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古民家リノベーション体験談その後 納戸から屋根裏に登れるようにした話・その4

【前回までのあらすじ】

「また村が1つ死んだ…」
遠い目でそう呟き、施主は踵を返した。その背後には真っ白な胞子に覆われた、かつては物入れとして使われていた空間が広がっている。そこには既に生命の気配は感じられなかった。
「行こう。ここもじき腐海に沈む」
何も知らず、右足にじゃれてまとわりつく次男の頭に手を置き、施主は静かに階段を降りていった……

– 完 –

…じゃねえよ!
その物入れを使いたいんだってばよ!
ということで納戸の天井やぶって屋根裏部屋にダイレクトアクセスしてハッピーになろう計画、第四弾です。

いつもこんな書き出しだから初見の人が速攻でブラウザを閉じちゃうのは分かってるんですが、いやでもほんと屋根裏部屋を見た時は完全にユパ様の気持ちでしたよ。
降り積もってたのは胞子じゃなくてホコリなんですけど、普通のホコリじゃないのよ。古い土壁が100年かけてポロポロと崩れ落ち、それが風によって舞い上がって降り積もった、土埃。
皆さんホコリと土埃の違い知ってますか?
粒子の細かさですよ。
ホコリは手で集めたりクイックルワイパーとかで拭き取れるのに対して、土埃はそんな大きさじゃありません。めちゃくちゃ細かい粉。いわば粉塵。
あのこれ家の工事した人は知ってると思うんですけど、工事やってて扱いが一番大変なのは、木くずでも、解体した廃材でも、隙あらばサボろうとする大工でも、隙あらば住み着こうとする近所のネコちゃんでもなく、粉塵なんです。

ホコリの堆積した屋根裏部屋

これが屋根裏部屋なんですが、見えますでしょうか、棚に置かれた黒い箱の表面が白くなってますね。これが粉塵です。
掴めない、触れない、降り積もるまで目視できない。
空間に無限に広がり、拭こうとすれば空中に舞い上がり、吸い込もうとすれば掃除機を壊し、マスクをすり抜けて気管に入り、どんなに密封したつもりでも隙間から無限に外に出てきて日常生活用品のありとあらゆる隙間に堆積することが可能な究極の兵器、それが粉塵。
これはまじで細菌兵器を防げないのとまったく同じ理屈で、手の打ちようがありません。
そんな超めんどくさいものが、見渡す限りの物入れの表面に降り積もっているのでした。
これを掃除するとなるとおそらく全身真っ白になって死の灰を浴びた北斗の拳のトキみたいになるでしょう。
僕は悩みに悩んで、ある結論に達しました。
「よし、金で解決しよう」
僕は工事が終わったと思い余裕の表情でスマホでゲームしている大工さんに言いました。
「掃除してきて」
「え?」
「掃除してきて」
「嫌ですよ」
「お願い」
「嫌ですって」
「お金はらうから」
「嫌です」
「物入れ使われへんやん」
「掃除くらい自分でできますやんか」
「お金はらうから」
「えぇ~……」
「お金はらうからお願い」
「え~………」
「お願い」

屋根裏部屋の掃除

ということで屋根裏部屋の掃除&片付けを大工さんがやってくれることになりました。
いやーお金の力ってすごいですね!
お金さえあればすべての問題は解決するんじゃないかって思いますよね!
どうせ掃除するなら、ということで、屋根裏部屋に転がってた廃材とか不要品とかを土間側の出入り口からどんどん外に出していきます。
ここ、あとで紹介しますけど滑車が付いてるんで、超便利なんです。
ていうか、今まで屋根裏部屋にはここからしか入れなかったんですよ。ひどくない?
新築住宅の完成見学会で営業マンに「そして、屋根裏部屋への入口はこちらになります」とか言ってこの頭上にぽっかり空いた穴を紹介されたら言葉を失いませんか?
僕、今までロング脚立でここから入ってたんですよ。
今回の工事の重要性がお分かり頂けたでしょうか。

それから一時間後、「大原さん……やるだけやったっす……」と屋根裏部屋から完全に死の灰を浴びたトキみたいになった大工さんが降りてきて僕は爆笑しました。

屋根裏部屋の掃除

はい、これが遂に全体像をご紹介できる状態になった、屋根裏部屋でございます。
てかすごい!
やるだけやっとる!!
えらい!!
「あとは自分でやってください……」
そう呟き、業務用掃除機と投光器だけを残して、真っ白の彼はパチンコ屋に消えていきました。

そうなんです。
これでまだ終わりじゃないんです。
この写真、一見きれいに見えるじゃないですか。
でもね、たとえば裸足で歩くと、まだまだ普通に真っ白になるんですよ。
だから次は拭き掃除で徹底的にきれいにしていきたい!
でも自分でやるのは嫌!!
ってことでカモンボーイズ!!!

屋根裏部屋の片付けの手伝い

はい。
お金で釣るとなんでもしてくれる子供たちがやってきて、せっせと掃除をしてくれましたよっと。
いやーやっぱりお金の力ってすごいですよね。
といっても報酬は10円なんですけどね。
その対価が不当だということに子供たちが気付くまでは全力でこき使わせてもらいます。

屋根裏部屋の片付けの手伝い

これがさっき出てきた滑車です。
元々ここについてたものです。
これのおかげでバケツの水を交換するのも、大きな荷物を捨てるのもラクラクなのです。
かなり重いものも上げ下げできるので、ひょっとしたら次男くらい吊り上げられるんじゃないかと思いましたが、炎上しそうなのでやめておきました。

おお、今回で終わると思ってたけど終わらねぇ…
すみませんあと1回だけ続きます…

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