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古民家リノベーション体験談その後 いい感じの壁があったので本棚つくった話

リノベ体験談その後シリーズ!
今回は大きなリノベ工事が終わってから今まで7年間ずーっと見て見ぬふりをしてきた空間をついにどうにかしたっていうお話です。
ていうか別に本棚取り付けただけで、相変わらずどうにもなってないんですけどね。
まあいいや。
まずこれ見て。

縁側からの通路

これはうちのトイレ横にある縁側へと続く通路です。
ここは元々家の外で、手水鉢を眺めながら厠へと濡れ縁が続いていたはずの場所なんですが、40年前のリフォームによりこのように室内に組み込まれ、魔改造され、ごらんの通りベニヤやツルツル床などの新建材が使われまくった結果、風情もへったくれもない空間になってしまったエリアです。

こういう新建材はかつてこの家のありとあらゆる部屋に使われていたんですが、僕はリノベ工事でそれをすべてぶっ壊し、無垢材と自然材でやり直しました。
しかし唯一、この短い通路の部分だけが残ってしまっていたのです。
え? これはこれでいい感じの砂壁だし、和風でいいじゃないかって?
これをよく見ろ貴様。

壁紙

砂壁風の壁紙やがな!
まさにこの家の恥部。
間違ってもインスタにアップされない、存在を消された悲しき通路。
もちろん僕は毎日トイレに行くたびにこの通路を忌々しく思い、いつの日か必ずここをおしゃれにしてやる…と思っていたんですが、ある時、僕は気付いてしまったのです。
ここ、なんかいい感じじゃない?
いい感じに平面が続いてない?
あれっ?
ここってひょっとして本棚作れたりしません??

そうなんですよ。
うち、本がめっちゃあるんですよ。8割マンガなんですけど。
いつもインスタでチラチラ写ってるヘリンボーンの仏間の本棚の他に、あと3つ本棚があるんですよ。
何百冊あるんか数えたことないけど、でっかい本棚があちこちに4つもあるとね、どこに何があるのか全然分からなくなって、読みたい本が見つからず、いくら探しても見つからず、いや絶対持ってたはず、この家のどこかにあるはずだと30分かけて探しても見つからずいやもうこれ買った方が早いわと思ってAmazonで注文してさらに本が増えるというこの悲しきデフレスパイラルをいつか脱却したいと、常々思い悩んでいたのですよ。
そのためにはもう4つの本棚をすべて統合した巨大本棚をつくるしかない。
そして作家でアイウエオ順に並べるしかない。
ていうかここにそういうのが作れるよね今気付いたけど!!!!

てことでカモン大工!!!!!

「うわ何ここ……めっちゃ暑いやん…」
という文句と共に颯爽と登場した我らが大工さん!
前の日に20秒くらい打ち合わせしていたので、早速カットしたコンパネを持ってきてくれました。
今回僕はDIYではなくちゃんとお金を払う施主なので、ここ暑いのよ~ゴメンねぇ~と言いながら高見の見物です。
しかし僕がアイスを食うためにエアコンの効いた部屋に戻ろうとすると「ちょっと」と大工さんに呼び止められました。

コンパネの採寸

「どこ行くんすか大原さん。今からここ切り落とすんですけど」
ですよね。
もうウチの仕事なんて当然最初っから僕が頭数に入ってるよね。
知ってる。
7年前からそういう扱い受けてるから知ってる。
黙って手渡された鉛筆で、普通に差し金を使ってラインを引く施主。
「そっち持ってください」と言われる前にそっち持ってる施主。
大工さんが壁にビス揉んでる間もコンパネがずれないように身体で押さえる施主。
なんなんほんま。
これがマックなら客がポテト揚げてる状態ですよ。
モバイルオーダーで席に座ったまま電子マネーでスマートに決済してから調理場に走って行ってポテト揚げて塩振って持って帰ってくるっておかしくない??
ねえ大工さんこんなのおかしくないですか???

貼った。
なぜコンパネ貼ったかというともちろん砂壁風クロスが死ぬほどダサいということと、あとは強度を出すためです。
この砂壁風クロスが貼られてる壁、ベニヤなんですよね。
ベニヤて。
だからコンコンってノックするとまじで家の中なのに文化祭のセットみたいな音が返ってくるんですよ。
そういうのも許せませんよね。
僕は美しく暮らしたいんですよ。
生活の中には「美」があるべきなんです。

「美」っていうか「タイガプライ」ですね。
ちょっとなんでこんなハンコ押してる面が表になってんのよ!
うちの本棚はアパレルショップの紙袋じゃねえんだよ!
そう大工さんに文句を言うと「表裏でいうとこっちが表っすよ~」と軽くあしらわれました。
うせやん!
タイガプライ自己主張強すぎるやろ!
憤る僕を隣で見ていた長男(小4)が言いました。
「塗ったら分からんて」
うん…
そうよね…

つづく…

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