古民家リノベーション体験談82 #シロアリのいる暮らし
【前回までのあらすじ】座敷わらしさんへ。もう家ができました。至急お戻りください。
床下の土をすべて交換し、どうにかカビの臭いがマシになった母屋。
次に注目するべきところは構造材です。
すなわち、柱!
大引!
根太!
束!
…って何?
という方もたくさんいらしゃると思います。
大引とか根太とかいうのは、床の下に転がってる水平の材です。
束は、大引を受ける補助の材です。
とか言っても何のこっちゃだと思うので、イラストを描きました。
久々に僕の画力が爆発です。
ちなみに僕のイラストは取り合いがメチャクチャ(by兵庫の坂井さん)なことに定評があるので、間違ってもDIYとかの参考にしないでくださいね。
で、これだけではまだ何のことか分からないので、名前を入れてみました。
おお!
分かりにくい!
ちゃんと知りたい人は「大引 根太」で画像検索してみてください。
もっと分かりやすい絵がいくらでも出てきます。
正直このイラストに色をつけてる最中に「これ、俺が描く必要あるのか」と5回くらい思いました。
まあいい。
とにかく古民家の床下はこのようになっているのです。
で、
床の畳とバラ板を剥がすと、こいつらのどこがどうなってるかが一目瞭然なんですね。
シロアリに喰われてないか、湿気で腐ってないか、床を剥がした時にそういったことを完璧にチェックしておけば安心です。
もちろんうちもチェックしましたよ!
うん、大丈夫!
ってなんでやねん!
誰がどう見ても喰われてるやん。白くてアリアリした人たちに。
でも大工さん、「芯が残ってるからいけるっすよ~」とか言ってそのままにしやがりました。
ほんまかいな。
でもちょっと調べてみたら、確かに大工さんの反応の通り、シロアリに喰われた跡はべつに珍しくもないようです。
専門業者にも見てもらいましたが、母屋の床下については、シロアリさんたちはもうお引っ越しをした後のようなので、まあええか、と。(※風呂場にはめっちゃおった)
それに荷重がかかってる柱じゃなくて、横架材ですから、まあ、芯が残ってればいける……のか?
冷静に考えてみたら、もし新築でこんな大引が使われてたらもう大炎上してTwitterトレンドで1位取れますよね。
でも僕は普通にスルーしました。
もうこの辺で既に一般的な感覚が崩壊してたと思います。
とは言え、傷んでた根太とかは取り替えましたが。
あと、束も金属製のものに交換しました。
束が金属製だとシロアリが上がってこないし、揺れてコケたりしないらしいので。
この辺はほんとかどうか分かんないですが、実際床下を覗いた時にまあまあコケてた↓ので、じゃあついでにやっといて、と頼みました。
すると大工さん、何やらコンクリを練ってこんなものを作り始めるではないですか。
え、何コレ。
聞くと「束の下に置くベース」だそうです。
え、こんなんホームセンターに売ってるんちゃうの?
と思いましたが、何か理由があるのかも知れないと思って、成り行きを黙って眺めていました。
一日経ってコンクリのベースが完成し、金属の束が入りました。
当時は大工さんが時間をかけてコンクリを練っているのを不審に思っていましたが、あれからたくさんの知識と経験を積んだ今、僕はこう思います。
こんなんホームセンターに売ってるんちゃうの? と。
束を交換したあとは、根太の上に再度合板を敷き、その上に仕上げのヒノキの床板を張りました。
これで床の完成です。
ただ、まだいろいろと作業が残ってるので、傷が付かないように床板の上にベニヤで養生して、封印。
ベニヤの養生が剥がれるのは、キッチンや漆喰の塗り直しなどの内装工事が終わったあとです。
ああ、やっと床ができた。
解体した時より、屋根を葺いた時より、壁が仕上がった時よりも、一番「空間が変わった」と感じた瞬間でした。
つづきます。