古民家に住んでますvol.8 DIY(道具いっぱいあると余裕)
今回は「道具」について、実践も含めてご紹介します。
一般的に普通の方々はDIYをしたことが全くないか、あってもちょっと壁に棚をつける程度だと思います。
そんな人たちに突然「靴箱作って」と頼んだとしたら、まあ普通に
「いや、ムリムリw」
という返事が返ってくると思います。
当たり前ですよね。
でもここで皆さんに知って頂きたいのは、大工さんに同じことを言っても同じ反応が返ってくるという事実です。
厳密に言うと、皆さんの家にやってきた大工さんにそれを言うと「いや、ムリムリw」という返事になるということです。
いや、あんたプロでしょ。作れるでしょ。
とツッコむと大工さんは必ずこう言います。
「ここには道具ないから作れないっすよ!」
そうです。
道具が無いと大工だろうが誰だろうが基本的に何もできません。
例えば箸もフォークもスプーンもない状態でカツ丼の大盛りを出されるみたいな感じです。
ところが、そこにお箸があるだけで状況は一変します。つまりDIY的に言うと「道具があれば作れる」ということです。
でも皆さん、最低限これが無いと何もできないという「インパクトドライバー」も「ノコギリ」も持ってないじゃないですか。
だからできないのは当たり前なんですって。
インパクトがあればニューンニューンって面白いようにビスが揉める(ネジ止めができる)んですよ。
電動丸ノコがあれば材木をまるで豆腐を切るみたいにスパスパ切れるんですよ。
道具さえあれば、これまで「匠の技で作られた作品」みたいに思ってたやつが「LEGO作品」くらいまで難易度が下がります。
つまりDIYできるかどうかっていうのは、向き不向きとかじゃなくて、道具があるかないかなのです。
ほんとに。
だから大工さんの本当のスキルというのは、木を切ったり釘を打ったりするところではなく、それを組み立てる頭の中にあるんですね。
ということで実践編!
古民家って外も中もあんまり区別されてないので、基本的に「網戸」という概念がありません。
なので古民家の窓にDIYで差し込み型の網戸をつけよう!
構造はこうです。表と裏の木材に網を挟み込むと。
その際、凸状のレールにはめ込むので凹状の枠がいるんですが、そんなもん丸ノコで加工できません。
いきなりの挫折。
助けて大工えも~ん!
テッテレ~! なんかよく分からんめっちゃずるい機械~!
そうです。大工さんはこのようにめっちゃずるい機械をたくさん持っているのです。
それちょっと貸して!
ていうか手伝って!
ということで、枠の溝加工を大工さんに全力で手伝ってもらいました。
何やってるんか知らんけどこんなんずるすぎるやん。絶対自分ででけへんやん。
このように道具を制するものはDIYを制すのです。
まさに Dougu(道具) Ippaiaruto(いっぱいあると) Yoyuu(余裕)。※流行らせる気はありません
「大原さん、木くず全部掃いてください」
掃けと言われれば掃きます。
「ちょっとそこ持っといてください」
持てと言われれば持ちますよ。
工場でそんなことをしてると、事務所から親方が出てきて「また何かおもろいことしとんのか」と。
網戸をね、作ってるんですよ。
それから作った枠を家に持って帰ってきて、網張って、完成!!
わ~大工さんすご~い。
と思ってたらあれだけ気をつけろと言っていた網の裏表を大工さんが普通に間違えてて結局僕が全部やり直しました。
2枚目の画像は間違えて張っちゃった網戸を切り取って一回り小さい網戸に再利用してる図です。
まあミスりはしたものの、今回の「DIY網戸」は大工さんの協力が無ければ作れませんでした。
地域の工務店さんを選ぶと、古民家の工事が終わってからも、こうしてずっと日常的なお付き合いができるのでいいっすよ。
そんなわけで、わずか2日で3つの網戸が完成し、おかげでまた一つ暮らしが快適になりました。
僕は体を動かすこともDIYも嫌いですが、完成品を買うのではなく、こんな風に少しずつ工夫して、少しずつ暮らしが良くなっていくという過程は、嫌いではありません。
こんな古民家に住むリアルを、また次回のDIYネタでお届けできればと思います。
おわり。