古民家リノベの予算組む時に見落としがちな費用

これまでわたくしいろんな費用のことを書いてまいりました。
やれ屋根の葺き替えは高額だとか、余計な増築があれば解体費用がかかるとか、床や天井はそんなにかからないとか、夏冬の光熱費がどうとか。
でね、
はたと気付いたのです。
そういえばアレについて書いてなかったかも、と。
いや書いたことあるかも知れんけど過去記事全部掘り返すのめんどいしきっと書いてない気がするので書こうかしらと。
思ったわけです。
アレ以外の費用についてはこの辺をご覧ください。リノベ費用について具体的な金額で書いてます。

さて本題。
古民家をリノベーションして憧れの古民家暮らしを始めようと思う人が見落としがちのアレといえばつまり!!
家具と家電と日用品である!!!

は？
と眉間に皺を寄せた皆さん。分かります。分かりますけど、そんなあなたに僕は訊きたい。
たとえば今、あなたの家にソファが何台ありますか？　と。
普通の人は答えますよね。リビングに1台ですと。
子供部屋がある人は、2台、3台と答えるかもしれません。
でもね、広い古民家に住んで離れもつくるとそんなわけにいかんのですよ。
うち、ソファだけで5台あるんです。
普段は座布団に座ってるのに、そして子供用ソファなんか一つもないのに、それでも5台あるんです。
もっと言うと追加で新しいソファ買おうと思ってさっきまでメルカリ見てました。
テーブルなんかもデスクや作業台を除いても10卓あるんです。
レコードプレーヤーは3台あるんです。
Wi-Fiの子機は3台増設してます。
カーテンの枚数とか照明の数はもう数える気にもなりません。
つまり!!
普通の家の2倍のサイズに暮らしてると普通にそういうコストが2倍になるってことだよ!!

そうなのよねー。
よく「古民家って広くて素敵だけど、お掃除とか大変でしょう？(ニヤリ)」みたいな優越感と劣等感が入り乱れながら言ってくる人って、攻撃するポイントを間違ってるんですよね。
何度も書いてるようにお掃除は平気なんですよ。
たまにしか使わない部屋はホコリも積もらないし、使う部屋だけ掃除すればいいから。
でも家具とか照明とか設備はそうはいかんのですよ。
たまにしか使わない部屋だから灯りはロウソクでいいよね～、とはならんのですよ。
電気いるんすよ。
さっき照明の数は数える気にもならんと書きましたがせっかく記事に書いてるので数えてきますね。ちょっと待ってて。

はい。数えてきましたよ。
47灯あったわ。
まじで。
メインライトやらスタンドライトやら間接照明やら全部入れて47灯。
47つったらこの辺の小学校の一学年くらいやん。
うちの照明だけで運動会できるやん。
でさ、
そいつらのコスト1つあたり10,000円として470,000円。25,000円なら1,175,000円っすよ。
騎馬戦やるどころか騎馬買えるやん。
というね。
しかもこれが照明だけならいいですが、家具とか建具とかはさみとか耳かきとかホッチキスとかそういう備品に至るまで、部屋の数だけそういうのが必要になり、部屋の数だけ分かりにくいコストが発生するのです。
特に今から古民家に住もうと思ってる方々は、今は大体マンションか普通の一戸建て住みですよね。
僕は2DKのマンションから一戸建てに引っ越した時、いろんな家具が足りなくなって色々買って、持ち物が2倍になりました。
そして次にその一戸建てからこの古民家に移って、たぶんですけど、今はもうさらにその3倍くらいに増えてると思います。
たぶん「思ってた以上にお金がかかった」系はこういうところの出費も大きいんじゃないですかね。

逆に言えば、イニシャルは大きくてもランニングコストはそんなにかかんないと思います。
壁やら床やら瓦なんかは自然素材なので非常にタフです。
瓦は100年以上保つし、土壁も漆喰も無垢板も基本的にはメンテフリーで何十年も変わらないので大丈夫。
10年おきにメンテが入る現代の住宅とはえらい違いです。
電気代ガス代も、いくら家が広くても人間が普段使う空間は決まってるので、きっとそれほど変わらないように思います。
どっちかっていうと数十年のうちに大きく変わるのは住人の方です。
知らないうちに外食が増えたりめっちゃ喰うようになったり嘘みたいに太ったりその結果オーダースーツ2着を含むすべての服が入らなくなって泣く泣く服を全部買い直すはめになったり……あっこれは現在形の話か、まあとにかく人間の方が高コスト。
ほんと僕はいつも思いますよ。
ランニングやらコストやらパフォーマンスやらグダグダ言うやつは！人間生きるのが一番コストかかるんやから今すぐ全員死んだらええのんじゃあ!!
…
……
………すいません、何の話でしたっけ？
あ、そうそう、古民家の費用の話ね。
とにかくそういうわけで、普通の新築なら軽く考えがちな家具、家電、照明、小物類などなどの費用は、広い古民家の場合は甘く見ずに、まじで平均の2～3倍は見ておいた方がいいですよ、というお話でした。

おわり。