断熱してない古民家の寒さ対策としての「火鉢」
あけましておめでとうございます2025。
ということで突然ですが火鉢です。
みなさん「火鉢」知ってますでしょうか。
炭と灰を使うが、囲炉裏でも七輪でもない、それが火鉢。
暖まりたいのか何かを焼きたいのか目的がいまいちはっきりしない、それが火鉢。
実家に転がってるけど誰も使わないのでそのうちメダカを飼ったり植木鉢カバーにされたり傘立てにされたりしがち、それが火鉢。
我が家でもメダカを飼って、それが全滅してからは「メダカが全滅した呪われし死の器」として小屋の隅っこに放置されていたんですが、このたび、その火鉢が突然脚光を浴びることになりました。
きっかけは、三重県の山路工務店の小林さんと立ち話していた時のこと。いや~うちは断熱してないんで真冬は座敷使えないんすよ~みたいな話をしてたら、小林さんが「火鉢いいですよ」と。
「大原さん火鉢持ってます?」
「あ、持ってます、たぶん」
「灰は?」
「はい?(しゃれ)」
「灰が無いとだめなんですけど、あれ買うと高いんですよね」
「あー、持ってないですねー」
「じゃ今度あげますよ」
という軽いトークをしてたんですが、なんと小林さん、まじで持ってきてくれました。
灰を。
たしかに考えてみれば火鉢とか囲炉裏とかって中にめっちゃ灰がはいってますね(しゃれ)。
ああいうのってたしかにデフォルトで入ってないのでどっかで手に入れる必要があるんですけど、あんな大量の灰、小林さんどうやって手に入れたのかって思ったら、これ薪ストーブの灰なんですって。
「広葉樹の灰がいいんですよ」とのこと。なるほど~!(わかってない)
その灰を、こうしてふるいにかけて、きめ細かなやつだけを使うそうです。
ひたすらふるいにかける小林さん。
それをぼけっと突っ立って眺めてるだけのぼく。
一級建築士の先生に何させとんねんと。
いや、動画撮ってるんですよ。
そうなんです。
この時点で我が家における火鉢の有効性は確認されておりません。
自ら古民家にお住まいの小林さんですが、その家はあくまできっちり断熱された古民家なので、うちみたいな隙間だらけのローコスト古民家でも火鉢で暖かくなれるのかは不明。
なので今回の企画は完全ドキュメンタリーでお届けしております。
ようやく火鉢二つぶんの灰が用意できました。
小林さんおつかれっした。
ちなみに上の火鉢がメダカデス火鉢、下が今回小林さんにもらった金属製火鉢です。
灰入れたらめちゃくちゃ火鉢っぽいですね。
何年も前にうちに来て、メダカが死んで水が腐ってくっさくなってヌルヌルでキモ、みたいな感じでそのまま放置されてた火鉢ですが、お前、火鉢やったんか……という心境です。
ごめん火鉢。
次はそこに入れる炭を用意します。
この炭も、自給自足ガチ勢の小林さんが自分で焼いた炭。
ぼく炭焼ける人って炭治郎しかいないと思ってましたが身近にいました。
あ、火鉢用の炭はべつにオリジナル炭じゃなくて大丈夫です。普通にコーナンに売ってるやつで可。
ちなみにこの炭起こし器はWEBERのしっかりしたやつでオススメですが、小林さん、ガチすぎて炭起こし器の存在を知らなかったようで「これは便利やな!」と驚いておられました。
一周回って文明の利器を捨てつつある小林さんに、二周回って僕が文明の利器を教えていくという無意味なサイクル。
炭を用意している間に、二組目のお客さんである、岐阜の空間建築工房の吉田さんご夫妻が到着。
吉田さんと小林さんは同じ全国古民家再生協会の支部長同士なので仲が良いのです。
吉田さんはうちの子供たちにいろいろおやつを買ってきてくれたんですが、「これ大原さんにぴったりやと思って!なんかすごい大原さんって感じでしょ!」
無視しました(お菓子は美味しかったです)。
そんなことより!
ようやく炭に火が点いて、火鉢が完成して!
あの極寒の、死の世界であるうちの座敷に運び入れてみたところ!
ネタ的にもうオチになっちゃいますけど!
この動画見て!
(【注意】興奮した48歳おっさんのクソデカボイスが流れます)
はい!!
ということで、すごいですよね、火鉢めっちゃ暖かかったです。
身体の表半分はこれで問題なしです。
だって火だからね。
目の前で火ィ焚いてっから。
まあ背中とか腰は寒いかなーとか言ってると「だからどてらを着るんですよね。あれ前が開いてるけど火鉢があるから大丈夫」と小林さんが仰ってウオオオオ!なるほど!!と思いました。
いやー昔の人が隙間だらけで大丈夫だった理由が分かりましたよ。
なるほどなぁ。
一応、もし炭がパチッと跳ねたらということで、下に板を敷きました。
これでもうあとは火鉢を楽しむだけ……
というところで、すみません、次回に続きます。
続きっつっても我々4人がひたすら火鉢を楽しむだけの内容ですが、古民家の中に火鉢があるとどういうことになるかを具体的にお伝えできると思います。
それではまた次回!