古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

ぼくの話

 

現在19:06、誰に何を言われたわけでもないのに自分で「毎月5のつく日はクロニカの日!」と決めて5のつく日にブログを更新し続けてきた僕が現在19:06、テーマ真っ白、インスタも書いてないやばいこれはクロニカ史上最大のピンチ、ああ昼寝なんてしなきゃよかったという、読者にとっては超どうでもいい危機的状況に置かれているわけですが、あと30分で夜ご飯が始まり、夜ご飯のあとはゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム(1時間半)が確定しており、それから子供たちが寝たあと残されたわずか2時間で果たして今日中にブログをアップしてインスタも更新できるのか…!!?
みたいな感じなんですが、合計2時間半で書けるネタって言うたらもうあれやね、自分のことを書くしかないよね。
ということで今回は僕のことについて書こうと思います。
そんなん誰が興味あんねんと思いますが、あと2時間半なので選択の余地はないのです。

クロニカ自体はおかげさまで古民家界隈においては情報量たっぷりのサイトに育ったと自負しておりますが、「会社概要」もなければ「私たちについて」もない、唯一の情報としては書いてるのが「大原」って名前のやつただそれだけ、みたいな、皆さんよくこんなうさんくさいサイトを読んでくれてるなと、いつかちゃんと自己紹介できたらいいなと、一応頭の片隅には残っていたんですが、なにしろ古民家について話したいことがたくさんありすぎて、「おっさんの自分語り」という人間の話題ヒエラルキーでぶっちぎり最下層な話をする機会が全然なかったんですね。
なのでここで簡単に、ウルトラ今さらの自己紹介をしたいと思います。
あっでも初めてクロニカに辿り着いて一番最初にこの記事を読む人にとっては「古民家のことで悩んでネットで情報を探してやっと見つけた古民家の情報がたくさん載ってそうなホームページをタップしたら知らんおっさんが自分の過去とかをひたすら喋ってるだけのページだった」という最悪な読書体験を提供してしまうことになりますが、もういいのよ。時間ないし。ごめん。先謝っとくわ。

はいでは改めまして、僕について。
僕についてというのはつまり僕がどういう人間でどういう経緯を経てこうなったのかという説明ですが、えーっと、僕は大阪に生まれて大阪に育ち、小学校は今でいう陰キャであり、体育が絶望的に苦手なおかげでスクールカースト最下層に位置し、毎日図書室に入り浸り、休み時間は粘土をこねたりマンガを描いて一人で「フヒヒヒ…」と笑うような子供で、当時一番仲が良かった友達は校庭の楠の木の下に発生するめっちゃでっかいアリでした。
がしかし中学校に入って水泳部に所属し、突然体育会系に…と思いきやその性根は変わらず、単に真っ黒に日焼けした陰キャが完成したというだけの話で、中学三年間も相変わらずマンガを読んだりマンガを描いたりしていました。
とは言え花の中学生、もちろん初恋があって、かわいくて優しくて委員長もやっちゃうクラスのアイドルKさん(仮名)に惚れてしまったんですがなにせ陰キャなので何もできず、修学旅行の肝試しで男女カップルをくじ引きで決める時にくじ引き担当者に裏取引を持ちかけてくじに不正工作を行いまんまとKさんとカップルになったものの、なっただけでやはり何もできず、話しかけられても極度の緊張から「アウアウ」としか言えず、今思えば「お前は何がやりたいねん」という立派な黒歴史を刻んで卒業しました。
そして迎えた高校生、ここから俺は生まれ変わるんだと意気込んだものの、パンフで共学と書いていた高校は入学してみれば実質男子校であることが発覚し(校舎も授業もイベントも旅行先も全部男女別という鬼畜仕様)、しかも超進学校で授業は毎日7時間、毎月中間テストがあり、文化祭は受験に関係ないのでありませんという狂ってる学校で、その時点で人間不信に陥った僕はひたすらゲーセンでストリートファイターⅡをプレイするだけの廃人となり、部活もせず、バイトも禁止で、体育祭の時も屋上で寝て過ごすような人間に仕上がってしまいました。
なのでせっかくの進学校でしたがもう何もかもやる気を失い、大学にも行く気がなく、親がむりやりいくつか受験させたものの受験初日の1時間目の英語のテストの席が教室のドアの近くで「さむい」という理由でテスト途中で帰宅して親にめちゃくちゃ怒られる事件などを起こした後、二つ目か三つ目に受けた大学に合格、晴れて大学生となったのでした。
大学合格で高校3年間のあらゆる無言のプレッシャーから解放された僕は、解放感に満ちあふれ、満ちあふれすぎて何を思ったか中学の時に好きだったKさんに突然連絡を入れてその日の夜遅くにその子の実家にバイクを走らせて外に呼び出していきなり告る、という僕の人生史上最悪のムーヴをかましてしまい…

