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古民家リノベーション体験談94 渡り廊下は無塗装

【前回までのあらすじ】虫さんも鳥さんもぼくの家においでよ!

どうにかこうにか完成したように見える渡り廊下。
でもまだ完成してませんでした。
なぜならこの渡り廊下もお金をケチって塗装を自分でやることにしたからです。

塗装前の渡り廊下

一見何の問題もないように見えますが、右の壁をよく見ると、石膏ボード丸出しです。
なのでここは自分で塗っちゃいました!
まずまずの仕上がりで満足!

…とかよくDIY系のインスタやブログに書いてるじゃないですか。
なんかみんなすごいお手軽感出してくるじゃないですか。
自分で塗ったよ~疲れた~☆みたいな。
あんなん嘘ですからね。
塗り終わった後にインスタ書いてる余裕なんかないですね。
だってこの壁に色を塗ろうと思ったらまずその周りの木枠を塗るためにマスキングして木枠にオイルステインを二度塗りして乾燥させてペーパーあててニス塗って乾燥させてペーパーあててマスキング剥がして壁用にマスキングをやり直してパテこねてパテ埋めして乾燥させてペーパーあててもう一度パテ埋めして乾燥させてペーパーあてて飛び散った粉塵を掃除してシーラー塗って乾燥させて塗料を二度塗りして乾燥させてやっと完成ですからね。
疲れた~☆どころちゃいますからね。
僕だったら指がプルプル震えてインスタ以前にまずiPhoneの指紋認証が通りませんね。

ということで、そんな嫌すぎる作業から逃げまくった結果、廊下の塗装に着手したのが渡り廊下ができてから8ヶ月後でした。
8ヶ月後、それは真冬。
今から思えばさっさとやっとけば良かったと思います。
というか、普通に職人さんに頼めばよかったです。
だって自分でやったら一週間くらいかかったんですよ。職人さんに頼んだらたぶん5秒でやってくれたと思いますよ。
職人さんと素人の一番の違いは、「上手さ」よりも「スピード」かなと思います。
なんでも嘘みたいに早いですからね。
昨今はDIYが流行ってますが、DIYにまったく楽しみを見出せない僕のようなタイプの人間にとっては、DIYつっても単に自分の時間の切り売りですから、浮いた金額と自分の拘束時間が割に合わなければ意味ないんですよね。
まあ当時はそんなこと考えてる余裕なかったので、職人に頼むと高い! だから俺がやる! くらいにしか思ってませんでした。
でも自分でやるとこんな目に遭うんです。

真冬の庭で粉パテを練る

寒さでかじかむ指に息を吐きかけながら、LEDライトの元、ショリショリショリと木の棒で練るコナパテ。
最近TVを見た人たちから「いい家に住んでるんですねぇ~」と羨ましがられたりしますが、TVに映る煌びやかな渡り廊下の壁のパテには、僕の涙と鼻水(寒さによる)が染み込んでいるのですよ。

夜のマスカー

廊下の塗装は僕が限界MAXだったので、ついに初めて嫁にも手伝ってもらったんですが、なんか、文化祭の準備みたいでちょっとだけ面白かったです。
夜の投光器に照らされるマスカーがきれいで。

夜のマスカーと嫁

で、何を塗ったのかというと「ポーターズペイント」というちょっとレアで特殊な塗料です。
ムラや刷毛跡が簡単に付けられるんですよね。

廊下の塗装完了

そしてついに完成!!
疲れた~☆
もとい、
バタンキュー!!
こんなに疲れたのは壁だけじゃなくてそれに付随して窓枠なんかも塗ったからですが、僕の経験上、窓枠の色は窓に合わせた方がいいっす。
新材を古色塗装するかどうかはお好みかな~と思いますが、デザイン的に、古建具の窓枠は、古建具の色に合わせた方が収まります。
そういう理由で、渡り廊下の窓枠はすべてオイルステインで塗り塗りしました。

ヒノキの梁

ただ、こちらの渡り廊下の梁のような横架材。
これはヒノキのいい木で、大工さんが何度も何度もカンナかけてくれてツルツルになったものです。
僕が窓枠を塗るんだと言うと、親方は梁を指さして言いました。
「これを塗ったら承知せんぞ」
なるほど。
塗料なんか入れてしまうと、せっかくカンナをかけてツルツルになった立派なヒノキの木が台無しになるのか。
なるほどなるほど。

ヒノキの梁

塗ったった☆
だってデザイン的に塗った方がいいんだもーん。
親方がこのブログを読んでませんように…

つづく

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