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古民家リノベーション体験談1 さようならつつましさ

つつましい庭

今回からは「古民家リノベーション体験談」と題しまして、当ブログのメインコンテンツをスタートいたします。
時系列的には「古民家の選び方1 土地編その3」からの続きになり、古民家を購入した僕がどんな道のりで今に至ったかを、たくさんの写真と説明と愛と涙と酒と愚痴でお送りしようと思います。

僕たちはそれまで、今の場所から高速で2時間以上かかる遠方に住んでいました。
何の特徴もない、築30年程度の、土地30坪弱の、普通の一戸建ての借家です。
そこでつつましく暮らしていました。
そこにはつつましい庭があり、僕たちはそこでつつましい園芸をして、つつましい幸せを噛みしめていました。(冒頭のつつましい写真参照)
ところが。
そんな幸せな一家を悲劇が襲います。
そこのご主人、突然、ふと家を買おうと思い立ったのです。

いや悲劇っていうか完全に自分のせいなんですけどね。
周りにも当時自分たちがどんだけ大変な暮らしをしてるかを身振り手振りで伝えましたが、全員「お前のせいやろそれ」という意見ばかりで同情ゼロした。
でも言わせて。
そっからもーほんと大変だったんだから。
元通りの暮らしに戻るのに2年かかったんだから!
そして増えた体重は戻らなかったんだから!!

「お前のせい」というのは、古民家を買ったせいというより、僕が自分で間取り図書いて、自分で仕様決めて、自分で材料集めて、自分で現場監督して、自分で塗装して、
というせいなんですが、
でもあれですね、古民家に関わらず、一軒の家をつくるっていうのは誰だって大変ですもんね。
家一軒建てようと思ったら1000個決めることがあると言われますが、実感としては当たってます。
しかもその1000個のうち、一度決めたら取り返しがつかんやつが800個くらい。
やばいでしょ。
ただ古民家リノベーションにおいては、既に家があるリフォーム工事なので、新築ほど大変ではないと思います。
僕?
僕はね、新築で離れを建ててしまったのですよ。
アホでしょ。
しかも、既に建てられてあった築30年の100㎡の離れをわざわざぶっ壊してですよ。
アホでしょ。
おかげで今はめちゃくちゃ快適ですけどね。

僕が買った物件は延べ床120㎡くらいの平屋の古民家に、30年ほど前に合体した100㎡の離れがある、合計220㎡以上の家でした。
そして畳2枚ほどだったつつましい庭は一気に公園みたいな広さに。
さようならつつましい生活。
そしてようこそわけのわからん生活。
前にも書きましたが、肝心の母屋がカビの臭いで住めない状態だったので、僕らが引っ越したのは築30年の離れの方でした。
そこで取りあえず、このでかすぎる住空間を小さくするプランを住みながら考えて、工務店を探そうということになったのです。
でもまさかそこから着工まで1年かかることになるとは、その時は夢にも思いませんでした。

つづきます。

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