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古民家リノベーション体験談39 右か左か

【前回までのあらすじ】手打ちそば専門店でカレーライスを注文したら「えっ」みたいな顔された時のモヤモヤ感

右か左か。
といっても、政治思想の話じゃございません。
離れを新築することが決まり、持たせる機能も選別し、間取りも決めましたが、実はわりと最後まで悩んでいたのが位置決めなのです。
ということで今回はそんな話。
まずは過去の変遷を見てみましょう。

離れレイアウト01

これはかなり初期の間取り図ですね。
「コスト」という概念が全くない時代の産物です。
初々しくて目が細くなります。

離れレイアウト02

次にこちら。
母屋と同じく、離れも30案くらい作ったんですが、これはまだ8案目くらいのやつです。
玄関あり、リビングあり、キッチンありと、家の主要機能を離れに持たせていますね。
ちなみに家を新築してから離れの南正面にお隣さんのトイレ(浄化槽)があって常にうんこの臭いがすることに気付いたので、うんこに向けてキッチンの窓が開いているこの案をマジで採用しなくて良かったと思いますが、
怖いでしょ?
途中で考えるのを止めるとこれを採用していたのですよ。

離れレイアウト03

お次はこれ。
左に寄せてみましたの図。
間取りも最終プランとほぼ同じになっています。
敷地が広いので、どこにでも建てられる。これが30以上ものプランを作ることになった要因です。
自由度が高すぎるのも考え物ですね。
この狭い日本において「建物をどこに建てるか迷う」という状況は普通ないですが、古民家を買うとこういうことになるのです。
もちろんミスったら終わり。
めちゃくちゃ悩みました。

左の西エリアは、すぐ裏に竹藪があるので、蚊がすごいんです。さらに竹藪のおかげで夕方になるとすぐに暗くなってしまう。
対して右の東エリアは、藪もないし日当たりもいい。でもそこに家を建てると、庭の日当たりが悪くなる。
じゃあさ、逆に西エリアに建物を建てたらいんじゃね?
どうせ日当たりが悪いんだし。
と思ってレイアウトしたんですが、いや、でも、うーん。なんか…なんかちょっと……

最終の間取り案

ということで、最終的にこの位置に決めました。
そしたらもうこれが大正解!
「ここにして良かったね」って、いつも主人と言い合ってるんです☆
というレベルで正解でした。
成功の秘訣は、誰の意見も聞かなかったところかなと思います。
この位置決めにしても、いろんな人がいろんなことを仰ってました。
「どう考えても西やろ。これは西以外ないって。東なんかに建てたら一生後悔するぞ」とか「普通は東でしょ。うちも似たような増築したけど東側に建てて正解やったで」とか。
親身になって考えてくれてるのはとてもありがたいんですが、前にも書いた通りこういうのは

「どう考えてもかなちゃんやろ。かなちゃん以外ないって。彩香なんかと結婚したら一生後悔するぞ」

と変換できますので、「ほっといてんか」と思うことができました。
家づくりにおいては、情報はたくさんありますが、誰も正解を持っていません。家を何軒も建てた知り合いだろうが、建築家だろうが、大工だろうが、その人が一番満足する家はその人の心の中にしかないのです。
それは古民家にせよ新築にせよ同じです。
淑女のかなちゃんかビッチな彩香か、それを決めるのはあなたなのです!(何の話や)

さて位置も決まって、間取りも決まって、お次は構造計算とか確認申請とかそういうやつです。
そこでも色々トラブルに巻き込まれたわけですが、その話はまた次回。

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