古民家再生、古民家物件、リノベーション情報など。

古民家の内覧はここをチェックしろ!

リアルタイムでここを読まれている皆様、20日間お待たせしました。
途中で余計な記事を差し挟んですみませんでした。
今回はいよいよ古民家内覧のポイント解説です。
今回は情報量多すぎるので冗談を書くヒマはありません。
きっちり書いて全部終わらせます。

てか、
ぶっちゃけ古民家でチェックすべきポイントなんざ1000箇所ほどあるんですよ。
でも1000箇所も書いてらんねえので手短にレベル3に分けて解説していきますね。

重要Lv.3 (いくらお金を積んでもどうにもならない)

・立地(日照、駅近、高台、接道、隣家、眺望、風通しなど)
・街の雰囲気
・家のデザインと雰囲気

はい。
これが最重要ポイントです。
以下説明します。

【立地】
正直これが一番需要かも知れません。
そして、これが一番難しいと思います。
立地、選べないんですよね。古民家って。
ただでさえ売り物件が少ないのに、土地にまで要望を出しちゃったらもう、希望通りの物件なんていつ見つかるのやら……
それはその通り。
でもだからといって、立地だけは妥協しない方がいいっす。
なぜなら立地だけは後からほんとにどうにもならないからです。
僕は「古民家選びで立地に妥協しない」というのがどれほど難しいことか知りつつもあえて言います。
たとえば高台が好きなのに、低地の古民家を買っちゃったら、もう宇宙の創造主とかにでもならない限り、その土地の高さを自由に変えることはできないのですよ。
これはリノベ工事が終わってしばらく経ってからボディブローのように効いてきます。
他にも道のすぐ側は嫌だとか、人里離れたところがいいとか、広々とした場所が好きだとか、立地においても様々な好みがありますが、たとえついに気に入る物件に巡り会えたとしても、立地が気に入らない場合、やめといた方がいいとすら僕は思います。
「家が気に入らない」と「立地が気に入らない」では天と地ほどの差がある。
購入後に「やっぱり家が気に入らない」はドリームジャンボ1等当てて工事すれば解決します。
一方「やっぱり立地が気に入らない」はドリームジャンボ当てても解決……するか。するわ。ごめん。
じゃなくて、ドリームジャンボが当たらないともうどうしようもないんですよ。
てことは、夢を描くことすらできない。
どういうことかというと、「この家の見た目が気に入らないけど、いつかお金が貯まったら直そう」と思いながら暮らす、これは希望なんです。
一方「日当たりが悪くて困ってるけどどうすることもできない、もう一生このままなんだ…」というのは絶望なんですよ。
希望と絶望、家の話と立地の話ではそれくらいの差があるのです。

【街の雰囲気】
では次。これもかなり重要です。
家とは直接関係ないんですが、その街の雰囲気、その街に住む住人の人柄が、あなたと相性がいいかどうか。
「土地柄」ってめちゃめちゃありますからね。
僕も大阪やら東京やら神戸やらその他地方やらいろんなところに住んできましたけど、地域性、めちゃめちゃありますから。
ある街に住んでる頃は毎日文句ばかり言って怒ってたのが、引っ越ししたら嘘のように性格がマイルドになって毎日笑顔になったという話は、僕もよく聞きますし、実際僕も嫁にそう言われました。
それくらい「街・人との相性」は大切です。
古民家の暮らしが素敵つっても、街や人があっての生活ですからね。
モノより人ってことです。
なので内覧したらその街をうろうろ散歩してみて、できれば歩いてる人に声かけたりしてみてください。
そこで明るい挨拶が返ってくるか、無視されるか、僕のように聞いてないことまで一方的に喋られて最終的に何らかの野菜をもらうか、それによって街の雰囲気がだいたい掴めるのでは、と思います。

【家のデザインと雰囲気】
…デザイン? それってリノベーションで変えられるんじゃないの?
とお思いの方、ノンノンです。そんな単純な話ではありません。
え、さっきドリームジャンボ当てたらどうにでもなるって言ってたやん、とお思いの方もノンノンです。
それはあくまで家の間取りや設備といった機能の話。
ここでいうのは「デザイン」の話。
その古民家が建てられた当初のオリジナルのデザイン、すなわちオリジナルの窓、家具、ドア、縁側、床材などといったものは、当然ながら現代ではもう作ることができませんし、同じものを作ったところで、オリジナルが持つ100年かけて丸くなった角、浮造り、変色した風合いは再現できません。
なのでこれもまた、いくらお金をかけようが手に入れられるものではないのです。
うちは増築やら改築やらでそういったオリジナルの要素がほとんど残ってなかったので非常に残念ですが、もしその家が魔改造されておらず、オリジナルの状態を保っているのであれば、それはそれだけでもう二度と手に入らないお宝だと思ってください。
そして、そういったオリジナルパーツが組み合わさって生まれる「その家の雰囲気」といったものもまた、立地と同じくらい、あとからどうすることもできないものなのです。

