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古民家リノベーション体験談69 間取りの詳細

【前回までのあらすじ】ほんま南向きの納戸だけは納得いかんわー

前回はざっくりと間取りプランをご説明しましたが、今回はもうちょっと具体的に、何がどうなったのかをお話していきます。
まずは母屋のビフォーアフターを間取り図でご覧ください。

ビフォー
間取りビフォー

アフター
間取りアフター

はい。
なんかちょこちょこ変わってますが、ここで取りあえず注目して頂きたいのは、構造についてほぼ何も変えていない、ということです。
具体的に言うと壁の位置ですね。
この図では黒い太線の部分がそうなんですが、新しく増やした壁はあるものの、減った壁はありませんし、場所を移動させた壁もありません。
やっぱり基本構造はできるだけ触らない方がいいということもありますが、そもそも古民家は基本的に全部の空間が繋がっていて、視界には柱しかありませんので、間取り的にはいわば真っ白なカンバスなわけです。
そこに何をどう描くかはあなたの自由!
なので、無理なことしなくても、理想は実現させやすいと思いますよ。

ではちょっと詳細を見ていきます。

居間比較

こちらは図面の左半分。
ご覧の通り、3つの和室を一つにした部分ですね。
でもこれ、最初っから一つやからね。襖とガラス戸取っただけだから。
なので実質、床を畳から板に替えただけ。ついでに縁側の敷居を取って、フロアをフラットに一体化させました。
まー縁側とは言うものの、この南の縁側は30年くらい前に新建材によって増築された風情も何もないどうでもいい部分だったので、少しでも部屋が広くなればいいやと思って一体化させたのです。
これはもうほんとやって良かったですよ。
というのもね、この家は北入りといって、北側に通りと玄関があるんです。
てことはすなわち、通りに面した部屋がいい部屋!
お客さんを通すのも、道行く人にさりげなくドヤるのも北の部屋!
え? 日当たり? なにそれおいしいの?
という100年前の日本人のちょっと理解できない感覚によって建てられたこの家、暗くて寒くてこんなん誰が使うねんという北側の3間が8畳のフル豪華仕様で、日当たりのいい南側の3間が6畳、4畳、4畳なんですよ。
これはちょっとどうにかならないかと思いましたよ。
それで縁側を一体化させて面積を増やしたというわけです。

そんでもう一つ工夫というか、考えたのは、部屋をきっちり区切らないようにしたこと。
この図面ではソフトウェアの都合上「キッチン」「リビング」とか名前がついてますが、実際はシームレスにつながっていて、どこからどこまでキッチンなのか、どこからリビングで子供スペースなのか分からない感じになっております。
つまり緩やかにL字型に空間があるという感じ。
これはまさに古民家の特長であると同時に、狭さを感じさせない大きな理由の一つでしょう。
人間、実際の狭さどうこうよりも「視線を遮られる」と狭いように感じるのです。
このL字型につながった3エリアを壁で区切ったとしたら、それはそれは狭苦しい部屋になっているに違いありません。
よく、うわめっちゃ広いやん!と一瞬思うけど実は壁がまるごと鏡でした~、みたいな店あるじゃないですか。
あれって「なんやねん鏡やんけ、セコいことしやがって…」とか思いますけど実際その後もずっと狭さを感じないじゃないですか。
そういうことですよ。
もともと壁の少ない古民家は、それをそのままにするだけで超簡単に「広々空間」が手に入るのです。

ちなみに余談ですが、古民家に住んでみると現代住宅が壁だらけなことに気付きます。
そして、「……なんでこんな壁で区切るん?」というシンプルな疑問を抱くようになります。
それこそが構法の違いであり、文化の違いであるわけです。
とか言い出すとまた長くなるのでここでは割愛しますが、「壁」一つとっても色々あるのです。

では次。

座敷比較

こちらは図面の右半分。
まずは左手の仏間が板張りに。
そして縁側が復活。
あとは右下の建具入れがトイレになって、渡り廊下がドッキングと。
トイレと渡り廊下はいいとして、仏間を板張りにしちゃった理由ですが、これは普通の床板ではなく「ヘリンボーン」と呼ばれる床材を貼りました。
なぜ仏間を板張り、それもヘリンボーンにしたのか。
それは、仏間をヘリンボーンにしてる家なんか無いだろうなと思ったからです。
だっふんだ。
前回の投稿を思い返してみてください。この仏間の上に描かれていた僕の文字を。
そう。
なぞ。
なぞなんです。
ここは何か分からん部屋なんです。いまだに何か分かりません。
こういう部屋が生まれるのも古民家の醍醐味です。
何か分からないので、何か分からないことをしてやろうということです。
自分でも何言ってるか分かりませんが。

さて、これで母屋をリノベーションする大体のプランが決まりました。
次回からは、具体的な工事風景とその体験談を紹介していきたいと思います。

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