古民家リノベーション体験談85 屋根裏に潜む悪夢
【前回までのあらすじ】ゴッドファーザーを監督したコッポラは当時33歳(豆知識)
はじめに言っておきます。悪夢べつに潜んでません。
ていうか工事の時に全部めくったんで潜むところないです。
潜むところがなくなった座敷わらしも逃げたまま帰って来ません。
今回はそういうお話です。
屋根裏については
の記事でちょっと触れましたが、平屋の古民家というのは、天井は低いですが屋根が高く、天井板の向こうには結構な巨大空間があるわけです。
で、うちの屋根は葺き替えることが決まりましたが、じゃあ屋根裏と天井はどうするねんと。
よくある選択肢が「抜いちゃう」だと思います。
店舗用、すなわち古民家をカフェとかアパレルショップに活用する場合、天井はほぼ100%抜かれてます。
なぜかというと「映える」(読み:バエル / 三省堂今年の新語2018大賞受賞)からですね。
黒々とした大きな梁、高い天井、木組の美しさ…
ショップやギャラリーには最適でしょう。
だって天井抜くだけでそういう空間が手に入るんだもの。
しかし、我が家は住宅。
真夏日でも、真冬でも、24時間365日そこで暮らしていくわけです。
バエル~とか言うて自撮りしてる場合ではありません。
それ以外の優先事項がたくさんあるんです。
夏暑いのは嫌なんです。
冬寒いのも嫌なんです。
なのでうちは基本的には天井をそのままにしました。
とは言え、土間だけは例外的に抜きましたけどね。
せっかく古民家なのでそういうバエル絵も欲しかったし。
その結果、うちは天井を抜いた部屋と抜かなかった部屋、両方生まれることになりましたが、やっぱり古民家で天井抜くとめっちゃカッコいい代わりに室温がキツいっすね。
ようするにこれはブサイクな金持ちとイケメン貧乏のどっちを選ぶのかという、永遠の二択なわけです。
すなわち五代くんと三鷹さん問題ですよ(例えが昭和)。
で、僕はどっちも選びました。
五代くんの人のよさに癒されながら三鷹さんとリゾートで遊びまくるという、いや、それただのビッチやん!
…何の話でしたっけ。
まあとにかく母屋は土間だけ天井を抜いて、他はそのまま天井板だけを張り替えたということです。
こんなふうに。
古民家の天井はいろいろな種類がありますが、うちは「竿縁天井」というスタンダードな作りになってました。
こういう竿というか、棒が何本も通っていて、そこにペラペラの板を重ねて張っていく仕様です。
この竿縁天井、元の板は真っ黒になっててかなり味わい深かったんですが、なぜ新しくしたのかというと、この写真見てください。
これ天井板の裏なんですけど。
こんな感じで、天井板にはすんごい量の土埃的なやつが降り積もっていたのです。
まあこれだけなら無視して生活できたんですが、古すぎる天井板は反ったりずれたりしてあちこち隙間があるので、風の強い日なんかはこの白い粉がパラパラと落ちてきて、まるでパルメザンチーズのように僕たちの頭に降りかかるんですよ。
どっかの古いマンガでそういうの見たことありますけど、ホントにパラパラ降ってくるとは思いませんでしたよ。
びっくりですよ。
実際これって天井裏の土壁が崩れて降り積もってる粉なんで、そんなに汚くないと思うんですけどね。
でも強風の日とかほんと頭にパラパラ降りかけられて、わしゃミートソースか!! と叫びたくなるので、屋根葺き替えと一緒にやり替えることにしました。
ちなみに我が家は屋根裏に物置みたいなやつが追加されており、天井板を取るとその物置の下側がこうして見えちゃうんですね。
てかなんか汚えし。
だから抜いたところで「映えない」のでした。
だっふんだ。
次回は施工後のビジュアルをご紹介します。
つづく。