古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

僕が古民家を選ぶまで その4

座敷

【前回までのあらすじ】迷える者よ…広告の中に隠された真実を見出すのだ…

ついに古民家を買うことに決めた僕は、何はともあれGoogle先生に聞くことにしました。
とりあえず物件情報と、価格の相場と、あと住んでる人の体験とか調べよっかな~と思って軽くぐぐってみたところ、
「古民家カフェでレトロ気分を満喫しよう♪」
「古民家で田舎暮らし ~就農への道~」
「古民家に泊まれる! あったか宿20選」
なんか…
ちょっと…
そういうんじゃないんですけど…

結論から言うと、ネットでは有益な情報がほぼ見つかりませんでした。
この2010年代にですよ。
まじ卍(意味不明)ですよ。
まず物件が無い。あっても社会生活が営めないほど不便な場所にある物件だったり、古民家が建ってるにも関わらず「土地」として紹介されてたり、それを見に行ったら家が崩落してたり。
物件がないんだから相場も分からない。
古民家に住んでる人の体験談を調べてみても、実は大手の宣伝ブログだったり、古民家をマンションみたいにリフォームしてたりして、全然僕の趣味じゃない。
いくつかいい感じの古民家に住んでる人のブログは見つけましたが、あくまで自由に書き綴られている個人ブログなので、ほぼネコの話だったり、ブログ主がコーヒーの焙煎にしか興味なかったり、古民家ブログだけど「離婚」タグがついててそっちをすごい読みふけってしまったりとかで、なかなか情報収集が進みません。
その辺の体験が、このクロニカ立ち上げの一番の強い動機なんですが、結局あれですよ。僕が今のこの家を見つけたの、電話帳ですからね。エリア決めて載ってる不動産屋全社に一番上から電話攻撃ですよ。
さらに直してくれる職人さん見つけたのも足使って聞き込みですからね。
この2010年代に。
まじ卍(意味不明)ですよ。

で、なぜそんなことになってるのか不思議でしょうがない。
「古民家を買って住む」ってそんなに特別なことなん?
だって古民家って普通の日本家屋でしょ。昔っから日本にある建物でしょ。おじいちゃんおばあちゃん世代はみんなそこに住んでたわけでしょ。それがなんで売買されないの? なんで職人がいないの?
と思って今度はそっち方面を調べ始めたところ、今度はまた別のたくさんの諸事情がね、分かってきたわけです。
でも僕は二十歳の文学青年じゃなくて目の濁ったオッサンなので平気でした。
そうか。
日本の住宅事情ってそんなことになってたのね。

これは余談ですが、みなさん知ってます? 今の日本って、日本の伝統工法で新築するのがめちゃくちゃ難しいんですよ。
意味分かりませんよ。その国の建て方で家を建てられない国なんて。
それまで1000年以上ずっと伝統工法だったのに、戦争に負けて、「建築基準法」なるものが現れて、たかだか50年で住宅が、日本の風景があっという間に変わってしまったんです。
まあその辺のことは追々お話するとして。
そうやって家のことを調べていくと、日本の住宅の流れについて詳しくなると同時に、日本の住宅の伝統的スタイルである「古民家」についても詳しくなっていきました。
すると今まで消去法的にしか考えていなかった古民家そのものの魅力が、どんどん見えてきたんです。

つづきます

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