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古民家に住んでますvol.13 台風で死にかけて雨戸つけた話

皆さん「雨戸」って知ってます? 雨戸。
昭和生まれの皆さんは知ってますよね。でも今のキッズはあんまり知らないですよね。
なんか最近の家って雨戸ついてないですもんね。
防犯目的で1階の窓にはシャッターみたいなのが付いてたりしますけど、雨戸って見ないですよね。
僕も、雨戸ってなんかでっかい戸袋とか付けないといけないし、お金かかるし、別にいらねぇわって思って、北側と渡り廊下の縁側には雨戸を付けなかったんですね。
そしたらね、
死にかけたで。

とりあえず見てこれ。
当時の記録。
これ、MAX時と違うからね、雨風がちょっと収まって、カメラ回すくらい心に余裕が生まれてから撮ったやつやからね。

こんなん死ぬやん?

そう、あれは忘れもしない2018年9月4日。
みなさまこの台風を覚えていますでしょうか。
全国ニュースで流れた、関空の橋にタンカーがぶつかって壊れたり関空全体が水没したりしたやつですよ。

僕はこれまで40年以上生きてきて、台風で被害を被ったことはほとんどありませんでした。
むしろ台風が来るたび大げさな注意喚起が行われ、しかし実際来てみたらヘナチョコでしたー、という経験を数え切れないほど繰り返した結果、「おいおい台風さんよぉ、ちったあ本気見せてみろやコラァ」みたいな感じで台風を最高にナメ切ってました。
だから9月3日に「非常に強い勢力のまま上陸」というニュースが流れても「はいはい非常に強い勢力w」とか思って寝っ転がってスマホでYouTubeの格闘技チャンネル見てました。
そして9月4日、台風21号が大阪に上陸。
YouTube見てた僕が「……あれっ?」と周囲の異変に勘付いた時にはもう手遅れでした。
あの冗談みたいな暴風雨の中、「締める雨戸が無い」という状況で、マジで部屋の中でガタガタ(物理的に)震えながら祈るしかできませんでした。
ここに台風が過ぎた翌日のインスタがありますのでご覧ください。

台風一過のインスタ

僕は覚えています。
ニュースを見た友達たちがリアルタイムでLINEで送ってきてくれた
「大丈夫なん?」とか
「大丈夫か?」とかいうメッセに一つずつ丁寧に
「大丈夫ではない」
「大丈夫ではない」
と返していたあの時のことを。
そうして一夜が明けて、家が奇跡的にほぼ無傷で済んだことを確認した僕は、おそるおそる街へ出て、すべての信号機が90°回転して真っ暗になっているのを見て、愕然としました。
今、僕はここに記そう。
台風めっちゃこわいよ!!!

……長くなりました。
今回はそんな僕が完全に心を入れ替えて雨戸をつけまくったという話です。
これを書いてる時点でもうこの長さって前後編確定やんと諦めてますが、気付かないふりをして進めますと、当時、我が家の縁側と雨戸事情はこんな感じでした。

雨戸の場所

つまり半分くらいなかった。
赤いところはいずれも新築した縁側部分なのですが、僕は最初から雨戸を付ける気がありませんでした。
繰り返しますが僕は台風をナメ切っていたのです。

なお、この色がつけられた縁側はすべて掃き出しの大きなガラス窓です。
しかもペアガラスの今風の分厚いガラスじゃありません。古いゆらゆらのうっすいガラスです。
想像してみてください。
これほどの面積のぺらぺらのガラス窓が、冒頭の動画のような状況で、何時間もむき出しであったという事実を。
ひいいいい!
何度思い返しても、何事もなかったのは奇跡です。
これたとえば一箇所でも割れたらそこから風が吹き込みまくってたぶん渡り廊下とか吹き飛ばされてたんちゃうかなと思いますよ。
ということで、これはもうお金とかそんなこと言ってられないと、借金してでも雨戸付けるのだということで、大工さんにお願いすることになりました。

余談ですが、この時の台風で街じゅうの屋根という屋根が吹き飛び、屋根屋さんは完全にパンクして電話線を引っこ抜き、屋根屋がパンクした工務店は取りあえず土嚢付きのブルーシートをお客さんのところに一軒一軒かけて回り、それでも一日に数軒しかできないので何ヶ月もかかってもまだ全然手が回らず、そのうちどこからか「ブルーシートかけます」という謎の業者が吹けば飛ぶような安物のブルーシートを簡単にかけて高い金を取るという事案が多発し、建売住宅、不動産屋が建てた家を買った人たちは頼れる工務店を知らないのでそういう輩に頼むしかなく、地元の工務店もそういう輩が出入りしているのを知りつつも自分の抱えるお客さんのことで手一杯で何もできず、結局すべての屋根修理が終わったのが一年以上後だった、というわりと地獄絵図な状況を目の当たりにしましたよ。
やっぱりこういう時に「どこで建ててもらったか」はすんごい大事だなと思いました。
うちなんかパチンコ大工は置いといて、取りあえず親方が見に来てくれましたもんね。
なお、うちの瓦は一枚も飛びませんでした。土の上に乗せるだけの土葺きをやめて釘打ちにしてましたから。
断熱性のことを考えると土葺きの方がいいですが、台風の時は釘打ちがいいですね。

さらに余談。
瓦は飛ぶからな~とお思いの方。
確かに瓦は風で飛ぶ。
しかしそれは1枚単位でしょ。
ガルバが飛ぶ時ってエグいっすよ。一面っすから。
これ以前どっかで書いた気がしますが、うちの叔父さんがね、一軒家をリノベして飲食店やってたんですけど、その屋根がガルバで、軒が長めに出ていたせいで、この台風でそこからめくれて野地板ごと全部吹き飛んだんですよね。
で、屋根が消えました。
もちろん室内ずぶ濡れ。設備全廃棄。
だから瓦って理にかなってるなあって思うんですよね。
地震の時もあえて落ちて、屋根の自重を軽くするように考えられてるんですよ。
飛ぶ、割れる、落ちる。
こういうのを許容して、計算に入れた日本人と、飛ばない、割れない、落ちない、という自然に対して断固戦う的な西洋の感覚は、とても対照的だと思います。

ああ、もうあかん。
長すぎ。
一枚も施工写真貼れんかった…

つづきます…

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