僕はどうやって古民家をリノベしたか・その3「古民家の探し方を改めて語る」
この話は過去に何度も書いたからもう書かなくてもええやろ、えっ、私最近クロニカに出会ったから分かんないです、その記事ってどれですか? えっ、ちょっと僕もすぐには分かんないです、えっ、分かんないんだったら私がどうやってそれを見つけられるんですか、えっ、検索窓とかあるのでそっちで調べたら見つかると思います、えっ、どんな記事があるのか分からないのにどうやって検索ワードを思いつくんですか私エスパーか何かですか、えっ、あのっ、すみません……
ということに気付いてスタートしました「僕はどうやって古民家をリノベしたか」シリーズ、略して「僕コミ」(流行らせる気は無い)、第三回は古民家の探し方について改めて語ろうかなと思います。
過去の記事はこちら。


僕が古民家を本気で探し始めたのは2014年。そんで半年後に運良く今の家を見つけ、工事をして住み始めたわけですが、まあ2014年当時は今ほど情報も無く、探すのに大変苦労しました。
どうやって探したかというと、電話帳あるじゃないですか。え、無い? ほらタウンページみたいな。え、タウンページって何ですかって? え、こんなところで無駄に世代間ギャップ食らって落ち込む必要ある?
いや、実際今の若い子は電話帳というものの現物を見たことないですよね。まあいいんだけど。とにかくその電話帳というやつでね、地域の不動産屋っぽい名前のところを全部ピックアップして、上から順に無差別に電話しまくったんですよ。大手とか個人店とかヤ○ザとかそんなん知らんままとにかく載ってる数十件すべてに電話しましたよ。
そしたら見事に全滅。
古民家に住みたい、みたいな人間は、このエリアでは当時ちょっと頭おかしい感じだったと思います。築70年「以上」の古家??? そんなん買うてどうするんや? 解体費用だいぶかかるで?
というニュアンスがどこの不動産屋さんからも感じられました。
それもそのはず、当時はそもそも不動産屋さん側に「古民家」という概念が無かったんですよ。
まあ今も無いところも多いですけど、当時はまったくと言っていいほど理解されなかった。
ということはどういうことかというと、不動産屋のデータベースに「古民家」というものが無く、「土地(古家付き)」という扱いになるわけです。
不動産屋のサイト見ても、土地の素晴らしさを語る一方で、その土地にキモいボロボロの家が付いてるけど気にしないでね!すぐに解体して更地にするから!みたいな感じで紹介されてたりするんですよ。
すごない?
存在の全否定。
今どきのSNSによる陰湿ないじめでもここまで言いませんよね。
僕は当時、そういう逆境に立ち向かったわけです。
で、全滅して放心していたある日、その中の一件の不動産屋さんから、突然電話がありました。
「兄ちゃん、この前、古い家探してるって言うてたやろ。ちょうど今から潰すやつが一軒あるんやが、いっぺん見に来るか」
おお、まじか!
いっ行きますぅ!!
と叫んで見に行ったのが今の家なんですよ(その人が今の嫁なんですよ的な感じで)。
でも普通さ、高い買い物っていろんなものを見比べて吟味しまくって、それでやっといくつか候補を絞り込んで……みたいな感じじゃないですか。
それをさ、なんか一軒だけあるから見に来る? みたいなノリで、数千万円の買い物なんか決まらんじゃないですか普通。
でも決まったんですよ。
まーだから、これはご縁ですよね。
たまたま金額が合った。たまたま土地の条件も合った(駅とか小学校とか)。家自体は不満があったけど、土地のことを考えたら、これを逃して次にこれくらい条件の揃った物件に出会える自信が無かった。
ということで、購入を決めました。
それから10年、やっぱりこの土地、この家で良かったよね、と常々思います。
でもこれは余所の古民家を買っていてもそう思ったかも知れないし、買ったあと何かの偶然で、激しく後悔していたかも知れません。もしくは、これから後悔することになるのかも。
でもそういうのは、僕も購入前に死ぬほど悩みましたが、ご縁なんですよ。
自分が選んで買おうと思っても買えなかったりするんです。
どうしても手に入れたい古民家が先に誰かに買われてしまったとか。
必死で探してるのに全然出会えないとか。
逆に諦めてたら目の前に降ってきたとか。
土地とか家とか、そういうでかすぎるものの売り買いは、なんかもう僕らがコントロールできる部分じゃないんだと思いますね。
だからあんまり悩まず、流れに身を任せればいいんじゃないかなと、古民家に関わらずすべての物事において流れに身を任せて生きてきた僕は思いますよ。
で、具体的に探す方法ですが。
今はけっこう不動産屋さんでも古民家が売り物になるって気付いたところも多いし、空き家バンクだって活発に動いてる自治体もあるので、まずはそういうところを当たると良いと思います。
あと全国古民家再生協会さんが関わっている「古民家住まいる」にも全国の古民家物件情報が掲載されてます。
そういうところを探して、それでも無ければ、今度は僕のように自力で探すことになるんですが、僕のオススメは地元のおっさんが一人でやってるような不動産屋。
地元のおっさんは地元の情報を持ってるのです。
で、いまだに「先祖代々の土地を売るっちゅうのが人様にばれたくないんや、そやから内々で頼むわ」みたいな方々がたくさんいらっしゃいます。
そういうのを「よっしゃ分かった、あんじょうしたるさかい任せとき」と引き受けるのが地元のおっさん。
知らんけど。
でも僕の場合はまさに僕がそういう不動産屋さんに電話を入れたことで、取り壊す直前の古民家を救うことができたのでした。
もっと言うと、じゃあそんな「地元」ってどこにあるのよ、ということですが、それは天下のGoogleマップ様を使いましょう。
まず気になるエリアを開いて、【道がぐねぐねしてるとこ】を探します。
碁盤の目のようにすっきり直線が走ってるところはダメですよ。そんな真っ直ぐな道に古民家なんて無いですから。(京都や奈良は別)
で、ぐねぐねエリアを見つけたら、次はレイヤーを「航空写真」に切り替えましょう。
するとぐねぐねのところに、まだらになった古い瓦屋根の家がいくつあるかが視認できます。
ぐねぐね=古い道=古い集落、ということなんですが、集落でも利便性のよい土地だったら古民家が潰されまくってしょうもない建売が建ちまくってる場合も多いです。
なので、どれだけ古民家が残っている集落なのかを航空写真で確認。
まあまあ残っているようだったら、次は検索ボックスに「不動産屋」と入力。
そして出てきた候補に片っ端から電話!!!
以上!!!
です。
これ今でも充分有効な方法だと思うので、ぜひ試してみてください。
以上、古民家の探し方2025年版でした。
これを読まれている皆様に素敵な古民家のご縁がありますように。