続・沖縄の古民家の話
前回は僕のPCの不具合で皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫びいたします。
今日はほんとに真面目に沖縄の古民家のことをご紹介したいと思っております。
てかさ、
もう言いたいこと全部言っちゃってあとは写真しか残ってないんですけど。
それを無言でペタペタ貼って紹介していったらただのコピペブログみたいなうっすい記事になるんですがそれでもいい?
え、いいからさっさと貼れって?
えぇ……
僕の存在意義……
はいはい分かりましたよ。今日は時間もないし、サクッと終わらせますよ。
ではまずは中村家住宅、入り口の写真です。
クッソオォォどうなってやがる!!!
俺のPC!!!
ほんとにすみません、全然思い通りにいかないんです、ちょっとお待ちください……
……
よし、これで大丈夫。
では改めまして、こちらが中村家住宅の玄関写真です。
前回ご紹介したように、外と中の境界が溶けすぎた結果、「玄関」という意識が庭にまで広がり、石でできた壁である「ヒンプン」が玄関ドアみたいな役割を果たしていると書きましたが、横手にはこういう門構えも一応あります。
ありますが、中に入ると一緒です。
すっばらしい。
これぞ沖縄の古民家。
まずとにかく、石畳の庭があるんです。で、建具のない縁側がそこに向かって開いている。
これ。
こんにちわーってヒンプン過ぎて中のエリアに入ったらこういう状態。
これが沖縄の古民家には玄関がない、と言われるゆえんです。
一応写真左端には土間があって、格子戸があるので、まあどこが玄関かと聞かれればそこなのかも知れませんが、ご覧の通りどこからでも入れるので、いちいち左端に移動する必要は感じられない。
高校の修学旅行で初めて見たこの佇まいが最高にカッコよくて、古民家のことなんか何も分かっていなかったその頃からずっと、心のどこかで「なんかあれすっごい良かった」と思い続けていたのでした。
今回30年ぶりの対面になりましたが、やっぱり良いよ。ほんとに。本能的に何かしらの「好ましさ」を感じる。
それは洞窟だったり森だったり、きっと何かそういうレベルの好ましさ。
一応、建具もあるところにはあります。雨戸と障子。
こんなんでセキュリティとかどうなってんのよ、と思いますが、盗人はたぶん悪霊を寄せ付けないとされるヒンプンエリアで全滅するんでしょう。
でもそんなの街なかではムリですよね。
我々が実際にはこういう開放的な家には住めないと分かっている、だからこそ憧れる……!
今なんかノイズが入りましたけどもう無視して進めます。
これが土間。
土間は案外わりと土間って感じ。ふつうの土間。
でもなんか、庭全体が土間って感じなので、作業場というよりは倉庫的なニュアンスも感じられる。
あ、だから石張りなんかな?
ヒンプンが玄関なんだとしたら、庭が土間になるもんね。
この考察、けっこう当たってるのでは?
だとしたらこれもまた「降雨をあんまり気にしない」という文化ならではの感覚ですね。
土間の入り口には格子戸がある。
あるっていうか、一応あるだけ。
ここに鍵かけてもまったく意味がない。
という点においては、あの頃の我が家の玄関にとても近いものを感じて涙が出てきますね!!
Beautiful.
僕が芭蕉だったら反射的に一句詠んでたと思います。
やはり沖縄古民家の美しさは、このフラットに切り出された石垣と共にあると思いますね。
障子とフラットな石垣。
お城みたいに立派なやつじゃなくて、田舎にある丸い石を積んでぼこぼこしたやつでもなくて、なんというか、この遺跡感。
しかも南国の植物。
やっぱあれですね、違う文化同士が出会って生まれるものが一番興奮しますね。
沖縄って、元々の琉球文化、そのルーツとなる中国や東南アジア、さらにはポリネシアの文化、そこに日本とアメリカの文化が混ざって醸成された文化圏なので、ほんとにミックスというか、沖縄、としかいいようのない風景と建物があって、僕は改めて大好きになりました。
芭蕉も奥の細道じゃなくて国際通り歩いたら良かったのに……と思います。
最後にこれは語らざるを得ないポイント、屋根。
コンクリート住宅だらけになるくらい限界台風エリアである沖縄の古民家は、もうそりゃ屋根の台風対策がすごいのです。
地震とか、雨とか、美しさとか、そういうパラメータを「台風」に全振りしてます。
まず屋根自体をめちゃくちゃ重くする。当然。
次に瓦同士を漆喰でめちゃくちゃ固める。当然。
そして屋根を低く、広く、とにかく風の影響を受けないようにする。当然。
さらに最後にシーサーで台風を威嚇!!シャーッ!!
という、
死んでも飛ばんぞ、という強靱な意志を感じる仕様となっております。
そんで、そういう必要に迫られた意匠が、やっぱりなぜか美しいのよね。
でも悲しいことに、やっぱりこっちと同じで、沖縄の古民家もどんどん潰れて無くなっています。
特に南方の市街地だと、普通に歩いてたら見かけることも無いんじゃないかというくらい。
それはほんとにどうにかしたいところですよ。
一つ希望が見えたのは、ぶらぶら街を歩いてた時、一軒だけ、新築でこういう形の住宅を建てられているお宅があったこと。
おおお!!
と思って僕はすごく嬉しくなりました。
実際、条件が揃えば新築で建てられるんだと思います。
だからあとは、施主が「建てたい」と思えるかどうかですよね。
それは沖縄だけじゃなく、日本全体の話です。
僕の数々の飯テロを乗り越えてここまで読んでくださった皆さんになら、その思いは通じていると思います。
そんな僕らが「素敵」「いいよね」と言ったり書いたりすることが、地道ですけど、みんなの意識を少しずつ変えていけるきっかけになると思ってますよ。
ということで沖縄古民家編、すごいがんばって2回で終わらせました。
ほめて。
おわり。