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古民家リノベーション体験談51 お風呂づくりと選択肢

風呂作り

【前回までのあらすじ】上半身がジャン・レノで下半身がペッパー君


古民家再生ブログを見に来る人たちにどこまで需要があるのか、だんだん不安になりつつあるこの新築関係の投稿ですが、お風呂作りについてもうちょっと喋りますね。
前回の通り、お風呂はハーフユニットにしました。
上が在来、下がユニットバス。
上が在来ということは、「ドアと窓とカラーはこの3つの中から選んでください」ではなく、真っ白な紙を1枚渡されて、ここに好きなように描けと。そういう「何でもアリ」な状態なわけです。
そこにルールはありません。
お風呂を総ヒノキにして大江戸風にしようが、漆喰で彫像とか作りまくって古代ギリシャ風にしようが、全面ガラス張りで露出狂仕様にしようが、何でもアリ。
でもそんなことを急に言われて、 マジかよ! じゃあ自由にやるぜヒャッハー!
と言える方は少ないんじゃないでしょうか。
一般の方は建築士さんに頼むか、地元の職人さんのセンスに任せるか、とにかく誰かに頼んで、自分で積極的にデザインに関わることは少ないのではと思います。
僕ですか?
僕はですね、実はデザイン関係の仕事をしてまして、まあそういうのは得意なので、自分でデザインしました。

……

あ、話終わってもた。
ちがう! そうじゃない!
前にも書きましたがインテリア雑誌読んでて「この小屋もセルフビルドしたんですよ。大変だったけど、やればできるんだなって」とか言ってるDIY主婦の写真の横に「高松さんのご主人は建築士。色々アドバイスしてもらったのだそう」て書いてて「それズルっこやんけ!!」とツッコんでしまう僕としては、「僕はデザイナーなので自分でやりました」という答えは読者の方々にとっては最高に萎える展開だということを知っているつもりです。
だからあなたの右手の人差し指がブラウザの「閉じる」をクリックしそうになってるのも分かります!
でもちょっと待って! 話をきいて!!

あのですね、大手メーカーさんのオプションって、なんであんなに少ないのか知ってます?
たとえば色。
カラバリあるじゃないですか。カラバリ。10色の中からお選び頂けます!!みたいなやつ。
デザイナー目線で言わせてもらうとですね、こっちは日々PCディスプレイが表現できる最大色数1677万色の中から最適な色を選んでるんですよ。
それをあんた、10色て。
ナメとんかと。
「真っ白」だけでもそれくらいあるわ!と。
そういうわけで僕にとっては到底許容できない世界なのですが、一般の方が突然「1677万色」の中から自由に選べ、とか言われたら笑顔が消えますよね。
じゃあ1000色の中からだったら?
まだダメ? じゃあ100色?
これもダメ? じゃあ10色?
あ、笑った。
みたいな。
すなわち、みんな考えるのが「めんどくさい」のです。めんどくさいから10色くらいの選択肢がちょうどウケるのです。

でも僕はものすごく考えて、ものすごく調べて、ものすごく選びました。
その結果、自分のやりたいことが全部詰まった、自分にとって最高のお風呂ができたと思います。
「用意された選択肢の中から選ぶ」というのは、実は自分が自由に選んでいるように見えて、実際は全くそうではないんですよ。
あれって本来ならそこに存在するはずの何十、何百という選択肢が既に誰かによって選ばれたあとなんですよね。誰かがあらかじめ大きなところで選びまくった後の、その最後の小さな選択肢なのです。
例えるなら学生時代の恋人を「この果てしない宇宙でやっと巡り会えた……運命の人」とか思っててもよく考えたらそれただの近所に住んでる同い年の子やんみたいな感じ。
本当の自由選択というのはそんなレベルじゃありません。
あなたの本当の運命の人は西サハラの中規模都市ラーヌーユにある人気カフェ「Rancho Cafe」の給仕(モロッコ人)かも知れないのです。
運命と出会うのはそれくらいのレベルです。
同じく、「タイルを貼る」というだけでも、そこにはタイルの種類、タイルの色、模様パターン、タイルの大きさ、目地の太さ、目地の色など、ほぼ無限の組み合わせパターンがあり、その中にあなたが本当に気に入るパターンが隠されているわけです。
うわーめんどくせえ!
わかります。
めんどくさいです。
でもね、それをこらえて、ちょっとがんばって考えて、調べて、決定すれば、この世に二つとないお気に入りが手に入るかも知れません。
自分が本当に好きだと感じたお風呂や洗面所の写真を集めて「これとこれとこれみたいにして!」と職人さんに伝えるだけでもいいんです。
あらかじめ誰かがざっくり選んだものというのは、70点を超えることはなかなかありません。
でも一から自分で選んでいくと、90点、100点も狙えます。
モロッコ人は見つからずとも、ちょっと努力すれば自分好みのタイルの貼り方は見つかるはず!
だからみんな、家づくりは100点目指していこうぜ!
というお話でした。


書き終わって読み返したらほぼお風呂関係なかったので、つづきます。

イタリアのモダンなタイルをわざわざ昭和風に外すという高等テクニック。
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