古民家リノベーション体験談その後1 古民家は庭がとても大事
はい。久々のタイトルです。
これまでリノベーション体験談を118回に渡って書いてきて、もう何も言うことはないと、全て書き切ったと言いたいところですが、古民家暮らしは「直して終わり」ではありません。
他にもいくらでも手を入れるべきところがあり、住んでるうちに手を入れたくなってくるところがあり、100%完成することなど無いのです。
まあ100%じゃなくても普通に住めちゃうのが古民家のいいところですが、逆に、いつまで経っても完成しないサグラダファミリア的な建物でもあります。
それはすなわち、僕が何かしらのあぶく銭を手に入れるたび、何かしらの工事が発生するということ!
このシリーズでは、僕が何かしらのあぶく銭を手に入れた時に発生したリノベーション工事の体験談を、その都度ご紹介していこうと思います。
もちろんこのイベントはあぶく銭を手に入れた時しか無理なので、かなりスローペースにはなると思いますが、温かく見守って頂けますと幸いです。
そしてできれば、僕があぶく銭を手に入れられるよう、皆様の力を合わせてお祈り頂ければと思います。
とはいうもののですね、工事が終わってからもう何年も経ってるので、実はそれなりに追加工事のネタは溜まっているのですよ。
工事のネタが溜まってるということはすなわちお金が貯まってないということですが、そんなことはいいんですよ。
てことでその後シリーズの第一回目は「前栽」!
これはリノベ工事時には完全無視されていたエリア!
中がしっちゃかめっちゃかなのに、庭のことやっとる場合ちゃうわ!!
と、
だいたい外構は後回しにされることが多いと思うのですが、第二期工事が終わり、実際に住み始めると、そこで初めて僕は気付いた。
古民家の美は、庭がセットなのだと。
え、そうなん?
と思った皆さんのために、恒例の比較写真をご用意しました。
まずはこちら。おなじみ、うちの前栽です。
これを見て「やっぱ縁側っていいよね~」とか「古民家って素敵~」とか思うじゃないですか。
でも実はその「いいよね~」の中で「古民家」が占める割合は、正味50%じゃないかと思うのです。
残り50%のいいよね要素は、実は「庭」ではないのかと。
だって実際この写真って部屋の写真のように見えて、かなり窓が多いじゃないですか。面積比でもちょうど半分くらいが外の風景ですよね。
じゃあ、この庭の景色を別のものに変えてみるとどうなるか?
景色が変わっても、「やっぱ縁側っていいよね」「古民家って素敵」と思えるのなら、庭はどうでもいい存在だと言えるでしょう。
てことで実際やってみたのがこちら。
いかがでしょうか。
この写真を見て「やっぱ縁側っていいよね~」ってなる?
ならんよね?
「えっ、いや、ちょっ何?」ってなるよね?
つまりそういうことですよ。
窓の面積が大きい、すなわち外の風景が見えまくる古民家においては、窓の外の風景というのは極めて重要な要素なんですよ!
これが仮に現代の窓が小さい住宅であれば、小さなアルミサッシの向こうに摩天楼がチラチラ見えていても、気のせいだとか、あたし疲れてるのね、とか思ってスルーできると思います。
でも古民家ではこのように無視できません。
モロです。
ということで前置きが長くなりましたが、古民家において「庭」というのはとても大事ですよと。
庭ができてないと家ができてないのと同義であると。
このことを僕は強くお伝えしたい。
しかし当時の僕はお金が底をつき、庭が大事だと気付いてからもそこをどうにかする余裕がまったくありませんでした。
そうして5年くらい経ったのかな、やっと、やっと前栽の工事に着手することができたのです!
こちらが前栽ビフォー。
元々ここには素敵な前栽が続いていたはずなんですが、住人の都合により、ここを潰して応接室が増築されてました。
ほんま何してくれとんねんと。
僕のリノベーション工事のポリシーは「元通りに直す」だったので、この応接室も破壊して、縁側と前栽を元通りの形に戻そうと思ったんですが、縁側を直しただけで資金がショート。前栽はこの荒れ地状態のまま数年放置されていました。
で、
それからさらに3年くらい経った時に、このままだとあんまりひどいんで、とりあえず紅葉を一本植え付けて、さらに周囲に置いてた石を転がして、飛び石の場所決めをしてみたんです。
こんな感じ。
あ、ちなみにこれ見るとなんか僕がひょいひょい石を置き換えて、「もうちょい右やな~」とか言って簡単に色々試したように思われるかも知れませんが、石を動かしたことがある人ならご存じの通り、これめちゃくちゃ重いからね。実際は石を一つ動かすのに腰を落として全身の毛穴を開きながら「ああああああ!!!」て叫んでやっと数センチ動くみたいな感じやからね。俺の叫び声でお向かいさんの二階の窓開いたからね。
大変なんですよほんとに。
んでまあそうやって石動かしてさ、力尽きて、さらにもう2年が経つわけよ。
なんかもうこんな状態の庭も見慣れてくるし、今さら無理に庭作りしなくても、こんな感じでもう勝手に自然に還っていけばいいんじゃないの、と思うようになるわけですよ。
しかし実際は違いました。
ぜんぜん違いました。
庭作り、しないと駄目でした。
そもそも、なぜ手を入れることになったかというと、台風ですよ。
前にも書いたけど2018年に大阪を襲った台風21号。こいつのせいで前栽に植わっていた樹齢100年の木が3本とも傾いたんですね。
元々、この木どうしよっかなと思っていたやつだったし、傾きも戻らんし、もう一回同じレベルの台風が来たら今度こそ倒れてしまってその時に土壁で瓦葺きの立派なうちの塀も一緒に巻き込んで倒してしまって全部やり替えることになって見積取ったら300万円、だっふんだ、みたいなコースになることは見えていたので、もうこの機会に伐採させてもらおうと思ったのです。
そんで、じゃあせっかく植木屋さんが来るんだったら、そのついでに何年も放置していた前栽も一緒にどうにかしてくれと。
そういう流れで、今回の前栽工事につながったのでした。
長くなってしまった…
すみません続きます。