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古民家リノベーション体験談52 お風呂最終章

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皆さんこんにちわ。
もはや新築ブログと化しているこのコーナーですが、新築どころか風呂ブログになりつつあるので、いい加減今回で風呂の話を終わろうと思います。

以前に書いた通り、新築工事に着工してからお風呂とその内装を決める、という僕のファジー(死語)な家づくりのおかげで、風呂が納品まで1ヶ月かかりますと言われた瞬間に行程がめちゃくちゃになって親方が別の家を建てに行って1ヶ月間放置された我が家ですが、そのお風呂がやっと届いた、というシーンから話を始めます。

ハーフユニット設置
お風呂届いたよ~

ああ! なんという安心感。
ずっと前に書いた通り、浴槽と床の間に常に水が溜まっててシロアリがわきまくる在来工法のお風呂とは違い、ユニットバスは浴槽からパイプで浄化槽に直接繋がってる仕様なので、この床下の水気の無さはもう安心以外の何物でもありません。
素晴らしき現代技術!
僕はべつに懐古趣味でも、古民家原理主義者でもないので、こうして便利で快適な現代アイテムはどんどん採り入れていけばいいと思っているのですが、ハーフユニットはその極みとも言えるでしょう。
いくらデザイン的に良いものでも、シロアリはさすがに勘弁ですものねえ。

お風呂の据え付けがやっと終わってからは、お風呂の内装工事がスタートしました。
タイル貼りとガラスブロックです。
なんでタイルにしたかというとそりゃあもうデザイン的に優れているからですが、やっぱり新築と言えど「古民家の離れ」なので、時代を合わせたかったのも大きな理由です。
常々古民家と新築のいいとこ取りを提唱している僕ですが、やっぱり軸がブレるとダサいじゃないですか。
古民家が好きって言ってるのにお風呂のぞいたらキレッキレの高級スタイリッシュモダンデザインだったら「えー」ってなるじゃないですか。
「自然からの恵みは、人の心も身体も豊かにして、現代社会で失われた本当の幸せをもたらすんです」て喋ってるシェフの愛車がベンツだったら「あ、そこはベンツなんや」とか思うじゃないですか。
そういうことですよ。
いや僕はキレッキレのミニマルデザインも好きだし、70年代の昭和レトロも好きだし、海外も日本も好きなんですが、古民家のお風呂っていうと、やっぱりタイル張りなんですね。
なんとなく五右衛門風呂じゃなくて、タイル張り。
で、タイルの下地はモルタルなんですが、ついでに脱衣所の壁と天井と、お風呂の天井を、いい感じに荒らしたモルタルで仕上げてくれと左官屋さんにお願いしてみたのです。
天井がモルタルだなんて、それもまた60年代の文化住宅ぽくって憧れます。
どんなんかっていうとこんなんです。↓

荒らしたモルタル壁

素敵すぎ。
このワイルドさが一発で気に入ったので、直前までこれでいこうと思っていたのですが、ある日ふと僕は気付きました。
ワイルドなお風呂の天井に、ワイルドな黒カビさんが発生した場合、おそらく、隙間がワイルドすぎて一生取ることはできないと。
あっぶねぇ!!
ということで急遽、天井の荒らしたワイルドなモルタルの上に市販の漆喰を塗りまくりました。
荒らしてるからいくら漆喰を塗ってもあちこちにモルタルの出っ張りが顔を出します。
その出っ張り一つを埋めるためだけに、また一面をすべてを塗り重ねます。
しかも天井。
両腕の感覚がなくなり、薄れていく意識の中で僕は叫びました。
風呂の天井のモルタル荒らせ言うたやつ誰や!!
俺や!!!

そんな禅問答と数度にわたる重ね塗りの結果、見事、ワイルドな天井はツルッツルの都会っ子みたいな天井に生まれ変わりましたとさ。
そしたら、なんということでしょう!
水滴が一つも落ちてこないのです!
長風呂でどれほどタイルがびしょびしょに濡れようと、天井の漆喰には水滴が一粒も見えません。
これは漆喰が吸湿してくれているおかげなのですが、「漆喰って吸湿効果もあるんですよ~」と紹介するにはあまりに不自然で、正直すごいを通り越してキモいです。
あのびしょびしょの水は毎日どこへ行くのでしょう。
まあ数年経っても何ともなってないから……まあ……いっか。

天井が漆喰

そんなこんなでお風呂、無事完成。
今は水分が一切付着しない天井を見上げながら、複雑な気持ちでお風呂に入る日々です。

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