重要Lv.2 (最悪お金で解決できる、でもお金かかる)

・屋根の状態
・床下の状態
・傾きの有無
・シロアリの有無

はい。これはもう言わなくても分かると思います。
屋根。瓦の状態はどうか。葺き替えが必要かどうか。雨漏りがあるかないか。
床下。湿気てないか。過去に浸水はないか。柱の足元が腐ってないか。
傾き。建具と柱の隙間はどれくらいあるか。障子や襖や窓が引っかかりなく開閉できるか。歩いていて気持ち悪い場所は無いか。
シロアリ。柱、根太、梁、喰われてないか。特に水回りがどれくらい痛んでいるか。
ということです。
僕が誰かに頼まれて一緒に内覧に行く時は、まず真っ先にこの4つをチェックします。
なぜならこれが一番お金のかかる部分だからです。
たとえば屋根。あー、瓦がもう寿命っすねー。あちこち割れてるし、これもう葺き替えっすね。で+500万。
床下。あー、湿気がひどいですね、柱の根元が全部やられてますねー、根継ぎして防湿シートとコンクリ打ちましょか、で+500万。
傾き。あー、これだいぶ傾いてますねー、一度スケルトンにして引っ張りましょか、で+1000万。
みたいな感じ。
こわっ!
なのでまずはこの4つ。もちろん雨漏りしててもシロアリに喰われてても直っちゃうのが古民家なんですが、なんせお金がかかるのよ。こういう構造に関する部分は。
よっぽどその古民家の立地や雰囲気が気に入ったのであれば、大金つっこんで直すのも全然アリだと僕は思いますが、取りあえずは皆さんもまず構造をチェックしましょう、ということです。

重要Lv.1 (あとからどうにでもなるからわりとどうでもいい)

・暗さと寒さと汚さ
・間取り
・建具
・設備(キッチン、お風呂、トイレ)

どうですか。意外ですか?
これって実は皆さんが一番気にするところじゃないかなと、元素人・元施主である僕は予想します。
あの家、かなり暗かったけど、リノベーションで明るくなるんだろうか?
あの家、ちょっとびっくりするくらい汚れてたけど、本当に綺麗になるのかしら?
あの家のキッチンは使いにくそうだし、お風呂は狭いし、トイレはボットンだし、なんかすごいテンション下がったわ…
というのがまあ古民家の内覧から帰ってきた方々の一般的な感想じゃないでしょうか。
でも実はそんな方々が一番気にしている部分こそが、一番どうにでもなる部分で、すなわちどうでもいい部分なんですよね。
古民家は建具はずしたり漆喰塗り替えたりすれば普通に明るくなるし、断熱きっちりすればそこまで寒くなくなるし、掃除すれば綺麗になる。
キッチンも数十万でピカピカになる。お風呂も最新のものになる。トイレも水洗になる。
そんなのはすべてお金の問題だし、水回りに500万もかからんし。
あとからお好みでご予算と相談しながら決めていけばよろし。
そういうことができないのがさっきのLv.2。
シロアリさんと相談なんかできんのですよ。
もし相談できるシロアリさんがいるならそいつはもう責任能力があるので普通に刑事事件で告発してください。
とにかく、皆さんの目がつい行きがちなところは、意外にもプライオリティが低い、ということを覚えておいて頂ければと思います。

以上いろいろ書きましたがいかがでしたでしょうか。
最後に僕から一言言わせてください。
もしあなたが古民家を内覧して、理屈ではなく、何かものすごく「ピンときた」場合、このすべての項目を完全無視してもオッケー!
ということです。
こんだけ長文読ませてきてそりゃないぜと思うかも知れませんが、人間の第六感は侮れないです。
結局その直感さえあれば勝利確定なのかもしれません。
僕は、ピンとこなかった古民家を買いました。
その結果、ちゃんと選んでいれば払わなくてよかったはずのお金を1000万円以上払うことになりました。
でも、そのリノベーション工事そのものは、理屈(=ご予算)を完全無視して、ピンとくるかどうかだけで判断していったのです。
その結果、こんな素敵な家が生まれました。
不満はほとんどありません。
これがまた理屈でプランニングしたり、ビビって守りに入っていたりしたら、さぞ中途半端な、いつまで経っても不満が消えない家になっていたと思います。
家づくりはフルスイング。
それはむやみやたらに振り回すのではなく、確信を得た時には、ピンポイントで恐れずにフルスイングするということ。
家づくりに限らず、人生の様々な場面で、それが勝利への鍵となる気がします。


ということで3回に渡ってお送りした古民家内覧シリーズ、これにてスリーストライク、バッターアウト、ゲームセット!(あかんがな)

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