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古民家リノベーション体験談84 床板のシミと傷と経年変化

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さて、無事に床の工事が終わった母屋。
これで悩みはすべて解決した! となればいいんですが、僕はまだ悩んでいました。
それは、無垢の床材につきものの「塗るんか塗らんのか問題」です。

旧〇〇家住宅みたいなやつは、どの家を見ても無垢の床にいい感じの色がついています。
飴色だったり、長年の歳月によってほとんど黒に近い色だったり、それがすごく素敵なんです。
でもうちの場合はそんないい感じの床板なんかほとんどなくて基本的にプリント合板のツルツルのフローリングでした。
しょうがないのでそれを全部剥がして無垢材に張り替えたんですが、当然ながらその無垢材は新品なわけです。
まっさら。
そんなんいややん!
素敵にしたいやん!
という問題。

事前にネットを色々探したところ、そういうヴィンテージ加工を施したいい感じの床材は売ってました。
でも、高いんですよね。
もう豚肉と牛肉くらい値段が違うわけですよ。
それでどうにかならないかさらに調べたところ、「塗る」という選択肢が浮上してきました。
塗ればいい……のか……!?

まずそもそもですね、古民家の床の色がどういう風に仕上がっていったのかを知らんかったので、それを親方に聞いてみたところ、
「ヒノキを毎日雑巾がけして50年くらい経ったらあんな感じになる」
と言われました。
僕は親方に「僕は50年経ったら普通に死ぬのでヒノキに何か塗ろうと思ってる」と伝えました。
そしたら「アホか」と一蹴されました。
なんでも、ヒノキというのは油分をたくさん含んでるので、塗料を塗るのに向いてないそうです(※親方は無塗装原理主義者なので話半分で聞いといてください)。
さらに「そない慌てんでも何年かしたらええ色になるわ」と言われました。
ほんまかいな。


~そして数年の月日が流れた~

ヒノキの床板

ええ色になっとるがな!!
これはびっくりでした。
前回記事の施工直後の写真と見比べてみてください。
ヒノキさん、たった数年でええ具合の飴色になりました。
あー塗らんで良かった…
ちょうど最近家具をどけたところがあるので、色比較用にもう一枚載せときます。
ここは日当たりの悪いところなので、茶色の部分もかなり薄めですが、それでもこれくらいの変化が起きますよと。

ヒノキの床板

数年でこれなら、僕が死ぬよりずっと手前で「ええ感じの色をした床板」が完成するのではないかと思います。
僕もいろんなところにいろんな塗料塗りましたけど、やっぱり塗装は塗装なんですよ。
ナチュラルな経年変化には勝てません。
てことで、色に関してはこのまま自然の成り行きに任せることになりました。

そしてもう一つ、塗装の大きな目的としては、着色の他に「シミができるのを防ぐ」という役割もあります。
「無垢材 塗装」とかで調べるとどの塗料が一番水を弾くか、みたいな記事がたくさん出てきますよね。
でもうちはご覧の通り無塗装なのでシミだらけ。
もっと言うとシミの9割がヨダレです。
でもいいの。
せっかく古民家に住んでるのに、シミを気にしてピリピリ生活するのってなんか違うやん?
どうせ50年後に真っ黒になるんだから、その辺はナチュラルでいいと思うんですよね。
それになんというか「汚れから必死で守る」という行為自体が、無垢材を高級商品みたいに扱ってるような感じがして…
なんか電話機にカバーかけるとか(例えが昭和)、先生が必死でコンピューター室に遮光カーテンしてるとか(例えが昭和)、なんかそんな感じがするんですよね。
無垢材って、高級商品ちゃうからね。
いや確かにお金は払うけども。
でも「木」は電話機やコンピューターや車とかじゃなくて、僕らと同じ、等身大の生きたものですからね。
一緒に生活して、一緒に古くなっていきたいですよ。

それに、無塗装のメリットもいろいろありました。
特にうちは仏間や脱衣所など、無垢材に塗装したところもあるので、そのリアルな比較ができるんですが、塗装しなくて良かったポイントがこちら!

1. メンテいらん
2. ヒノキは油分が多いので何もしなくてもスベッスベで超気持ちいい
3. アホが床にお絵かきしても最悪削れる

これがトップ3ですね。
なお2に関してはどれくらいスベスベなのかと言うと4歳児のおしりくらいスベスベです。
無意識に撫でてしまうレベル。

ワックスとか撥水加工したい派の方々には、小さなお子様がいらっしゃるご家族も多いと思います。
実は僕も最初、まっさらな床材を目にして、「ここに飲みものをこぼされたらどうしよう」と心配してましたが初日に普通に放尿されました。
そういうもんです。
ついでに言っておくとお風呂ができた時も初風呂の浴槽内で放尿されました。
そういうもんです。
だから考えるだけ無駄かも知れません。
おしりスベスベだから許すけど。

ヒノキの床板の傷

ていうかね、シミができなくてもこんな感じでどうせ傷はつくからね。思いっきり。
新品状態を維持しようなんて、無垢材に対しては思わない方がいいっすよ。心病みますよ。
そんなに柔らかいとは言われないヒノキでさえこれですからね。
スギなんかもっと柔らかいですよ。
僕の感覚ですけど、スギ材はイカの切り身よりちょっと固いくらいだと思っといてください。
ヒノキはイカの切り身よりだいぶ固いですが、それでも簡単に傷がつきます。
だってまだ数年なのに、もうこのように浮造り状態になってきてますからね。

ヒノキの床板の浮造り

「浮造り」というのは、摩擦や風雨によって木材の柔らかいところが削れて痩せていって、固いところだけが残ったええ感じの状態を指します。
お寺の柱とか床なんかぜんぶそうですよね。
もうこの部分が気持ち良すぎて、いつも何気なくスベスベしちゃいます。
まあうちには300年くらい経ってるそれこそお寺レベルの強烈な柱がありますけど、これを基準に考えると、傷とかシミとかって何? みたいな感覚になるんですね。

浮造り

あ、そうだ。
離れは全部スギにしたんですけど、ヒノキとスギの連結部分の写真撮ってみたので見てみてください。

ヒノキとスギ

パッと見じゃそんな変わんないですね。
比べてみれば、ヒノキの方が変色しやすいです。
ヒノキとスギの他にも、うちにはケヤキ、チークという床材がありますが、触ってて一番気持ちいいのはスベスベするヒノキ。
ヒノキまじおすすめ。

ということで、今回は無垢の床板の経年変化についてのお話でした。

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