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ヨドコウ迎賓館に行ってきた・その2

幾人かの方に「ヨドコウ楽しみにしてます!」と心温まるメッセージを頂き、気を良くしていたものの、いやでも冷静に考えたら古民家の屋根葺き替えとか断熱とか費用とかにお困りの方々が果たしてこんな古民家と全然関係ないアホみたいな金持ちの豪邸のレポートをポテチ食いながらだらだら見るか?? むしろ食べこぼしたポテチに群がる古民家ならではのどこからともなくやってくるアリの行列対策(※リアルタイム)を語った方が喜ばれるんじゃないか??
と急激に不安になってきた今日この頃です。
分かってんのよ。分かってはいるけど、途中だからごめんね、その2やります。

あ、アリの行列対策はワンプッシュで蚊がいなくなるスプレーあるやん、あれ試しにプシュってやったら笑うほど効いたのでみんなもプシュプシュやればいいよ。

はい!!
てことで、どこまでやりましたっけ。
前回は玄関入った瞬間に終わったんでしたっけ。
最低やな。
この写真はその玄関にある階段の途中の一コマ。
見て下さいよこの窓。
すごない?
なんで階段の踊り場にこんな細長い窓いるの?
なんでこの窓床まであんの?
意味なくない?
てかめちゃめちゃカッコよくない?
いやーすごいですよね巨匠の発想って。
でもね、これ、気に入ったならべつに自分の家でもできるんですよ。こういう細長い木枠の窓をネットやアンティークショップで見つけてね、大工さんに「これ付けて。縦に」って言うだけですよ。
僕も色ガラスの入った木枠の窓をネットで見つけたので即購入して、新築に使いましたよ。
こんなふうに。

ね。
べつにいけるんですよ。
しかも新築でいけるんだから、古民家なんかやりたい放題できます。
まあ工務店さんはこういうのって雨水侵入とか腐りとかリスクがあるから、基本的には嫌がりますよね。
でも実際、かれこれ10年近く経ってますが、別に何の問題もないですよ。
さっき見たらちゃんとコーキングも効いてたし。
だから「いける」と思ってもらって大丈夫。
あとは渋る工務店さんに「付けて」と言うだけです。
その時は「いやー、どうしてもこれ付けたいんですけど……ダメですかね……?」みたいなノリじゃいけませんよ。
「付けて」
と言うだけです。
できれば瞳孔は開き気味に、焦点の合わない目で、壊れた機械のように「付けて」と連呼できるとベストです。

さて話を元に戻すと、階段の窓がカッコいいって話ですね。
すごいですね。今のところ、玄関入って、階段を途中まで上がっただけです。
もうこれ3回とかじゃなく年内に終わるんかってレベルの進行速度ですね。
どうしよう。
ちゃっちゃと進めます。

でいきなりどーん!
階段登ったらいきなりこれがどーん!
もうね、情報量多過ぎ。
この部屋だけで一冊出版できる。
天井付近の小窓なんなん?
なんなんこれ全部開閉すんの?
何してくれてんの?
家具もライト設計、窓もオリジナル、左端の有名な灯具にいたってはマヤギワさんから出てる17万超えのリプロダクト品がロングセラー商品です。
17万超えの照明器具のオリジナルが左端で見切れてても気にならない空間、それがライト建築のメインフロアなのである。

これはさすがにすごすぎてちょっと参考にならんやろとは思います。
強いて言えば、この窓+ソファの組み合わせなんかは、いつかどっかでやりたいですね。
この実用性あるのか無いのか分からない、でも家にあったら超絶テンション上がるというアレですが、今から家づくりする人はこれをどこかでやれるってことですよ。
これはべつに技術的に難しいわけじゃないからね。
縁側の一部をこんな感じにしてもいいんじゃない?
オーダーメイドのソファは高いけど、どうせみんな施主ゾーンに入って頭アホになってるから大丈夫!

まーしかしライトさん、ちょっとした隙間にすぐ窓を放り込んできますわね。
イイヨイイヨー。
これがきっとライトの精神なんだろうと思うんですよね。
ようするに、できるだけ空間を仕切らない。視線を通す。外の光景を取り入れる。そういうことだと思います。それはもちろん、我らが古民家が最も得意とするところ。
浮世絵コレクターだったライトがどこまで日本の美と精神を意識的に採り入れたのかは分かりませんが、少なくとも、彼の美意識と日本人の感覚は近しいところにあり、それが結実したのが、本格的な座敷を持つ、このヨドコウ迎賓館なのではないかと思うのです。

にしても、あんさんやりすぎやで。
古民家リノベの際、こういう仕様ももちろん皆さんはマネすることができますが、できれば奴隷または召使いを2人ほど雇ってからにした方がいいと思います。

この写真なんか、もうほとんど古民家やんけと僕は思うのですよ。
横長の開口部、そこから届く水平の光。そして室内の暗がり。まさに陰影礼賛じゃないですか。
僕が古民家ブログサイトでこの建物をがっつり紹介しようと思った理由、伝わりましたでしょうか?

はい、というところでお時間がきてしまいました。
写真があと何枚残ってるのか数えたくありません。
瞳孔の開いた、焦点の合ってない目で、

「つづきます」

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