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古民家の選び方1 土地編その2

近くの海

前回までのあらすじ】土地(天竺レベル)を探す → 挫折

なかなか思うような土地に建つ古民家がない。
数ヶ月かけていろんなところを回りましたが、そもそも絶対数が少なすぎ。
なので古民家さえあれば、その他の多少のマイナスポイントは妥協しよう!と思いましたが、実際

「隣が墓地」
「2秒で海」
「崖の上のポニョ」(壁に亀裂あり)

みたいなマイナスどころか生死に関わるレベルだったので全滅。
どうしたもんかと悩んでいたところに、一本の電話が入りました。

「もしもし、○○不動産ですけど。前に古家探してるゆうてた人? 実は今ちょうど一件あるんやけど」
「はぁ」
「見てみます?」
「はい」

電話の主は、以前片っ端から電話攻撃した不動産屋のうちの一社でした。
その時は空振りに終わっていたので、電話はまさに青天の霹靂。ところが既に僕は「古民家付の土地」に一縷の希望も持てなくなっていたので、テンションめっちゃ低いまま電話を切りました。
不動産屋さんも「自分から電話かけてきて何やねんこいつ」と思ってたと思いますが、僕の方は
ハッ、どうせ隣が墓地で崖の上で2秒で海に転落するんやろ?
とか考えてました。
するとしばらくしてFAXピー。
どれどれ。
ほう。土地広いな。価格も安い。駅も近い。墓地も海も崖もないな。
ハッ。
どうせ肝心の古民家がボロボロでむしろ墓地より怖いやんけ!っていうオチやろ?
ん?
持ち主さん住んではるの?
成約後の退去?
……ほう。

FAXに載っている情報は、今まで探したどの物件よりも好印象でした。
それで取りあえず内覧の予約をとりました。
ただ、思いっきり疑心暗鬼の状態です。
疑心暗鬼なので、一応不動産検索サイトでも載ってないか確認しましたが、載ってません。
ますます疑心暗鬼です。
(今から思えば大手サイトに古民家物件が載ってないのは普通なんですが、その時は知らず)

そんなわけでテンション低いまま、内覧当日を迎えました。
不動産屋さんから徒歩でいけるというので、てくてく歩き、10分後。
「ここですわ」
は?
目の前に現れたのは、これまでの廃屋ではなく、ポニョでもなく、

「屋敷」

としか形容できない建築物でした。

つづきます

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