えっちょっと待って。
クロニカでこんな話書いていいの?
これ書きながら反応がまったく想像できないんですが、皆さん本気で引いてません?
続けて大丈夫?
大丈夫じゃない人はもうブラウザ閉じてね。次はちゃんと古民家の話するからね。

で、何やっけ。
そうそう、いきなり告って、そりゃもうマンガみたいにドン引きされてね、でもKさんめちゃくちゃいい子だからさ、ドン引きしながらも丁寧に対応してもらって、すごく申し訳なさそうに「ごめんね」って言われて、
「そういえば思い出した。わたし中学の時、Fくんのことが好きやってん」
みたいな、懐かしいね、みたいな話になって、あれ? って思って、あっそうか、暗黒の高校三年間を過ごしたせいで中学3年生→大学1年生に記憶が飛んでるのって俺だけで、普通はバラ色の高校生活をエンジョイして、甲子園に連れてってもらったりインターハイで山王に勝ったりしてるんよねって、そりゃ中学生時代なんて遠い昔のことよね、うまく思い出せないレベルよね、じゃあ彼女にとって俺は生きた亡霊やん、俺は夜中にヒロインの実家近くまで襲ってきたゾンビで、Kさんは恐怖に震えながらもそれを優しく包み込むヒロインで、俺はその数カット後でかっこいい主人公にクビはねられるやつやんけ畜生!!って泣きながらバイクを…
もういいですね。
すみません。

大学時代はこれまでのあらゆる反動で、自分でも死ぬんちゃうかと思うほど遊びましたよ。
なんばの無印でバイトを始め、軽音サークルに入り、フリッパーズからQueenまでを幅広くカバーするよく分からないバンドでkeyを担当し、その後クラブで踊るだけのサークルに入り、夜な夜なクラブに通ってオシャレな音楽に酔いしれるなど陽キャ化しつつ、裏では純文学小説を書いたりマンガを読んだり入学のお祝い金10万円を全部ゲームにぶち込んで入学後半年間学校に行かずに1年生前期の単位をほぼすべて落とすなどしながら、思いついたことを心の赴くままに全部やってました。
で、ようやく一回目の人生の転機が訪れます。
それはイギリス短期留学です。
なんかふと世界を見てみたいなって思ったんですよね。
それで、当時でさえ労基法ギリギリだった最低賃金時給640円でコツコツお金貯めて大学二年の夏休みにイギリスに飛んだんですが、こないだの民家サミットの記事でもちょっと書いた通り、そこで出会った各国の方々は僕がこれまで見聞きしてきたどんな人たちよりもフリーダムでした。
イギリスとイタリアを季節によって往復してる人。
飛行機のパイロットを目指して英語を習得しに来た人。
戦争に行くために国費で留学してる人。
自分の国から逃げようとしている人。
自由に生きるというのはこういうことか! と19歳の僕は衝撃を受け、たぶんそこからですね、この僕たちが当たり前のものとして認識している「日本」という国の価値観や常識に強い疑いを抱くようになったんだと思います。
だってそんな生き方、誰も教えてくれなかったんだもの。
親も先生も親戚も友達の親も近所のおっちゃんもおばちゃんも、誰一人、この国から逃げてもいいって言う人はいなかったし、住む国を変えてもいい、良い大学に入らなくてもいい、新卒のタイミングを逃してもいいだなんて、教えてくれなかったんだもの。

