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古民家リノベーション体験談78 はじめてのトイレ作り

【前回までのあらすじ】またつまらぬ物を斬ってしまった…

皆さん、今日も元気にトイレ作ってますかー!
え!? 作ってない……?
それどころか、今までトイレを作ったことが…ない…だと…!?
ぼくもー!!

はいすみません。
これ書いてるの夜中なんです。
テンションの適度な調節が分からないんです。

ということで、これを読んでいるほとんどの方がトイレを作ったことがないように、同じく僕もトイレを作ったことがありませんでした。
ていうかそれまでトイレを「作る対象」として見てませんでした。
なんかもうそんな体験ばっかりしてるリノベーション工事。
今回はそんな僕の、はじめてのトイレ作り体験をお届けします。

あ、最初に言っときますが、今回はトイレの話なんで、確実にウ〇コの話になります。
読者様の中には食事中の方もいらっしゃると思いますので、そんな方のため今回「ウ〇コ」を「タピオカミルクティー」という単語に置き換えてお送りしますね。
ちなみに今まさにタピオカミルクティー飲んでるよ~という人は、それを飲みきってから読むことをお勧めします。

さて本題。
電気が来て、水道が使えるようになって、ガスが開通した離れ。
もうこれで住宅機能としてはほぼ完成ではないかと思い、僕はそろそろ家族を呼ぶ算段を立てていました。
そこで親方に「もうすぐ家族呼ぶわ~」と伝えたところ、親方は「まだ呼んだらあかん」と。
え、なんで?
混乱する僕に親方は言いました。
まだトイレが仮設やろ、と。

皆さん仮設トイレって知ってますか。
野外フェスとか、災害現場とか、建設現場でよく使われてる仮設トイレ。
ビジュアルはこんなんです。

仮設トイレ

ちょっといい写真がなかったので分かりにくくてすみません。
現場スタイルの僕と、仕事終わりの大工さんに手を振る息子。
の向こうに写り込んでるのがソレ。
伸びきった雑草がいい味出してます。
仮設トイレとは簡単に言うと縦長のゴミ回収ボックスみたいなやつに和式便座つけて、その下にタピオカミルクティー用タンクをセットしたものになります。
親方は、こういう仮設トイレは女の人は嫌がるやろ、というのです。
さすが細かいところに気付く親方!
そうか。
半年以上にわたる仮設トイレ暮らしのせいで慣れてましたが、確かにこれはよろしくない。
仮設なので当然造りはチープ。あちこち隙間があって便座にしゃがんでおしりを出すと、おしりにピューピュー風が吹きさらします。
とにかくそのアウトドア感がすごい。
「風が吹くなかで用を足す」というのは、人間に何かこう、すごい背徳感というか、自分がこれまで大切に守ってきた大事な一線を越えてしまったような感覚を抱かせるのです。
しかも真冬でもそんな状態でおしりを出すわけです。
なんか山で遭難でもしてるかのような錯覚を起こします。
じゃあ夏は快適なのかというと、完全にボットンなので、なかなかのスメルが香り立つわけです。
しり出して、汗ダラダラ流しながら、むせかえるようなスメルを吸わないよう口で息をしつつ用を足すのです。
もっと言うとそのスメルの元であるタピオカミルクティーは、自分のタピオカだけではなく、職人さんたちのタピオカもたくさん混ざってるわけですよ。
ああ、書いてて辛くなってきた…

ところが当時は他に辛いことがありすぎて、それくらい何とも思ってなかったのでした。(悲惨な事実)
でも普通の家に暮らし続けている嫁は普通の人です。
こんな環境きっと耐えられないと思います。
ということで、母屋が触れるようになってまず最初に着手したのが、トイレ造作なのでした。
(実際はその前に騙して家族呼んだけどな☆)

トイレ位置

めっちゃ以前にトイレの位置決めについて書いたことがありますが、我が家のトイレは一箇所と決めてましたので、全体の動線の途中にあるこの辺をターゲットに考えてみたところ、おっ、ちょうどいいところに建具入れがあるではないか。
古民家は夏と冬で建具を替えるんですが、その建具を入れるための小部屋が、図示したところにあったのです。
広さもちょうど1畳くらい。
よーし、じゃあここトイレな!!
ここトイレにすることな!!
と小学生ばりに勝手に決めたのでした。

でも今から思えば理にかなってるんですよね。
ちょうど離れの浄化槽がすぐ側だし、増築によって潰された本当の昔の厠も、まさに同じ位置にあったはずだと、今なら分かるんです。
おそるべし小学生の直感。

トイレ壁

元々、増築の際に作られた建具入れということもあるのか、壁とか超適当に作られてました。
剥がしたら断熱材もなくペラッペラ。
剥がした内壁もベニヤでペラッペラ。
その上に貼られていたのは土壁風のビニールクロス。
さらに言うと床もペラい。
現場を見てた僕が「なんやこれ、文化祭かよ!」とツッコむと電気屋の社長が爆笑してましたが、実際、全体がもう文化祭のハリボテレベルでした。
伏図だけ見てここをトイレにすると言ってみたものの、工事が始まって判明したあまりのペラさに、え、これってちゃんとトイレになるの? と徐々に不安が増してきます。
思えばこの物入れが増築された30年前は、こんなレベルの新建材で作られたハリボテハウスが多かったのかも知れません。そう思うと、古民家~現在の途中にある過渡期の物件はけっこう怖いです。

…長くなりました。つづきます。

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