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古民家リノベーション体験談42 ローン、それは借金

住宅ローン

【前回までのあらすじ】南大阪の人はちょっとおかしい

プラン決まって、仕様決まって、建築確認申請出して、さあ着工、の前に、すみません、この話だけさせてください。
ローンの話です。
これは見積の話と同様、かなり重要なお話です。
いやちょうど読者の方から「古民家再生で住宅ローンって借りれるの?」というご質問が届きまして、この体験談的にもちょうどその部分にさしかかっていたので、ちゃんと書いておこうと思ったのです。

住宅ローン。
よく耳にするこの単語ですが、耳にした時、皆さん特に何も感じないと思います。
でもたとえば「当時32歳だった若き男性が背負った悲劇!! 還暦を過ぎてもまだ終わりが見えない巨額の借金……『長男夫婦に何もしてやれない』と男性はうなだれた」
とか週刊誌に書いてたらうわーって思うじゃないですか。
でもそういうことですからね。
借金ですよ借金。
って僕も自分で書いててうなだれてますけど。

ではうなだれないためにどうすればいいか!
答え!
キャッシュで買え!
以上!!!
あ、話終わってもた。
でも実際、うちの集落にはお金持ちの方々がたくさんいらっしゃって、キャッシュでリフォームしたり新築したりするんですよ。
すごいよね。
そのせいでうちの親方もローンのことにあまり詳しくなかったという衝撃の事実があったりしますが、
そんな特殊なエリアの方々は置いておいて、まー普通はローンですって。
ねえ。
で、まずはローンを組むことの是非ですが、還暦過ぎて返済が残ろうが、ローン組んだせいでブラック企業を辞められなくなろうがね、どうせどこに住もうが家賃取られるんだもの。
じゃあ自分のものにした方がいいじゃん。
人間だもの。
というよくある考え方で僕はローンを組んだのでした。

僕は自営業で、かつジリ貧なので、大手はダメでした。そこで親方に相談したところ、地元の信金を紹介してもらい、ドキドキしながらアポを取って向かいました。
あのね、ローン申込みに行くのって緊張しますよ。
人生初体験でしたが、なんちゅうか、「お金貸して~」ってお願いに行くわけじゃないですか。
てことは、金持ってないってことじゃないですか。
でも銀行さんは金持ってないやつに貸したくないじゃないですか。
あれ?
ってことはどうなるの??
金持ってる風なハデな感じで行けばいいの?
あっでも金遣い荒そうに見えたらダメじゃん!
じゃあ貧しく慎ましく暮らしてる感じ?
あっでも貧乏だったら借金返せなさそうじゃん!
などと、
どんな服装で行けばいいか夫婦で揉めたりしましたが、実際行員さんがチェックしていたのは三期分の決算報告書であり、服はべつに見てませんでした。

ちなみに金額については、2000万円ほど借りました。
2000万円です。
ところがその頃の僕は既に施主ゾーンに入っており、2000万円が200万円くらいに感じていたので、特に何の感想もありませんでした。
しかもですね、その後でお金が足りなくなってさらに2回も借金を重ねることになったのですが、はっきり言って、いまだに自分が借りているお金の総額にピンときていません。
やばいやつです。
お金を借りたらあかんタイプの人です。
カード破産した人がどっかのインタビューに答えてました。これは何でも買える魔法のカードだと。
それに近いです。
2000万とか3000万とか言われても何のこっちゃ分かりません。
なんか毎月払えって言われるから毎月払ってるだけで、35年後のことなんか一切想像してません。
僕思うんですけどね、うちの嫁がFPの資格取ったりしてますけど、人生設計なんかできるわけないってば。
人生設計してる人は、人生設計した気になってるだけで、ほんとにそういう人生を歩むのかっていうと、歩まないですよきっと。
と思いません?
FPの例題に「40歳のAさんは、息子が高校生になる10年後に、ファミリーカーを処分して新しく300万円の車に買い替えます」みたいな設定あるんですよ。
だから10年かけて300万円の貯金をしておきましょうね、という話ですよ。
でもさー。
1年後にAさんがピュアオーディオにはまって1本数十万のケーブル集め出したらどうすんの?
2年後に息子に天才的なバイオリンの才能があると分かったらどうすんの?
3年後にAさんの不倫が発覚したらどうすんの?
4年後に奥さんの実家の150年続く老舗の豆腐屋が後継者問題で揉めて奥さんに白羽の矢が立ったらどうすんの?
5年後に「二度と会いません」という誓約書を交わしたにも関わらずAさんと不倫相手がまだ続いてたことがLINEの誤送信でバレたらどうすんの?
という。
これらどのイベントが発生しても、車買い替えてる場合ちゃうと思うんですよ。
だから人生いつ何が起きるか分かんないし考えてもムダなので、僕は何も考えずに、計算もせずに、銀行が貸してくれる分だけ借りたのでした。

ああ、余計なことばかり書いていたら長くなってしまった…
全然本題に入ってないのに…

すみません、続きます…

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