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古民家リノベーション体験談その後4 土間のポーチにパーゴラをつけた話

さて今週のクロニカさんは、土間の大谷のポーチにパーゴラをつけた話をしようかなと思いますよ。
「ドマのオオヤのポーチにパーゴラ」とか言うとお庭に興味のない方にとっては「ファルシのルシがコクーンでパージ」みたいに聞こえるかも知れませんが、皆さんパーゴラ知ってますかパーゴラ。
こんなやつ。

土間のポーチのパーゴラ

↑この天井の木の棒の部分です。
もう取り付けてから一年以上経つんですが、今回はその時の記録をご紹介しますね。

そもそも、なぜパーゴラを付けようと思ったのかというと、もちろんですがイキるためです。
これは言うまでもありませんよね。
日本におけるパーゴラの主目的の実に99%がイキるためです。
うちにやってきた人に「すご~い! お庭にパーゴラがあるの? ステキ~」と思わせるためだけにパーゴラは存在します。
かく言う僕もパーゴラが何の役に立つのかいまだに分かっていません。
最近は近所の野鳥に見つかって格好の止まり木として使われて糞を落とされまくっています。
あっこれブドウとか這わせればいいのか?
と思ってブドウを買ってきて植えましたがブドウさんのテンションが低く全然這ってくれません。
まあいいや。
とにかくパーゴラをつけたんですよ。
ステキでしょ?
で、今回は自分でできる範囲を超えてたんで、工務店さんにお願いして、プロの大工さんに作ってもらうことにしました!

セメントを練る

ってなんで俺がセメント練っとんねん。
なんで毎回こんなことになるねん。
まあ予想してたけども!
大工さん「ほんなら明日来ますんで、それまでここに基礎やっといてくださいね~、あ、真ん中に穴開けといてください、2cm角くらいで」
じゃねえよ!!
そんなんやったことねえよ俺!!

基礎の型枠

って怒りつつ、やっちゃうからいけないんですよね。
型枠ってこんなんでええの?
見よう見まねですけど。
ちなみに奥に隙間があるのは、排水のためです。

基礎

そこにセメントを流し込むと。
2cm角の穴ってこんなん?
知らんけど。
ペタペタ。

パーゴラの土台

デケタデー。
こんなんでいいの?
と写真を送ると「いっすよ~」とのこと。
翌日、大工さんは軽トラに材料を積んでやって来ました。

パーゴラの材料

パーゴラは部屋じゃなくてただの木を組んだだけの構造物なので、材料は超シンプルです。
木材と、金物だけ。
柱がヒノキ、垂木とかは米松だったと思います。

鑿を使う

そんで柱にこうして凸をつけて、さっきのセメントの凹に、はめ込むんだそうです。
なるほど。
凸部は僕が適当に端材をつっこんで作った穴なので、それに合わせてノミで削っていきます。

パーゴラ作り

まーでも現場でこうして刻んで、調整して、っていうのは見てて面白いですね。
これがプレカットとか工業製品だと、黙々と組むだけじゃないですか。
なんかそういうのってデジタルっぽいというか、揺れ幅がないから、大工さんも腕の見せ所が無くてつまらんのじゃないかなあと、勝手に思うわけです。
まあうちみたいに急に大工さんが
「あっ! しまった、そういうことか…」
「え、どうしたん?」
「なんでもないです」
みたいなね、いや、なんでもないことないやろとかね、そういうのは困りますけど。

パーゴラの柱

さっきも書きましたが、うちの工務店はヒノキ原理主義者なので柱はヒノキ。
米松の梁とドッキングしてから起こします。
ちなみにこの作業中に大工さんがふと「僕、このヒノキの匂いは嫌いなんすよ」と一言。
へー、好きとか嫌いとかそんな違いあるんや。
と思ってから、気付きました。
「あ、これひょっとして強制乾燥材じゃないの?」
すると大工さん「そうっすけど、そのせいなんですか?」と。
ビンゴ。
たぶんそのせいです。
木材を殺してしまう強制乾燥材と、木材を生きたまま扱う自然乾燥材の違いについては、この対談をどうぞ。

さて無事に柱に梁が取り付けられました。
パーゴラなので、かなり長い寸法の柱と梁。これをどうやって一人で持ち上げて立てるんだろう、大工さんってすごいな、と見ていたら、
「そっち持ってください」
ですよね!!