こないだも大手のど派手な入社式をニュースで眺めながら思いましたよ。
彼らの大多数は、この巨大な集団と対等に渡り合えず、飲み込まれてしまうのかも知れないなと。
企業は社員を飲み込んでコントロールしたいので、入社式のヨチヨチ歩きの子供たちに全力でマウント取ってきますよね。
僕は広告宣伝側の人間だから彼らのやってる人心掌握のテクニックがよーーーーーく分かります。
でっかい力を見せつけて、集団という迫力をビジュアルと音(拍手など)で演出し、自分にはかなわないと思い込ませておいて、そこでトップが降りてきて優しくする、そんなアメとムチを使い分けて、最後は家族や先輩の信頼に応えないといけないという儒教的なアレで〆。
見ていてマジでエグいなって戦慄が走りましたけど、こういう方法はべつに入社式に限らず、日本人が日本で生きていく上でどこにでも存在します。
でもそんな時、「そうじゃないこともある」「別の自由な生き方がある」ってことを知っておけば、大きなものに飲み込まれずに済みます。
何の話かというともちろん古民家の話です。
古民家に住む、という選択肢を選んだ人は、いくら古民家がブームになろうと市民権を得ようと、全体から見れば圧倒的な少数派であり、新築勢という巨大なものに対しては、紛う事なきマイノリティです。
「みんなと同じ」という安心感を捨て、自らマイノリティになるということ。
古民家の寒さ暗さどうこうより、この国では、僕はここのハードルが最も高いんじゃないかなと思います。
でもここを超えられないと古民家には住めない。
じゃあどうやって超えればいいのか。
それは、どっか海外に行ってしばらく暮らしてみるか、それが無理なら、ネットや本で僕のような人間の声をたくさん集め、脳内で自分の血肉にすることだと思います。
そして僕はそのために日々僕の話をしてるんだろうと思います。

よく言われるのが、僕だからできたとか、僕が特別だとか、僕のようにこだわれないとか、思い切れないとか、そういうご意見ご感想がありますが、ご覧の通り僕なんか初恋に大失敗したただの陰キャです。
僕と、思い切れない人たちとの違いはただ一点。
「自分が手にしている自由を知っている」ということだけだと思います。
自由というのは老若男女、誰にでもあります。
自由がないという人は、自分の自由を日々自分で殺してるだけです。

〇〇したらどうしよう。
〇〇だったら後悔するかも。
こういう不安は自由の前では無意味です。
なぜなら、自由を知る人は、〇〇だったとしてもいいよね、と思えてしまうからです。
どうなろうが自分の自由。
基本的に全肯定。
古民家暮らしとこのマインドはセットです。
なのでどうしても踏み切れない皆さんは、古民家について色々調べるよりも、一度ご自身のマインドをどこまで自由にさせてあげることができるか、という切り口で考えてみてもいいかもしれません。

おー、すんごい長文になっちゃった。
そして最後はおっさんのやってはいけない必殺技の一つ「説教」。
あかんどうしよう。
でもあと1時間しかなくて書き直せないので投稿します。
評判悪ければもう二度としません。
評判良ければ社会人編を…
いらんか。
雑な長文をここまで読んで頂きありがとうございました。
こんな仕事してごめんなさい。
今回こういうメッセージを書きたいがためにすごい長文で自分の黒歴史を世界中の数万人に晒した僕の心意気に免じて許してください。
もう昼寝しません。
おやすみなさい。

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