複数の業者さんに見積お願いしたし。業者さんによって言うことバラバラだし。
うちは予算の関係で、最終的に解体屋さんに力業で解決してもらったけど、丁寧にやりたい人は解体屋じゃなくて造園屋さんの方がいいでしょうね。

今はどうなってるかって?
ええ、もちろんお金が無くなってそのまま放置ですよ。
庭なんか一番後回しにされますからね。
しかも100年近く日本庭園で踏み固められてた地面を柔らかくしようとユンボで全部掘り返したため、そこに雑草という名のいろんな命が宿り、今は地球文明が滅んで100年経ったみたいな感じになってますよ。

まーゆくゆくどうにかするので、庭作りについてはその時にまたちゃんと書きますね。

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