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古民家リノベーション体験談118 最終回

【前回までのあらすじ】最後までこの誰の役にも立たないあらすじを入れ続けたことを誇りに思う

ついにこの時がやってまいりました。
3年半の間、思う存分語りまくった古民家リノベ-ション体験談。
この118回をもちまして遂に完結いたします!
このなんとも中途半端な数字…
いや、この中途半端な感じこそが、まだまだ終わらない古民家リノベーションの実態をよく表しているといえよう!
実際今でもしょっちゅうあちこち触ってますからね。
だからまあ、これはひとまずの区切りです。
過去の清算です。
そして未来への門出です。
これより始まる35年ローン伝説の幕開けなのです…!!
いやぁぁぁ!!

そんなわけで体験談最終回。
何の気なしに書き始めた体験談がまさか118回も続くとは。
全部読んで頂いた方がいらっしゃったらもうほんとお疲れさま&恐縮です。そしてほんとにありがとうです。
特に新築の話をやってた時にリアルタイムで読まれていた方々、古民家のサイトで新築の話を数ヶ月にわたって読まされるというあの苦行によくぞ耐え抜いてくれたと思います。
でもおかげさまで、これで僕の体験したことはほぼ紹介できました。
おそらくほぼ全部、親方のシモ系の話以外は全部書きました。
すっきり爽快です。
そして、これだけいろいろ体験した僕が、工事が終わってから、この出来事を誰にも話さずに一人で抱えて生活することができなかったという感じも、今なら分かって頂けるんじゃないかなと思います。
こんなん一人で抱えるのんムリ!
こんな面白い話みんなに喋りたい!
という大阪人の血がそうさせたのかは分かりませんが、ブログを書き始めたのはたぶんそれが主な理由です。
またそれと同時に、自分が調べた時に古民家に住むための情報がなさすぎたという状況もあり、じゃあ俺が全部喋ってやんよ、と思ったのがクロニカ誕生のきっかけでした。
実際こんなニッチな話に需要があるんかなーと思ってましたが、読者様から頂くおたよりやメッセージに、とても助かったとか、このサイトに出会って良かったとか、すごく勉強になったとか、この3年間にいろいろなお言葉を頂き、ああ、情報を求めてる人がこんなにもいるのだと、サイト立ち上げて良かったなーと、しんみり思うことが何度もありました。
こんな40過ぎてゼルダばっかりやってる僕でも人様のお役に立てることがあるのですね。
これまでメッセージをお送り頂いた皆様、改めましてどうもありがとうございました。

さてリノベーション体験談が終わり、時は一気に現在へと進みます。
あれから3年? 4年? それくらい経った現在の僕が、リノベーションした古民家で実際どう暮らしているかというと。
本当に!
本当に思い通りに!
思い描いていた通りの暮らしをしています!
すごい!
奇跡!
いやだってこういう話って大体一番ええとこまでの物語を紹介するけど、その後って語られへんやん?
たとえばクラファンでお客がアプリで自分好みのメニューを作れるこれまでに無いまったく新しい形のピザ屋を立ち上げてTwitterでかなり話題になるけど結局1年で潰れてたりするやん?
あるいは遅刻しそうになって走ってたら曲がり角で運命の人にぶつかってその子が転校してきてしょっちゅう意見がぶつかったり気持ちがすれ違ったり雨の中叫んだりライバルが現れたりして最終的に結婚するとこまでは描かれるけど実際はその後で旦那が職場のストレスからギャンブルにはまって相手の親といさかいを起こしてるかも知らんやん?
世の中そういうもんやけどそこは描けへんやん?
でも実際大事なのはその後やん?
というね。
「大金をかけて憧れの古民家に住んだけど、いろいろ思っていたのと違っててショックで金銭的にも精神的にボロボロになりました」みたいなことがあっても、誰もそんなことわざわざ人前で言いませんよね。
僕もそこが不安でした。
ブログとかインスタとかで古民家住んでて幸せアピールしてる人ら全員、何か本当のことを隠してるんじゃねぇかと。
実は致命的な欠陥があるけど、それを自分で認めることができず、また公にもできず、憧れの古民家に住めて最高です~♡ っていうキャラを演じ続けてるんじゃねえかと。
疑り深い大阪人ですみません。
しかしそんな疑り深い人に、今僕は、この最終回で、声を大にして言おう。
憧れの古民家に住めて最高です。

だいたい最高じゃなかったら118回もこんなん書きませんて。
もうほんと思ってた通りの感じですよ。毎日。
まーこの先何が起きるか分かんないですけどね。ヘビとスズメバチと泥棒と火事には気をつけるとして、地震や台風は来てみないと分かんないですから。
特に地震なんて耐震等級2の家でも熊本地震で壊れてますからね。
一応この家は伝統耐震診断によって震度6でもいけるって診断結果出てますけど、災害に100%の保証は無いし、分かんないですよね。
だからとりあえず今のところ、数年住んだ僕の感想ですけど、思った通り、理想通りの暮らしを、させて頂いていますと。
恐縮ですと。
前にも書きましたが周りの人たちとあまりにも住環境が違いすぎてなんか申し訳ないんですよ。
僕は離れを解体&新築したりして思いっきりお金をかけたのでアレですけど、それでもローン金額はざっくり新築の人たちとほぼ同じくらいじゃないかと思います。
でもその結果得た成果物のレベルが違いすぎる。
そしてそのレベルの違いは満足感の違いとなり、それは僕がこの家に住む以上、毎朝、毎晩、毎日、毎週、毎月、毎年と、永遠に続くのです…!

昔、建築雑誌とかを読んでた時にね、えらい建築家の先生が「人間の意識がこの空間でどうたらこうたら」ってウンチクたれてるのを読んで、ケッ、建物が人間にそこまで影響を及ぼすかよ、と斜に構えてたんです。
家なんかただのハコやんと。
でもこうしてマンションに住み、建売に住み、そうして古民家に行き着いた今の僕は、そのえらい先生の言葉を否定することはできません。
自覚はないんですよ。
古民家に慣れるから。
うわ~素敵~とかはあんま思わないです。自分の家だから。
でも「そうじゃない家」に行った時、居心地の悪さ、全身で感じるほんのりとした不快感、ホテルなんか実際に気分が悪くなったりするし、そうやって逆に自分が毎日住んでる家がどれほど快適で心地良いのかを思い出すのです。
それだけの住環境の違いはきっと、その人の深層心理にも影響を与えていることでしょう。
僕は経験でそう思うようになりました。
我々は一日のほとんどの時間を「ハコの中」で過ごすのです。

いろいろ書きましたが、結論は結局「古民家マジおすすめ、ぜひ住んで!」ということです。
この結論はこのサイトが存続する以上変わりません。
僕はほんとに古民家リノベーションを通じていろんな目に遭いましたが、この全118話の体験談が誰かの助けとなり、その結果この国の古民家が一棟残り、二棟残り、住人はニコニコ暮らし、そうしてどこかの美しい街並みが守られることに繋がっていけば、筆者としてこれほど嬉しいことはございません。
古民家に住みたいなーと思ってる皆さん、いっちゃってください!
そして今まさに古民家リノベ-ション中の皆さん、大変でしょうけどがんばってください!
僕は一足早く辿り着いた古民家暮らしの世界にて、皆さんがお仲間になる日を待っております!
完!!!

…ってなんかこのサイトの最終回みたいになりましたけど違います。
次回からは不定期でエッセイ的なもの、日常の出来事的なものを書いていきますのでお楽しみに。
引き続きクロニカのブログをよろしくお願い致します。

古民家リノベーション完了

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