古民家リノベーション体験談9 カビ臭との戦い その2
【前回までのあらすじ】湿った古畳はラスボスではなくただの中ボス
古畳がカビ臭の原因であることを突き止めた僕は、軽トラを借りてきて数十枚の古畳をすべて処分することにしました。
ちなみに「畳」と軽く書いてますが、皆さんホームセンターにあるようなおしゃれ畳をイメージしてはいけません。
古民家のそれはマンションよりも一回り大きい本間というビッグサイズであり、しかも今風の軽いクッション材など一切入っていない本気の藁作り(藁床)で、さらにそれがどっぷり湿ってるわけです。
それをふうふう言いながら軽トラに詰め込み、処理場にぶちこんだのですが、その時「Success!!」と叫んだ僕の笑顔は、その十数分後、
「ただいま~」といって玄関を開けた瞬間に凍り付きました。
ぬうあ!!
あまりの激臭に思わず世紀末覇者みたいな声が出ます。
さらに臭くなってる…
なんでや…
逆上した僕は畳の下に敷かれていたバラ板をバールで力任せに剥がしました。すると、
ぬうあ!!
あまりの激臭に再び世紀末覇者みたいな声が出ました。
こいつがラスボスか!!
床下にびっしりと敷き詰められたバラ板。そう、木は臭いを吸い込み、吐き出します。
考えてみれば数十年間湿り続けていた畳とぴったりフィットしていた床板が無事なわけありません。
どうしよう。
畳と違い、床板は最後の砦です。
この下はもう土です。
床板を捨ててしまうと、土の上を歩くことになり、なんかもう家じゃなくなる感が出てきます。
僕はGoogle先生に質問しました。
「板 カビ 除菌」
臭いをどうにかできても、結局カビ菌が生きていれば意味がないと思ったので、まず諸悪の根源のカビを滅殺することにしたのです。
そして分かったことは、薬局で売ってる純度高めのエタノールをシュッシュすればいいということ。
それでカビは退治できるそうです。
僕は速攻で薬局に行ってエタノールを買い、釘で打ち付けられたバラ板(100枚くらいあった)をすべて剥がし、復元用に東西南北の部屋の位置と連番をすべてに記入し、水洗いして、ブラシでこすって、表と裏にエタノールをシュッシュして、乾燥させました。
その時の写真がこちら。
今から思えば涙ぐましい努力です。
結論から言うと100枚くらいのバラ板は床に戻ることなく、庭の塀や、トイレの棚や、風呂の目隠しや、仕事部屋のテーブルの天板などに生まれ変わり、散り散りになっていったのですが、その時の僕は明日を信じて必死でバラ板をブラッシングしていたのです。
もう一つ結論を書いておくと、当時は古民家の床下はみんなこんなんだと思ってましたが、はっきりいって違います。
臭いのはウチだけ。
それから何軒もの古民家の床下をチェックしてきましたが、今のところ、まじでウチだけ。
それはそれで凹みました。
それだけ無理な増築をしちゃったってことですね。
話を戻します。
ブラッシングを終えてバラ板をきれいにした僕は、意気揚々とバラ板を元通りに並べ、床をふさぎました。
これでもういい加減大丈夫だろうと。
そして翌日の朝。
ホアアアッ!!
激しい怒りで僕の肩あてが両方とも吹き飛びました…
つづきます