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「好き」という力

今回は表題の通り、久々の精神論です。
僕が精神論を書く時は、「ああ、誰かにえらそうに説教したい…!」というおっさんのピュアな本能がうずいた時です。
僕には若い後輩や部下がいませんから、えらそうに説教できる相手がいません。
しかし僕は古民家経験者が未経験者に教えるという名目で、このブログで合法的に説教を行うことができるのです。
ガッハッハ。
いいか? お前らは若いからまだ分からんだろうがなあ、家づくりってのはぁ、なんでも自分で決めるんだよ。いいかお前ら、家のこと考えたことあるか? ないだろ? まあお前らは若いからしょうがないよな、でも俺はいろんな家を見てきたから分かるんだよ、家っていうのはなぁ……

はい!
ということで今日も無事につかみで読者を減らしていくスタイルのこのブログですが、離脱しなかった皆さん、いつもこんな僕に付き合って頂きありがとうございます。
47歳の僕は今や身も心もおっさん、すなわち完全体のおっさんですが、おっさんのことが嫌いです。
特に謎の上から目線で説教してくるおっさんと、飲み屋で酔っ払って一体それどうやってるの?て思うくらいぶっとい声で腹の底から笑うおっさんが嫌いです。
これはよく誤解されるのですが、僕がおっさんだからといっておっさんのことが好きになる道理はありません。
あなたが魔法でうんこに変えられたとしてもあなたがうんこのことを好きにならないのと同じです。
よって僕は純粋に、生理的に、おっさんが嫌いです。
ご安心ください。

さて本題ですが、僕がおっさんを嫌いだというのは、べつに世間と比較したり、誰かの意見を聞いたりして決めたことではありません。
生理的な話なんで、当然その基準は自分にあります。
僕がどう思うかです。
という前提でね、家の話をしたいんですよ。
なんで家になると人は損得勘定で考えたり、人の意見に流されたりするのだろうか。
どのHMがいいとか、ベランダ付けて後悔してますとか、アイランドキッチンは本当におすすめだとか、吹き抜けのメリットデメリットとかさあ。
まあでもあれか、飲食店でもみんな口コミ気にするよね。
あれもほんとは全然アテにならないことをみんな知ってるはずでしょ。
全然アテにならないことを知らない人は試しに自分が昔から通ってるラーメン屋とか医者とかの評価調べてごらんなさいよ。
びっくりするくらい点数低いから。
でも、
え、じゃあ私、今まで失敗してたの!!?
とはならんでしょ。
満足してるわけでしょ。
つまりそういうことですよ。
人の意見なんか自分の好みの前には消し飛ぶんですよ。

一般的に、数字の説得力に負けたり、人の意見に流されたりする時というのは、自分に知識がない時です。
でも冷静に考えてみてほしい。
好き嫌いに知識なんか関係あんのかと。
僕はおっさんに詳しいからおっさんのことが嫌いなのではないのだ。
好きなもんは好き。
嫌いなもんは嫌い。
それでいい。

ということでもちろん、住宅のことも好き嫌いで決めてしまっていいのです。
住まいに正解などありません。
省エネでZEHで長期優良で考え抜かれた動線でこだわりのキッチンで広く明るくいつも家族が集まるリビング、じゃなくてもいいんですべつに。
そういうの好きな人ならそうすればいいですけど。
いやいや省エネ住宅にしないと月々○万円変わってくるんですよ? とお考えの方は月々○万円で自分の好みをねじ曲げてそこまで好きじゃない相手と結婚できる人なんだと思いますが僕は無理です。
月々○万円かかっても好きな人と一緒に暮らしたいです。
僕が家に求める基準は、その家が好きかどうかです。
そのキッチンが好きかどうか。そのお風呂が好きかどうか。
その家の見た目が気に入ってるかどうか。
そんだけです。
そのせいで月々○万円かかっても、それはそういうもんだから「それはそういうもんでしょ」って脳が処理します。
そうしないと月々○万円が浮くとか、それを選ばないと○年ごとのメンテナンスに○万円かかるとか、そんなこと気にしてる人はそもそも好きなものを選べてないんじゃない? って思いますよ。
大学時代から付き合ってる恋人が東京に就職してしまって、遠距離恋愛でコストがかかるからと言って、同窓会で再会した地元のちょっとワルかった中学時代の同級生に乗り換えたりしますか?
しますよね。
すみません今の忘れてください。
じゃなくて、
ほんとに「好き」なものに出会った人は、そういう損得勘定から自然と距離を置くことができると思うんです。
好きなものから得られるエネルギーは無限大です。
昨日も幸せ、今日も幸せ、明日も幸せ。
好き、という力を侮ってはいけない。
僕がここまで頑張ってこれたのもこの家が好きだからだ。
○○○万円トクするからではないのだ。
愛は地球を救うし、古民家も救う。

もちろん借金増やして僕みたいに玉砕しちゃダメですけど、少なくとも「好き」を見つけられた人は、誰かの常識に合わせたり、誰かの意見に流されることはなくなり、自分で納得のいく家づくりができるんじゃないかなと思いますよ。
なので、まだ自分の「好き」が見つかってない皆さんは、ひとまず家づくりはおいといた方がいいかもです。
まずはいろんなものを見て、自分の好みを自分で学び、そうして本当に自分が好きなものを見つけてからでも家をつくるのは遅くはないと僕は思います。

長々書いたわりに内容うっすいですね。
次回はちゃんと書きます。
おわり。

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