パーゴラの柱を立てる

常に施工に参加させられる施主。
ちなみに非力な僕はこのクッソ重い材木のバランスを崩して倒してしまいそうになった時に火事場のクソ力でなんとか持ちこたえたもののその際に左肩を故障して半年くらい治りませんでした。

パーゴラの梁の取付

梁の片方はどこで支えてるのかというと、こんな感じ。
こんなんでいいの?
こんなんでいいのか古民家再生!
まあべつに荷重かかってないし、柱もセメントに乗せただけやし、これでいっか。
この方法が良いのか悪いのかは置いといて(たぶん悪い)、こうやって思いつきでパーゴラ付けられるのも古民家の醍醐味ですよね。
だってこれ普通のサイディングの家やったら無理やん。こんなところに適当に梁くっつかんやん。
「梁ってどこに付けるの?」
「あの辺っすね」
「りょ」
というこのお手軽感は、僕のように日々思いつきで生きている人間にとっては非常にありがたい。

余談ですが、普通の家に住んでる僕の友達が、家に車をぶつけられたそうです。
傷はそんな大したことなかったんですが、まあ一応傷がついたんで、ハウスメーカーの担当に修復を頼んだら、その壁材が生産終了になってて、同じ色のものが無いということで、家まるごと全塗装を提案されたらしく、足場を組んで全部塗り替えたそうです。
そんなことを思えば、この家のラクさが伝わるでしょうか。
柱にボルトがブッ刺さってても気にならない家です。
それがオシャレということではなく、そんなことにいちいち引っかかってたらキリがない家ということですね。

パーゴラの垂木

そんで垂木はこう。
僕が「垂木はあそこにくっつけて~」と言ったらマジでくっついとるがな。
これどうやってんの?
大工さんすごいね。

恐怖心に欠ける大工

すごいといえば高所に対するこの感覚。
高所恐怖症の僕からすれば、これは尊敬を通り越してもはや気持ち悪いレベル。
ほらよくGoProで動画撮りながらエッフェル塔とかに登って一番上から片手でぶら下がってフォー!! とかやってる外人さんいるじゃないですか。
ああいうネジ飛んでる感じしますね。
たぶん大工さんって公になっていないけどみんな脳の外科手術受けてると思いますよ。

パーゴラ完成

ということでパーゴラ完成!
すごい!
かっこいい!
事前に木を刻んできたというものの、大工さん、2時間でこれ作っちゃいました。
たぶん自分でやってたら3ヶ月くらいかかってたと思います。
いやーよかったよかった。
と思ってたら、最後の調整をしてた大工さんが「あれっ、セメント動いた!」と言いました。
ぼく「?」
大工「これ下までちゃんと掘って、叩きました?」
ぼく「えっ」
大工「えっ」

パーゴラとタープ

さて、どうにか無事完成したパーゴラ。
しかし使い方がよく分からねえ。
ネットで画像検索すると、なんかタープみたいなものを付けてるお宅が多かったので、なるほど! と思いさっそくAmazonで注文してみました。
思ってたより色がダサかったけどまあよい。
四隅にフックをつけて、吊してみます。

パーゴラにタープ

おっ!
なんかそれっぽい!
思ってたより色がダサかったけどなんか雑誌に載ってるやつみたい!
ヤッター!

このようにして、我が家のパーゴラはできあがったのでした。

その後、面倒くさがりな僕がタープを張ったまま放置してたら雨が降ってタープに雨水が嘘みたいに溜まってその重さでフックが全部折れて完全にやる気を無くした僕がずぶ濡れのタープを丸めて床に叩きつけたりしたんですが、それはまた別の話。

おしまい。

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