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古民家におけるポジティブとネガティブ

古民家好きの皆さんこんにちはー!!
皆さんは自分のことをどう思ってますかー!!
いろんなところにアンテナを張ってセンスもあって常に流行の最先端を追い続けてる自分だから家も普通の家じゃなくてオシャレな古民家に住むという選択ができる自分ってスゴイ!!って思いますかー!
それとも性格に欠陥があり上司にも部下にも嫌われて友達もいないし地味な顔だし服もダサい何をやってもダメな自分が古民家に住むなんて言ったら周りからどんな陰口を叩かれるか分からない……って思いますかー!
はい。
このように、同じ人でも自分の捉え方ひとつで陽キャにも陰キャにもなる、それが人間。
今回はそんなお話をしていこうと思います。

さっきの例のように、優秀でいけてる私も全然ダメダメな私も、その人のイマジナリー空間にしか存在しません。
現実に存在するのは「古民家に住もうとしてる30代の日本人」という事物だけです。
でもこの世のほとんどの人は事物だけを冷静に見ることはできず、そこに何かしらポジティブなニュアンスや、ネガティブな香りを付け足して物事を捉えがちです。
たとえばメルカリにMサイズの同じパーカーが2着売ってるとします。
この時点ではそのパーカーには何のニュアンスも含まれておりません。
でも6枚目の着画に片方は小太りのおっさんがピチピチで着て中腰でスマホを鏡に向けてる写真があり、片方には可憐な女子がオーバーサイズ(袖から指しか出てないやつ)で着ているキメ顔の写真があるとして、あなたはどっちを買いますかっちゅう話ですよ!!
どっちも洗濯してるから服の生地の状態は化学的には同一!
しかし女子の方が即完売しておっさんの方は何ヶ月も売れ残るのはなぜだ!!
世の中のおっさんはもっと怒っていい!!!
おっさんだって真面目に生きているんだ!!!
同じ布やんけ!!!

……ハァハァ。
すみません脱線しました。
とにかくこのようにですね。同じものでも「文脈」によって人はポジティブに捉えたりネガティブに考えたりするものなんです。
で、
何の話かというともちろん古民家の話。
思い返せば僕は建物自体や工務店なんかよりもこの「ネガティブ」と戦っていたように思います。

古民家というのは、現代日本の「夢のマイホーム計画」みたいな既存の文脈から外れた存在です。
ゆえにその価値は誰も大声で言ってくれません。
(文脈に乗っかってるやつは企業が大声でチヤホヤ言ってくれます)
よってそれを自分で決めないといけないんですが、まーそれが難しい。
「古民家」と「古民家に住む私」を、誰の手も借りずにポジティブにとらえ、肯定しないといけないのです。
でも自分には何の根拠もないのでグラグラです。
ネガティブなことを言われた時に反論できる材料(知識・経験)がないので、ちょっとでもそういうことを言われるとしんどくなってしまいます。
そんなあなたに僕は言いたい。
相手のイマジナリー空間に付き合う必要はないと。
住む家くらい好きに選ばせろやと。
相手に付き合う必要はないっていうのね、僕には根拠があるんですよ。

僕は自分の家もそうでしたし、いろんな工務店の人たちの話を聞いてもそうですが、あのですね、
業者にはポジティブなタイプとネガティブなタイプの人がいる、ということです。
これ大事なんです。
特に古民家はかなり大事なポイント。
たとえば柱の根本が腐っていたとします。それを見た大工さんの反応がタイプによってこれくらい違います。

ネガ「あ~…これはひどいね。ダメだね。古民家は最近人気らしいけど、よく調べないで買うとこういうことがあるからね~」
ポジ「あ、ここ腐ってますから、継いで取り替えますね。他のもチェックしときます~」

あーもー書いててムカついてきた!!
どう思います皆さん。
こういう人いるでしょ。
相手の捉え方一つでここまで印象変わるんですよ。
ようするに柱が腐っててもそこだけ取り替えることができるんですけど、それをネガティブに捉えようと思ったらいくらでも捉えられるんですよね。
そもそも古民家なんて既存の価値観から外れてるんだから、なんぼでも批判材料があるんですよ。
今の家に比べてどうだとか、何ができないとか、何が困るとか、「今の家」を絶対視してる人たちからはすぐそういう言葉が飛んできます。
でも上で書いたように、古民家をポジティブに捉えてる職人さんや企業さんだったら、べつに普通の反応で工事してくれるんです。
ここほんと大事。
僕が工務店紹介コンテンツ「プロに聞いてみた」で全国古民家再生協会の皆さんをプッシュするのはそういうところです。
だって全員古民家好きなんだもの。
それだけでどれほど現場が明るく、前向きになり、エネルギーをもらえるか。
そういうところは目に見えないですが、僕は古民家の現場においては、それが最も重要な要素ではないかと思います。

僕もちょうど今三重県で新築のデザインプロデュースやってるんですけど、現場に入ると職人さんも色々いらっしゃいます。
こちらの提案をどうにかして実現しようとしてくれる人。
そうではなく、まず否定から入る人。
どちらも最終的な成果物は同じだったりするんですが、そこに至るまでの道のりが、エネルギーを貰える道のりだったのか、エネルギーを吸い取られる道のりだったのかでこちらのメンタル的な負担が全然違います。
古民家再生は長い道のりです。
その道を、自分の側に寄り添って、一緒に前を向いて歩いていってくれる業者さんをぜひ見つけてくださいね。

おわり。

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